ホーム > ブログ > 林衛の記事一覧 > ふたたびインド訪問 グローバル化への対処


ふたたびインド訪問 グローバル化への対処

Pocket

 今年の2月以来4ヶ月ぶりにインドへ出張した。7月24日から8月1日までである。成田から出ているANAの直行便でムンバイへの到着時刻は18:50分で、夕方である。到着してすぐ車で近くのホテルへ移動する。

 日本では、連日、猛暑が続き気温と湿度には、正直言ってうんざりしていたところインド出張となった。一般的なイメージではインドは、暑いと思われているが、実は雨季で比較的気温が低い。とはいっても最高気温は、30度くらいある。雨季での多少の蒸し暑さはあるが、日本よりましだ。私は、ここ数年間にインドへの出張は、30回近くになるが、日本より気温が低く、このように過ごしやすいのははじめてである。
 
 今回の出張の目的は、3人のお客様をインド企業へ訪問する案内役と人材グ
ローバル化の助言をするためである。ユーザー系企業の役員の方とコンサルティング企業の人材開発部門の方々と長時間一緒にすごし、様々な話題を話し合うことが楽しみだ。海外で一緒に過ごす場合、国内のオフィスでの打ち合わせとは、違った本音の会話もできることも出張の利点である。

 空港近くのホテル一泊の後に、ムンバイでも最も古いIT企業のひとつに訪問した。30年以上前に設立されたIT企業は、インドでは数えるほどしかないが、インフォシスに代表されるようなトップ企業が、規模、売上共に拡大戦略志向であるのに対して、地道で着実な経営戦略を実施している点が、今回訪問した企業の特徴である。その企業に大変歓待され本社と開発および教育センターを見学させてもらった。企業の歴史と経営理念を知ることが、その企業理解への早道へとなる。

 その後、陸路でプネへと向かう。ムンバイやデリーは、日本でも知られた大都市であるが、プネは、インド国内では、住みやすく教育が盛んな都市として知られている。プネ大学を中心とした多くの学校や教育機関、研究機関がある。また、軍関係の施設が多く置かれている。現状のIT企業のインド国内での拠点は、バンガロール、ハイデラバード、チェンナイ、また、プネも重要な立地のひとつである。標高600メートルのデカン高原の大地に町があり、ここ10年間にIT企業や製造業などが多く進出して大都市になってきている。プネ郊外には、大きいもので数箇所のITパークが、創られているが、最近の流行は、パーク内に企業群だけを誘致するのではなく、一つのパーク全体を大きなセキュリティゾーンとして区分けし、企業 群、住居、学校、病院、スポーツ施設、ショッピングセンターなどを計画的にレイアウトする方法が、採られている。一区域内で生活が完結しのグリーンエネルギーも供給する。私の向かう先は、マガルパッタシティ(http://www.magarpattacity.com/) である。マガルパッタ シティは、東京ドーム30個分(30エーカ)の広さがあり、3万人以上の住民が暮らすことができる施設が整っている。この施設に限って言えば、インドに居る事は、想像できないだろう。欧米のどこかの国の郊外に居る感じがする。

 私が、6年前から実施しているインドでのIT教育、マネジメント教育は、マガルパッタ内の教育センターで2ヶ月から4ヶ月間の合宿で行っている。通算で6年目に入った。6年間の間に、様々な日本企業に対して、このプネで中堅社員の英語、クロスカルチャ、ソフトウェアエンジニアリング、PM を教育してきた。会社によっては、全社員の2-3割の人が、グローバル教育を受けた会社も存在する。また、インドでの教育で何かを掴み、海外のIT の現場や国際的なプロジェクトでリーダーとして活躍している卒業生も20-30名以上に達しているだろう。

 今回、訪印して、お客様から新たなアイデアをいただいた。元々話し合っていた課題は、どのような年齢層の人にどのような教育をすべきかという課題である。ここで、実際に学んでいる受講生にもあって話を聞いてもらった。元気にインドのカルチャや英語での授業に対応している若者を見て、訪印している視察者の意見が変わった。「やはり若いうちにこの環境に送り何でも学んでもらうのがいいね!できれば、若ければ若い方がいい!!」、「学生、新入社員、若手社員を中心にある程度厳しいトレーニングをすることこそが、将来の日本のグローバル化にも繋がるし、本人のためにもなる ね!」

 これが、結論である。グローバルな環境に身をおき、様々な人とコミュニケーションをとり、毎日自分の意見を言う。自分の考えをまとめ、自分の言葉(英語)で意見を言えるようになることこそが、大切である。言語力以前に自分の意見を持つことの大切さを学ぶ。様々な価値観の違う人とのコミュニケーションを通じて、様々な価値観を学ぶ。多様な価値に対して受け入れる心を持つことが大切である。

 企業をグローバル化することは、簡単ではないが、環境の違うところで文化と価値感を学ぶことが、第一歩だと私は、信じている。

Pocket

| 目次

Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

Recent Entries最近の記事

このページのトップへ