ホーム > ブログ > 弘中 伸典の記事一覧 > 【第17回】段取りの六:コミュ二ケーションルールを決定する


【第17回】段取りの六:コミュ二ケーションルールを決定する

Pocket

< 前回 | 目次 | 次回 >

いや~、今年はどうにも暑い日が続いてかないませんね。

私の周囲にも「うぅ、夏バテで体が重い・・・」状態の方が結構いますが、そんな時には我慢しすぎないこと。たまには休んで郊外の涼しいところにでも出かけてリフレッシュされてみては?
プロジェクトの計画においても無理は禁物です。無謀な計画を強引に進めると、最初は気力と体力でなんとか持ちこたえたとしてもいずれメンバーは疲弊し、破綻をきたすことになります。しっかりと練りこまれた現実的な計画作りを目指したいものですね。

という訳でプロジェクト計画書の書き方、今回のテーマは「コミュニケーションルールの決定」です。

どこまでコミュニケーションをルール化するのか?

ここで皆さんの中には、「コミュニケーションは人と人とのハートが大事!ルールなんか作るとなんだかギクシャクしてプロジェクトの風通しが悪くなるのでは?」とお感じになる方もいるかも知れません。

もちろんそれは一理あるのですが、ここではプロジェクトにおけるすべてのコミュニケーション方法をルール化しておくべき、という訳ではありません。計画すべきなのは、重要な会議の開催方法や共通的に利用できるコミュニケーションの手段などであり、プロジェクトにおける基本的なコミュニケーションを効率化したりミスを軽減したりできる範囲に限られます(もとより、すべてのコミュニケーションをルール化するなんてことは不可能ですね)。

基本部分でルールを確立した上で、さらにプロジェクトにオープンで明るい雰囲気を作り、メンバー間の主体的で自由なコミュニケーションを活性化すること、その“合わせ技”ができるプロジェクトマネジャーが優れたプロジェクトマネジャーと言えるのです。

会議体を定義する

それでは早速コミュニケーションルールを決めていきましょう。

まずは“会議体“の定義を行ないます。もちろんプロジェクトでは多くの会議が必要に応じて随時開催される訳ですが、計画段階であらかじめ決めることができる重要な会議については計画段階で以下のような項目を定義しておきます。

・会議体の名称
・主な議題
・開催日時/頻度 (※1回限りの会議は開催日時、定期的に開催される会議はその頻度を定義します)
・開催場所と利用する設備
・参加者と会議における役割(司会進行役、議事録の記録者など)
・会議で利用する資料

「計画段階であらかじめ決めることができる重要な会議」はプロジェクトによってもちろん異なるのですが、ほとんどのプロジェクトの場合では最低限以下の3種類の会議体が必要になります。

図1 プロジェクトで最低限実施すべき会議体
hironaka_chart100831_1

以上を踏まえ、図2に会議体の定義例を挙げます。この例では、定期的な報告会を毎週チーム単位で行った後にプロジェクト全体で行い(No.2と3)、さらに毎月1回プロジェクトスポンサーに報告している(No.4)ことが分かりますね。

図2 会議体定義の例
hironaka_chart100831_2b

コミュニケーション手段のルールを決定する

会議体の定義と併せて、プロジェクトで共通的に利用するコミュニケーション手段のルールを決めておきます。
プロジェクトにおけるコミュニケーションの代表的なルール項目を以下に挙げておきますが、プロジェクトの作業を進めてみたら「こんなルールも決めなければならないね!」とか、「このようなケースに対応するためにルールの見直しが必要だね!」いうことが結構出てくるものです。プロジェクトを進めながら都度ルールを追加・変更すれば構いませんので、特に規模の小さいプロジェクトではあまり厳密で面倒なルールを最初から決めておく必要はありません。

・ 電子メールを送付する際のルール
− Subject(タイトル)のつけ方(例えば、最初に“[○☓プロジェクト]“の文字列を入れるなど)
− 添付ファイルの圧縮方法/上限サイズ/サイズがオーバーする場合の分割方法/暗号化方法など
・ グループウェアなどの情報共有システムの利用ルール
・ 議事録の作成・配布ルール
− 議事録のフォーマット/利用するテンプレート
− 議事録の送付期限と送り方(会議後2日以内に出席者全員に電子メールで送付するなど)
・ 書類を回覧する際のルール
・ プロジェクトの関係者間の質問・回答の管理方法(メールでやり取りを行い、その経緯はQ&Aリストを使って管理するなど)
・ 緊急時の連絡方法(連絡網と各メンバーの緊急連絡先など)

いかがでしたでしょうか?
これらは非常に基本的なルールであり、計画段階であらかじめ定義しておくことで、プロジェクトの作業が始まってからアタフタしなくても良くなることがお分かりいただけるのではないかと思います。

それでは次回もお楽しみに!

< 前回 | 目次 | 次回 >

Pocket

| 目次

Profileプロフィール

弘中 伸典
弘中 伸典
1994年、徳山工業高等専門学校情報電子工学科を卒業。 SIベンダーに入社後、数々のシステム開発の現場で活躍。そこで得た多くの経験に感謝しつつも、IT業界における構造的問題に一石を投じるべく株式会社アイ・ティ・イノベーションに参画。問題の原因は、プロジェクトマネジメントの欠如にあると考え、日々のコンサルティング業務を通じてその必要性を訴え続ける。 専門領域は、プロジェクトマネジメントおよびシステム開発プロセスの標準化、PMOの設置と運営、IT投資マネジメントなど。 責任と誠意を持って問題解決に取り組む姿勢を大切にしている。 PMP(Project Management Professional)資格 保有

Recent Entries最近の記事

このページのトップへ