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白い鈍感力、黒い鈍感力

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大きな仕事を成し遂げる人は、みんな適度に鈍感力を持っている。何かをやり遂げようとする際 に、いちいちくよくよしないで、へこたれずに、 物事を前向きに捉える力が必要である。

この「鈍感力」こそ、今を生き抜く新しい知恵と言ったのは、作家の渡辺淳一である。緻密で鋭い感性を持っている人が、成功に近く、理想だという定説の視点を変え、鈍感力こそ重要で、成功の要件であると言い切っている。恋愛小説『失楽園』などの作家であり、“中高年世代の禁断の恋愛創作家”と呼ばれ、繊細で心の機微がわかると世の中で理解されている。その渡辺があえて、この複雑な現代社会をより良く生き抜くためには、ある種の鈍さ、「鈍感力」が必要であるというのは、言わば渡辺流の逆転の発想だ。そして、わたしは渡辺の逆転の発想に加えて、小さなことを気にしないで正しいと思うことにまっすぐ向かう力を白い鈍感力とよぶことで、林流の逆転の発想としたい。

一方で、大切な場面で、人からの話をくみ取れず、鈍感さが出てしまい人を傷つける人も多くいる。鈍感とは、感じ方がにぶいこと。気がきかないこと。 また、そのさまを指す。感じ方が、鈍いことで何が、まずいのだろうか?鈍感さそのものが、悪いわけではない。その結果生ずる誤解や疑いなど人の心に生ずるネガティブな感情がよくないのだ。これを白い鈍感力に比して黒い鈍感力とよぶことにする。黒い鈍感力は、ネガティブの連鎖を起こす。負のサイクルに入ると負の方向にどんどん進むのである。

これをポジティブさに切り替え、正直さを磨き、前向きな鈍感さ(白い鈍感力)を使っていくことが必要であると思う。正しい軸足さえあれば、白い鈍感力で、まっすぐに、道を切り開くことができるのだ。

恋愛でも仕事でも、細かいことを気にせず、まっすぐな白い力を使う。必ず同調できる相手が見つかるはずだ。芸術には不向きかもしれないが、ものごとを成し遂げるうえで必要な力になると思う。シンプルで明快な分かりやすさを売りにしよう。白さを磨こう。

白い鈍感力に必要なことは、誠実さ、継続性、人の話を聞く力であると私は、思う。不器用でも良い。誠実に人の話をとことん聞くことが、もっとも大切であり、そうあり続けることこそ成功へ近づくことにつながる。黒はだめで白がいい。

作家の渡辺淳一は、繊細さで小説を書くが、鈍感さが無くては、作品を発表できないだろう。物書きは、適当に鈍感さを持っていると私は、考えている。私もその仲間で鈍感である。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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