ホーム > ブログ > 関和美の記事一覧 > 上司や先輩も育成しよう


上司や先輩も育成しよう

Pocket

【質問】

PMOとしてプロジェクトの途中からプロジェクト支援をすることになりました。

お客様のシステムを構築するプロジェクトでお客様には週次で進捗報告を行っていますが、PMは遅延しているにも関わらず「オンスケです」と嘘の報告をしている状況です。

私が「お客様には状況をきちんと報告をしなければならない」と言っても全く取り合ってもらえません。

PMの上司にも話をしたのですが、同じでした。

(30歳女性)

 

【かずみ先生より】

PMとしてプロジェクトを推進していた頃、進捗報告時に上司やお客様に対して

「若干遅れていますが、リカバリー可能です」

というような曖昧な報告を良くしたものです。

『本当の遅延状況を提示すると、リカバリープランを出せとか面倒くさい話になる。目を付けられ煩くなる。ただでさえ遅延しているのにお客様対応作業が増えるためもっと大変になる。』

という思いから、真実を軽めに報告したり、何も起きてないかのように報告していました。

 

でもよく考えてみると、ひどい話ですよね。

上司は、今まで「大丈夫です」と報告を受けていたのに、お客様への納期間近になって、突然「納期が間に合いません」と部下のPMから報告を受ける。

「お前、いまさら言うなよ。聞いてないよ。」という気持ちを抑え、上司はPMと共にお客様先に謝りに行く。

 

そして、お客様は今まで「オンスケです」と報告を受けていたので、計画通りにシステムリリースの準備をしているのにもかかわらず、リリース直前に「遅延していてリリースを延期させてください」と、ベンダーのPMは上司を連れて謝りに来る。

お客様は関係部署に謝りながら、リスケジュールの調整に走り回る。

 

本来、きちんと遅延状況を共有することで、適切な人が適切な時期に対策を取ることで取り戻せた遅延が


たとえば、部内のリソースの権限を持っている部長が他のプロジェクトから人を移動し体制を強化する。
たとえば、社内活動(プロジェクト活動以外)を一時、プロジェクトメンバーにはさせない。
たとえば、お客様との会議は受注側(ベンダー側)オフィスで行い、受注側の負荷を減らす。
等々~

隠ぺいすることにより対策が打てないまま結局取り返しのつかない状況になって発覚するのです。

 

『ただでさえ遅延しているのにお客様対応作業が増えるためもっと大変になる。』と思った作業は実は重要な作業だったのです。

 

ここまででお判りの通り、お客様にきちんと状況報告をするのは正しいことです。

ただし、遅延隠ぺいによる悪影響が十分理解できていないPMやその上司にいくら「お客様には状況をきちんと報告をしなければならない」と言っても、実現はできません。

プロジェクトマネジメントの神髄を理解してもらうための育成も大切なPMO活動です。

上司や先輩に教えてあげてくださいね。

 

*****

先週木曜日、日本プロジェクトマネジメント協会主催の『PMシンポジウム2014』で講演させていただきました。

『アナタの組織のPMOに価値はあるのか〜PMO経験の長い”かずみ先生”からのアドバイス〜』

というユルいサブタイトルにも関わらず多くの方にご参加いただきました。感激!

そこで行われた、研究・活動に対する表彰式で「19XX年からプロジェクトマネジメントに興味を持ち・・・」とご挨拶をされていた受賞者の方。

私が産まれる前から興味を持ち、勉強されていたのです。

ごっごっゴメンナサイ。こんな若輩者が『PMO経験の長い…』なんてサブタイトルをつけてしまって(汗)

Pocket

| 目次

Profileプロフィール

関和美
関和美
奈良女子大学 理学部 物理学科(現 物理科学科)卒業 日本電信電話株式会社に入社(NTT分社化によりエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に転籍)。主に金融系のSEとしてNWシステム 構築の設計、アプリケーション開発の要件定義、設計工程を経験し、その後プロジェクトマネジャーとしてプロジェクトに携わる。 2007年より現職。大規模プロジェクトにおけるPMO(Project Management Office)の運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT構想企画の支援を行っている。PMP。

Recent Entries最近の記事

このページのトップへ