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日印の架け橋のためのジャパンビジネス成功セミナー(プネ大学)日本の文化 その5

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今回は、日本で海外の人が成功するための3つのポイントについて述べることにする。

一つ目は、日本の競争力の源泉を理解すること。日本の強み、良いところをもっと知ること。
二つ目は、日本的リーダーシップやマネジメントを理解する。
三つ目は、日本でのコミュニケーション力を上げる方法取得し、実践すること。

この点を理解し実践できれば、良い結果を得ることができるだろう。

日本の競争力
これまで、日本の文化と経済力について、いろいろ書いてきたが、目に見えて誰でも分かるものは、「モノ作り」の技術と知恵だろう。近年では、さらに流通・サービスの分野でも明らかに競争力を高めている。作られたモノや提供しているサービスの背景として、日本の伝統と文化が、織り込まれていることが、日本の強みの源泉になっている。何百年もの時間をかけて育まれた文化の型が、前面には出ない味付けになってモノやサービスと調和している。同じ機能をする器や料理が、他のものと感性のレベルでの違いになって現れる。伝統は、説明可能なものとそうではないものがあるが、確かにそれが、日本の競争力の元になっている。見えない部分にこそ価値が存在していることを理解しなければならない。

日本的リーダーシップとマネジメント
私は、これまで日本的リーダーシップを軸としてビジネスを実践してきた。欧米的なリーダーシップが、分かりやすく明示的であるのに対して、日本的リーダーシップは、同じ成果を得るのに対照的で暗示的である。これらは、日本人が持っている一種の価値観であり、行動原理になっている。近年、欧米的なリーダーシップも取り入れてはいるが、本質は、以下のようなことだろう。

・辛抱強い
・だまってやる
・後ろから支える
・成果は、皆のもの
・しぶとい
・自分より人にゆずる

また、つぎのような態度や行動は、必ずしも良い結果を得られない。

過度な自己アピールは、相手、場所、場面をわきまえないと逆効果になることがある。また、報酬の要求の方法も注意を要するし、話をするタイミングを外すと、それまでの成果を台無しにすることがある。誰かと対話する場合、権限や地位により話し方や内容を吟味しなければならない。過度に金にこだわることは、品性や常識を疑われることになる。品格、教養を前提として、相手の意図を的確に察知することで日本的なリーダーシップが成立する。日本の文化や風土を軽視した態度で、いくら正論を吐いても人は動いてくれない。美徳の判断や敬意の方法は、他国のものと異なる。異なることを認めてこそ文化を理解したことになる。ここでいう、認めることと分かる(理解する)こととは、次元が違う。私の意図していることは、違いを認め、敬意を表することができるかどうかである。

コミュニケーション力を向上させる方法
外国から日本に来た人が日本でコミュニケーション力を上げる方法について話をしよう。日本で仕事をする人には、特に、次の点をビジネス実践の様々な場面で理解してほしい。

・権力や向上心のあり方が欧米とは違うこと(欧米のように明示的ではないこと)
・静かなリーダーシップ(派手ではないが、あきらめず着実に物事を進めていく)
・支援型リーダーシップ(サーバント型、支援的で他人に華を持たせる)
・地味なマネジメント(マネジメントは地味ではあるが、まじめにしっかりとコツコツ行う)
・言われてないことまでやること(言われたことを行うだけではなく、広い視野でよく考えて指示されていないことまでやってこそ評価される。欧米型とは大きな違いになる)
・相談する順番は、重要(誰とどのように相談や会話を進めるかは、極めて大切である)
・深く考えること(相手に自分が深く考えていることを理解させることが何かを進めるうえで重要)

最後に、グローバルに活躍する人のために、私が、強く信じていることを説明して5回にわたって説明してきたジャパンビジネス成功セミナーの最終章として皆さんに提言したい。

その1 自国の文化伝統を大切に
その2 OO人らしく生きる
その3 リーダーシップの基本を身に付ける(グローバルに活躍できる人材として)
その4 自国では自国に誇りを持てる行動を、日本では、日本の文化を重んじてしっかり行動を

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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