今回は失敗したPMO活動の事例についてご紹介します。
こちらも私がPMOとして参画したプロジェクトで、成果が出ないまま解散した事例です。お客様は小売業B社情報システム部、新規事業立ち上げのため基幹システム構築するプロジェクトです。
まずはプロジェクトスコープ・体制です
プロジェクトの進捗具合、状況は
PMOを設置する背景は...
PMO活動を定義する
先に書いたプロジェクトの状況をヒアリング等により確認した後、PMO活動を定義しました。
定義したPMO活動の中で、一番大変だったプロジェクトマネジメントに関する活動の詳細について記載します。
全体スケジュールを作成する
まずは、チーム毎にC社が作成したスケジュールはあったのですが、全体が把握できるスケジュールがなかったこと、B社で実施すべきタスクが上がっていなかったことから、B社のタスクを洗い出し、チーム毎のスケジュールと整合性を取りながらB社タスクを入れた全体スケジュールを作成しました。また、スケジュールには進捗を記入できるようにしました。
進捗と一緒に課題が解るように報告書のフォーマットも作成しました。
しかし、全体スケジュールの進捗報告を導入しようとしたところ...
PMOで作成したスケジュールを各チームリーダーに説明し、PMOであげたB社タスクの実現性の確認、必要に応じて詳細化してもらうよう依頼しました。また週一回の進捗の記入と報告書の記入を依頼しました。
が、報告日になってもスケジュールに記載しているタスクが詳細化されることも、進捗が記入されることも、報告書が提示されることもありませんでした。
催促すると「忙しくてタスクを確認する時間も報告書を作成する時間もない」とのことです。
一方で承認プロセスを定義しました
各チームでは仕様変更が多発していますが、プロジェクトマネージャはどのような仕様変更が発生しているか把握しておらずチーム内で勝手に合意し設計変更を行っている状況でしたので、設計変更、工程完了等のタイミングでプロジェクトマネージャの承認を行うようにプロセスを定義しました。
でも、これも承認プロセスを導入したところ...
仕様変更について必ず仕様変更書を記入しプロジェクトマネージャの承認を得るようにしました。
しかし、プロジェクトマネージャはそもそもの仕様を把握していないため、内容を聞いても理解することができず「仕様変更するしかないんだろう」と言って承認するようになりました。
工程完了も全く同じで「承認するしかないんだろう」といって承認している状況でセレモニーになってしまいました。
このように進捗報告の運用、承認プロセス その他マネジメントプロセスを導入しようとしたところ現場では理解されなく、にっちもさっちもいかなくなりました。むしろ、混乱を招いた形になりPMOに対する風当たりが厳しいものとなりました。PMOチームは、頭を抱える結果となる一方、至急改善の命がくだりました。 私たちは、結果PMO活動の中で特にプロジェクトマネジメントプロセスの改善の活動はうまく導入に漕ぎ着けることができませんでした。なぜでしょうか?
次回は導入がうまく行かなかった原因です。
**********
本格的な夏になってきましたね。現在何カ所かのオフィスビルで仕事をしていますが、去年の節電を忘れたかのようにエアコンがガンガン効いていて寒いくらいのビルもありエアコン依存症です。家でもエアコンを入れようかと思ったら、なんとエアコンの吹き出し口を見てみると真っ黒!掃除しても中の方まで掃除できません。ということでハウスクリーニング業者にお願いしたところ、7月下旬まで予約でいっぱいとのこと。
現在エアコンなしで生活、連載を書こうと思っても暑くてダレダレ、なかなか筆が進まない回でした。