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マネジャの本質について

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マネジャの最初の仕事は、なんであろうか?
立派なマネジャになるためには、どのように振舞い、どのようなスキルが必要であるかを説いた書籍は数多く存在するが、原点、本質について語ったものは少ないような気がするし、ハウツーものが多いような気がする。

今回は、マネジャの最初の仕事について考えてみたい。
マネジャの役割は、いろいろな考えの人達の間に立って物事を進め、ビジョンや目標を実現していくことにある。
人の間に立って、目的を遂行するための責任と権限を持っている。このことが、いろいろな問題を引き起こす原因でもあるし、時に誤解も生んでいる。

原点に立ち戻って考えてみる。
そもそも、世の中(会社もその一つの世界)は、多くの人で成り立っていていろいろな意見や考えを持った人で構成されている。
多くの人の間で何かを進めようとすれば、2つの点が大切だ。

一つは「信頼」であり、もう一つは「コミュニケーション」である。

私はよく、部下であるマネジャに「部下から信頼される人になって欲しい」と言っている。
言うのは簡単だが、やることはなかなか大変だ。まさか部下に「俺は、上司だから信頼しろ!!」と命令するわけにはいかないだろう。「信頼」とは、上司、部下の関係で成り立つものではなく、先ずは、人と人との対等な関係から出発する。
たまたま、上司であるだけだ。これを理解できていない人が数多く居る。
信頼とは、すべて、相手がボールを握っている。相手の心の中に存在するものなのだ。

部下を持った人が、最初になすべきことは、周りから信頼される行動を取ることだと思う。
無意識にこのような行動が取れるようになった人は、「信頼される人」になる。
「信頼される人」と「信頼に応える人」の関係が、上司と部下の関係になる。
上司であるということは、「信頼される人」である時間が長いということに過ぎない。

もう一つの「コミュニケーション」で重要なことは、部下の言っていることの意味や真意を「しっかり聞くこと」だと筆者は考えている。筆者自身は、コンサルタントを業としていることから数年前まで「話したり・説得したり」することに重点を置いてきたが、最近「聞くこと」の大切さを痛感している。
マネジャのコミュニケーションの重点は、「聞くこと」であり、70−80%のウェイトを置くことが必要だろう。

会社の組織は、機能的に作られているが、時には「信頼とコミュニケーションの基盤」を点検しなければならない。
しっかりとした基盤があってこそ、複雑なことをマネジメントできると思う。

これは、筆者の失敗と反省に基づいて心底、思っていることである。本質は常にシンプルである。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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