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【第23回】プロジェクトの“段取り”から“確認”へ

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いよいよ“段取り”の次の段階、つまり“確認”に進んでいく訳ですが、そのためにまず3つの事柄について説明しておかなければなりません。
実は、プロジェクトの計画書ができたからといって、「それじゃ、プロジェクト作業開始!!」と一筋縄にはいかないのです。はやる気持ちをクククッと抑えて、少しだけお付き合いいただけますでしょうか。

“確認”の方法はあらかじめ決めておく

“確認”とは、計画に対し予定通りにプロジェクトが進んでいるのか、何か問題が起こっていないかなど状況をチェックし、ゴールに向かってプロジェクトをコントロールしていくことです。しかし、単に「どう?順調?」とメンバーに適当に聞いてまわっているだけで十分な確認ができる訳ではありません。

プロジェクトをしっかりとマネジメントするためには、正確な情報を適切なタイミングで収集し、しかるべき関係者とプロジェクトの状況を把握・意思決定しながら手を打っていかなければならないのです。そのためには、確認の手順やルール、仕組みをしっかりと検討して定義しておくことが必要になります。
この「確認のための方法」については、説明の便宜上これから“確認”として複数回に渡り見ていく訳ですが、実際にはプロジェクトの作業を始める前、つまり“段取り”の中であらかじめ定義して準備しておかなければなりません。
プロジェクトの作業が始まってから確認の手順やルール、仕組みを検討していると非常に「慌ただしく」なってしまい、十分に練りこまれた確認の方法を確立することが難しくなります。

プロジェクトの作業を開始するということは、同時に確認を開始することでもあります。基本的には“段取り”の中でプロジェクトの計画書と一緒に、確認の方法を決定しておきましょう。

作業の準備をしておく

プロジェクトの作業を開始した直後によく起こりがちなのが、最初の作業のための準備が十分に整っていないためにいきなり遅延が生じるということです。
例えば、最初の作業がある資料の作成だったとした場合、資料を作成するためのパソコンやソフトウェアが用意されていない、作業のための場所や机が確保されていないといった状態では、その準備に時間がかかってしまい肝心の資料作成作業をなかなか始めることができませんよね。
スケジュールの後ろの方にある作業については、プロジェクトの作業を進めながら並行して準備を行うことも可能ですが、最初にある作業は事前に準備を済ませておくことがポイントとなります。

キックオフで計画書を説明しておく

“段取り”で作成したプロジェクト計画書、および“確認”のための手順やルールについて、プロジェクトの関係者に確認を行い、必要な合意と承認を得ておくことも必要になります。そして、会議を開催してプロジェクトメンバーに対してそれらを説明することでようやく「作業開始!」となるのです。

この説明のために行う会議は通常“プロジェクト・キックオフ・ミーティング”と呼ばれています。
この会議は計画などの説明と合わせてプロジェクトメンバー達の一体感や使命感を醸成するための良い機会でもありますので、プロジェクトの意義やプロジェクトを進める上での心構えなどを共有したり、お互いに懇親が図れるような“味付け”も考えてみましょう。以下のキックオフ・ミーティングのプログラム例を挙げますので、参考にしてみてください。

(1) プロジェクトスポンサーによるスピーチ(プロジェクトの意義や重要性など)
(2) プロジェクトマネジャーによるスピーチ(プロジェクト推進のポリシーや心構え、メンバーへの協力依頼など)
(3) プロジェクト計画内容の説明(プロジェクトマネジャーより)
(4) プロジェクトメンバー自己紹介
(5) プロジェクト管理のための確認手順・ルールの説明(プロジェクトマネジャーより)
(6) 最初の作業の進め方についての詳細な説明(プロジェクトマネジャーより)
(7) 懇親会によるメンバー同士の交流

いかがでしたでしょうか。
これらを踏まえ、“段取り”から“確認”に進むために必要となるステップについて、最後に図1にまとめておきましょう。

図1 “段取り”から“確認”に進むためのステップ
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次回からは、図1の中の「プロジェクトの確認」、そして「確認のための手順・ルール・仕組み」について詳しく見ていきましょう。

お楽しみに!

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Profileプロフィール

弘中 伸典
弘中 伸典
1994年、徳山工業高等専門学校情報電子工学科を卒業。 SIベンダーに入社後、数々のシステム開発の現場で活躍。そこで得た多くの経験に感謝しつつも、IT業界における構造的問題に一石を投じるべく株式会社アイ・ティ・イノベーションに参画。問題の原因は、プロジェクトマネジメントの欠如にあると考え、日々のコンサルティング業務を通じてその必要性を訴え続ける。 専門領域は、プロジェクトマネジメントおよびシステム開発プロセスの標準化、PMOの設置と運営、IT投資マネジメントなど。 責任と誠意を持って問題解決に取り組む姿勢を大切にしている。 PMP(Project Management Professional)資格 保有

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