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アジアの人材を育成したい

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 皆さんは、アモイ(福建省)という名前の町をご存知でしょうか?中国語:厦門市、英語:Xiamen Cityと書く。以降、アモイと表記する。アモイは、上海と広州の中間に位置し、穏やかな海洋都市である。気候は、ハワイや沖縄に近く産業とリゾートが、同居している町並みが綺麗な都市である。また、アモイは、華僑の故郷としても有名である。また、教育レベルは、アモイ大学を中心として高く、優秀な学生が多い。

 アモイは、立地や歴史的な背景から一般の中国の大都市とは、少し違うエキゾチックな印象を受ける。アモイは、アジアを中心とした華僑がビジネスを築いたシンガポールなどの都市との交流が常にあり、開かれた文化が特徴だ。北の大連もある意味では、似ている。

 近年、町の整備とともにソフトウェアパーク、ホテル、国際展示場などの国際的な拠点としても注目されており、新しい施設が多く建設されつつある。上海や北京、香港、広州などに比べるとまだまだ知名度は、低いが、中国南部からアジアをカバーできる立地条件は、非常によく、発展が期待できる都市である。また、アモイの人々は、オープンで明るく、華僑思想の影響を強く受けており、ビジネスを行う上での基盤が整いつつある。

 私が、アモイを訪問した理由は、弊社と長く付き合いのあるお客様の情報子会社の拠点が、アモイにあり、その会社の発展に寄与したいという思いで、会社の実態を見て、幹部の方々と会って会社の方向性について話し合いたいと単純に考えたからである。日本から先方の社長と役員の方が、現地合流できたこともあり、トータルで将来の前向きな話をすることができた。一方、日本でのITビジネスの現実は、まだまだ、低迷している。現状では日本のマーケットをみると、将来の大きな成長が望めない。

 しかし、日本の企業は、特に製造業は、立派にグローバルマーケットで、成果を上げている企業も多い。このあたりを注力すると成長市場とそうでない市場の差は、そこにいる人材がどれだけ将来の夢や希望、明るさを持っているかいないかの差が大きく左右しているような気がする。人材・文化以外の条件も成長に多く影響することも事実であるが、人材は、鍵だ。もちろん成長する他の場所でもアモイ同様、大連でも、また、インドのデリーでもプネでもそこに居る人たちの目の色は輝いている。そして若く、活力がある。日本の人より幼く、経験が少ない点はあるが、躍動感があり、明るく、前向きである。私は、この点は、日本の負けだな!と感じている。

 私の考えが、アモイに来て変化したのは、日本の人材だけでなく、アジアの若く、前向きな人々に私たちが蓄積してきたマネジメントの方法や上流の手法を教えていこうというものだ。アジア全体で見れば、成長のための人材は、中国をはじめとしてタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど多くの優秀な若者が居る。アジア全体の人材を成長させることにより、日本の企業に貢献できると思う。アジア視点で、グローバル人材を一緒に開発することこそが、各国に貢献できると考えたらどうだろうか。日本は、一足早く、老齢国家に入っていくが、これまでの蓄積も大きい。この蓄積を生かしさらに成長の源泉にする。

 アジアの何箇所かでいろいろな国の人が参加する教育システムを構築すること。一緒に訓練する機会を作ることで、人脈も創れる。そして、国境を越えたプロジェクト活動を始動させる。これを積み重ねることでアジア全体の役割分担を明確にでき、全体の付加価値が増すことにつながる。

 アジアでの戦略、人材育成をどのように実施すべきかを皆様と一緒に本気で検討することにしよう。

アジアで新たなビジネスモデルを創造したいと願っている。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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