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PM力+BA力向上が、企業価値を向上させる

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ここ10年余りにわたり企業のプロジェクトマネジメントへの関心は、高いレベルにあり、多くの企業は、PM力向上に取り組んできている。日本でのPMに関わる活動は、定着期に入っている。しかし、現実のプロジェクト活動に注力すると相変わらず、失敗プロジェクトは、多発しなかなか成功率は、改善しないようだ。その理由の主なものを3点にまとめてみた。

  1. プロジェクトが、複雑で難易度が上昇
  2. プロジェクトメンバーのスキルが、ついてゆけない
  3. プロジェクト開始時点の進め方が、不適切で価値(目的)を生み出せない

つまり、そもそものところに課題があるようだ。言い換えれば要件定義の前段階のIT構想・企画段階で価値が生めないことが重要な課題である。
多くの企業が、ITの構想・企画はPM力と関係していると理解している。私が、考えるIT構想。企画段階の役者は、3人いる。BA(ビジネス分析者)、PM(プロジェクトマネジャ)そして、ITシステムとしての実現方法に関係するITアーキテクトである。3つの役割りが、協調して初めて、ITシステム実現の価値を生み出せる。PMの計画力や管理力が、重要なのは、当然のことであるが、ビジネス価値を明確(目的)にし、ビジネス分析を実行し、ビジネス構造を創造するBAが、適切に活動できなければ企画そもそもの価値は、生まれない。 
IT構想・企画での価値の中核は、ビジネス分析者が、担う。ユーザー企業では、事業の中心者が、構想の価値創出に責任を持って、PMや分析手法の専門家のファシリテーションを受けて推進する。

 プロジェクトの成功率を上げるには、PMとBAの役割りを明確にし、構想・企画のプロセスとして纏め上げ、そこで定義したタスクをビジネス価値を常に意識し推進することが、まずは、必要だ。価値を最大限にするためのビジネスの追求があってこそ、プロジェクトで実現するITアキテクチャ(ITとしての実現)が、生きたものになるし、さらには、PMが、設計する計画と管理業務が、ビジネスシステムの実現を確実なものにするために重要になる。

今後、アイ・ティ・イノベーションは、PMやITの方法論の支援に加えて、IT構想・企画段階を企業内でより価値あるものにするためのあらゆるサービスに重点を置くつもりだ。BAの活動は、プロセスの標準化や教育だけでは、高いレベルに到達できない。むしろ本番の企画で実行する個々のプロセス(タスク)で、熟考し、いかなる価値を追求できるかどうかが、勝負どころである。考え、考え抜いてこそ、良い企画が出来るというものだ。
そのためにはBA(ビジネス価値)+PM(計画力、実行力)の実施が、まず、重要だ。構想・企画段階をあらゆる角度で分析し、より高いIT企画を各企業で推進できるよう努力するつもりである。

数年前にカナダで設立されたBAの協会(IIBA:International Institute of Business Analysis)は、昨年には、日本でも支部が立ち上がり活動を開始している。グローバルな活動とあわせてBA力を向上させ、PMと連動できるようになることが、今後の企業価値向上に大きく貢献することになる。
ユーザーは、特にBA力向上に拘って能力アップすることがプロジェクト成功の必須条件である。
私は、まずは、「PM+BAで価値向上の方程式」をトレンドにしようと思う。

(付録)
PM、BA、ITAを下記に定義してみた。

PM:Project Manager
(ビジネス価値を具体化するためのプロジェクト計画、推進、評価の責任者)
BA:Business Analyst
(ビジネス価値の創造とビジネス構造設計の責任者、ビジネスアーキテクトとも呼ぶ)
ITA:IT Architecht
(ITを活用したビジネスシステムの仕様設計と実現手段と工法の選択・設計の責任者)

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Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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