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ドライデイ

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1月30日(火曜日)から2月8日(木曜日)まで、インドのムンバイ、プネ、バンガロールへ出張した。今回は、IT企業トップマネジメントの方々8名をインドの一流IT企業へ訪問紹介すること、弊社がインドで実施しているグローバルIT教育の現場を見学してもらうことが目的である。
たまたま、1月29日からNHKスペシャルで3日間インドの特集があり、世の中の関心が高まっていたところである。

30日のムンバイ到着早々、マハラシュトラ州では選挙の日程に当たっており、翌日の31日から2日までの3日間が、「ドライデイ」になっていた。
「ドライデイ」とは、公共の場所では、一切、アルコールを飲むことが禁止されている日である。法律で禁止されているので、わがままや例外は許されない。これまでの訪問の際、度々この「ドライデイ」には当たっていたが、せいぜい日程の中の一日だけであり、視察で行くグループのちょうど良い休肝日にもなっていたため、あまり気にもしていなかった。しかし、今回は参ってしまった。平日の3日間連続で、禁酒の日が続くのだ。アルコール無しで、夕食を3日間過ごすことになってしまった。
出発前から予定していた歓迎の晩餐会、現地で勉強をしている受講者との会食、一日の反省会などが、すべてアルコール無しとなるのだ。インドでは、ガンジーの関連の日や選挙が予定されている日は、必ずドライデイとなる。選挙はテンポラリーに決まることがあるので、前もって予測はできないことがある。

それならそれで、飲めないのはしかたがないので、何らかの切り替えをすることにした。どうやって盛り上げるか、どの様に切り替えるかが重要である。日本のビジネス慣習では、酒が入らないと言いたいことも言えないし、コミュニケーションも円滑にいかないことがある。これは、日本の社会的、文化的なことなのであるが、行く前からインドを楽しみにして皆が盛り上がっている状況で、3日間の禁酒はまことにきついのだ。この事実をツアーのメンバーに伝えなければならないのだ。私は、到着直後のウエルカムドリンクの場で、グッドニュースは無事到着できたこと。そしてバッドニュースは、これから3日間は、レストランで酒が許されないことを告げた。私は、お酒が好きで毎日お酒を飲む習慣が身についているのでさらにきつい。同行者のエグゼクティブの方の何名かも同様であった。さて、酒無しで話が弾むかどうか不安である。このときほど下戸の方が良いと思ったことはない。どの様に対応したか説明しよう。

ドライデイ第1日目(水曜日):
名物のインドレストランで夕食、ノンアルコールビールで乾杯。
その後、インド製ノンアルコールワインを飲む。酔わないビール、ワインをネタに
話は、適度に弾んだ。やはり、会食は1時間半が限度だ。その後、各自ホテルの部屋で手酌。

ドライデイ第2日目(木曜日):
グローバルPMコースの受講を終了する受講生の卒業式に当たり、先生、生徒、
視察者が一緒になって卒業パーティでアルコール抜きの立食。早々とホテルに引き上げ、またまた各自手酌。これもいいかな!

ドライデイ第3日目(金曜日):
いい加減うんざりしてくる。日本での飲酒の習慣の方が、おかしいのかもと感じられる。ホテルで受講生、里親(送り出している経営者)とタイ料理の会食。11:00ごろまでじっくり話ができた。料理の味に集中することを心がけ、食事を楽しんだ。これは実に良かった。いよいよ明日はドライデイ解禁だ。土曜日なので昼から飲むぞ!!と意気込む。
明日が遠足のように待ち遠しい。どういうわけか手酌は無しで寝た。何で、飲みたくなるんだろうと言う気持ちになった。飲まなくてもできるじゃないか。

いよいよ解禁日初日(土曜日)になった。ムンバイまでドライブ、インド門、ムンバイ駅、裁判所などを観光後、タージマハールホテルの海の見える洋風レストランで
キングフィッシャー(インドで最も有名なビール)1パイント飲み干す。そのあとカリフォルニア、ナパの赤ワイン(カベルネソービニオン)をランチバイキングと共に2時間楽しんだ。あ~幸せ!同行者ともっともっと話が弾んだ。その後、最終日まで夕食時には、反動的にお酒を楽しむことができた。

「ドライデイ」のお蔭で、日本人の側面が理解できたし、酒のありがたみ、冷静に話をすることの意味、料理そのものの味、話に集中することができた。

日本では「法的なドライデイ」はできそうも無いが、たまには在りか。

日本のカルチャーもほかの国から見たら変なのかもしれない。
たまには、「ドライデイ接待」もためしてみては……

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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