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【連載その3】アイ・ティ・イノベーション18年の軌跡、未来に向けて

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 創業して2-3年の間は幸いにもお客様の数と売上は順調に増加していった。一方で「本当に強い企業になるためには、さらに何が必要なのか」について悩みながら会社を運営していた時期にあたる。
現在のITIのメンバーの中の最古参は専務の能登原である。私と一緒に創業したメンバー2名は残念ながら今は別の道を歩んでいる。創業後2-3年(2001年以降)の時期に入社した世代(第二世代)の数人のメンバーは現在もITIの中核として活躍してくれている。また古株のパートナーとして社員同様に活躍している人たちも、この頃から共に苦労してきた仲間である。古株社員には、分析設計力が非凡なコンサルタント、実行力が一味違うコンサルタント、抜群のバランス感覚と信頼感のあるコンサルタントなど、個性豊かな社員が多いが、全員に共通していることは、しぶとさである。

 コンサルティング部門を統括する専務の能登原の強みは、ITに関わる豊富な経験と高いPM力であることは、疑う人はいない。社長の私にとってありがたいのは、どんな困難な案件でも約束したことは堅く守り、多様な人と難しいプロジェクトを粘り強く纏め上げる実行力にある。

 専務の能登原を筆頭に第二世代の優秀な社員、パートナーに恵まれたからこそ、今のITIがあると私は考えている。可能性のある社員を採用し、我慢強く仕事に取り組み、経営者と社員が共に成長する事こそが、成長の原動力になる。あれこれ考えずに若さとチャレンジ精神で、難しいプロジェクトに取り組んできたことが、現在のITIの「地力」「泥臭さ」を創ってきた。チャレンジ精神を忘れると会社はすぐ停滞を始める。理想的な人の採用を求めるよりも可能性を持った人を採用し、一緒に努力することが大切だとつくづく思う。

【成長期(2002年7月から2008年ごろ)47歳~53歳】 マネジメント体制の構築と確立
 将来を見越し会社を神谷町から現在の品川(リバージュ品川)に移転し、コンサルティング事業に教育事業も加え、コンスタントに成長した時期であり、IPOを目指した。このころ社員が、10数名から30名を超える規模になった。売上高は、4億から7億円までに増えた。仕事の質の向上、会社の仕組みの改善、新しい事業を創造し会社を安定させることがこの時期の大切な課題であったが、なかなかうまくいかない。マネジメントの質的向上と事業の成長に適合した仕組みが無ければこれ以上の拡大には耐えられないだろうと考え、管理部門を設立し初代の管理責任者(故人)を、当時ある保険会社のCIOをしていた友人のF氏(トッパン・ムーアでの同僚)の紹介で、再建中の会社から採用し何とか会社の管理業務をまわせるようにした。Kさんは、正義感の強いまじめな人物で、会社の管理部門の立ち上げに大きな貢献をしてくれた。残念なことに、すい臓癌になり惜しまれながら世を去った。会社として社員を亡くす初めての悲しい経験をした。

 この時期に、縁があって岡本取締役(元東芝青梅工場長、IS本部長、東芝情報社長、経営情報学会代表、CBOP代表理事)に、役員に就任いただいた。岡本さんは、日本で初めてCOBOLと言う言語を使った伝説の7人衆のひとりであり、日本のITの草分け的な人である。岡本さんは、わが社のIT業界との更なる関係強化と、社内のマネジメント体制の強化に力添えいただいている。特にCBOP(NPOであるビジネスオブジェクト推進協議会)での活動を通して業界での人脈を作ることができた。岡本さんの業界での知名度とリレーション、グローバル感覚により、多くの助言をいただいている。また、岡本さんのお力添えでビジネス経験の豊富なUさん、Kさん(現経理部長)、Gさん(現総務部長)をマネジメント層として大手メーカーから採用することができた。Kさんは、第二の職場であるにも係わらず、持ち前のIT力、洞察力、経験と努力によって、戦略的な経営に対応した隙のないIT化と管理の仕組みを創り上げた。シニアと若手が協力した管理部門の支えにより会社の幅が広がり、経営の質的向上を実現している。岡本さんという業界の重鎮が、ITIに参加してくれたことは、私にとって大きな自信になった。一方、それは、社会、業界、顧客への高い貢献を更に求められることも意味している。会社は儲けを出して社員を雇用するだけでは足りない。「より良い仕事をして社会に貢献すること」に向かって一層の努力をしなければならぬと、私はこの頃から考えるようになった。

 また、経営企画、財務・資本政策の重要性からOさん、Wさん(現在は退職)を採用した。これまでのコンサルタントとは、違う視点で会社を成長させる役割であった。Sさんは、秘書として採用し、現在は採用課長を兼任している。Sさんは、ITIの戦略実現に向けて、経営幹部を支え、社員とのコミュニケーション推進を図ることで会社の成長に大いに貢献している。また、2012年に入社した経理部Sさんの存在感と業務の貢献も大きい。経営企画、財務、人事、秘書の仕事は、戦略そのものと私は考えている。

 当社は、会社規模のわりに管理部門が強力である。IPOを目指したことも関係しているが、2000年ごろから、様々な人材の積み重ねと努力が、現在の管理体制に繋がってきていると思う。

つづく

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Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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