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KDDI株式会社

スキル診断を活用した人材育成計画の策定支援

福田大介

情報システム本部
コンシューマシステム3部
開発企画グループ 課長
福田大介 様

渡辺敏男

情報システム本部
コンシューマシステム3部 部長
渡辺敏男 様

KDDI株式会社様のご依頼により、スキル診断サービスを用いた人材育成計画の策定支援を致しました。

同社の部門長およびご担当者のお二人に、本案件の背景や、実際の取り組みについて振り返っていただくと共に、実際に受診していただきました社員の方および上司の方にも率直なご意見・感想をいただきました。(一問一答は、お客様のコメントを元に編集したものです)

この事例紹介は、2009年12月に取材したものです。
社名、人物の肩書などは取材当時のものです。
現在弊社オリジナルのスキル診断サービスは実施しておりません。

お客様の課題 競争の激しい業界であるので、マーケットから事業案件のスピード開発、コストダウンなどを要求され、今後の開発形態を見極める必要が出てきた。そのため現在の組織・人材のスキルについて棚卸をする必要があった。
当社支援内容 当社が開発したスキル診断サービスおよびIT組織の役割モデルなどをご提供し、解決策の支援をいたしました。
解決策 ・AS-ISベースのIT組織における役割分担、責任を定義 ・上記定着したものを評価し、スキルマップを作成 ・個人のスキルと定義したスキルのGAPをスキル診断で可視化 ・スキル診断結果およびワークショップを元に人材育成計画を策定
コンシューマーシステム3部とは

KDDI株式会社は、最先端の通信ネットワークとサービス開発力、世界トップレベルの技術・研究開発力をベースに、来るべきユビキタスネット社会の実現に向け、積極的に取り組んでいる企業である。その中で情報システム本部は、全社情報システムの企画・開発・運用全般を行っている部門である。

今回取材に応じていただいたコンシューマシステム3部(以下、CS3部)は、固定系(auひかり、ケーブルプラスなど)の契約、料金システムや直接、お客様サービスに直結するような認証システムといったミッションクリティカルなシステムも包含するIP系のサービス全般の情報システムを支援する部署である。

一問一答

今回の案件を行うに当たって、アイ・ティ・イノベーション者を選ばれた理由は何でしょうか?

以前、CIOスクールという教育に参加した時にアイ・ティ・イノベーション社の林社長とお会いしました。その際、情報システム、情報技術、人材育成などに精通されている印象を受け、4年前にアイ・ティ・イノベーション社にスキル診断をお願いしました。今回、再度お願いしましたのは、4年前にも実施していただいたノウハウを継続したい思いがありました。

競争の激しい業界を生き残るために開発形態を見直す
実施の背景についてお聞かせ願いますでしょうか?

競争が激しい業界ですので事業案件のスピード開発が求められており、その開発量をこなす為に社員を業務要件整理などの上流にシフトせざる得ない状況にあります。技術的な部分のほとんどは協力会社にお願いしている一方で、社員としてはコストダウンを図っていく必要もあり、そのバランスを取るところが課題だと認識しております。

その課題に対して、まずはシステム開発部門の役割分担や社員にあるべきスキルを見極め、開発形態を見直す必要があると考えた為、アイ・ティ・イノベーション社が保有しているスキル診断を受診する事で、現状をうまく可視化するのと共にその課題に対しての解決策が模索出来ると考えました。

解決策の一つに、例えば外部にお願いしている作業を内製化する事も考えられますが、そうする為に必要な技術スキルがどの様なもので、それを得る為にはどういう計画を立てるべきなのかを経験豊富なアイ・ティ・イノベーション社にサポートをお願いする事で立案が出来ればとも考えました。

私(渡辺様)の個人的な考えとしては、技術も重要ですがヒューマンスキルも重要だと考えています。そこでスキル診断によってヒューマンスキルにも焦点をあて、他者と比較して自分自身がどのような位置にいるのかをわかってもらいたい気持ちもありました。

井の中の蛙にならないためには
当社にどのようなことを望まれ、期待されましたか?

外部の視点を期待しました。やはり、情報システム部門に長くいますと井の中の蛙になりやすい。そうなると自分が担当していることが属人化し、視野がどうしても狭くなってしまいます。今回は、同業他社など外部の状況についてお話もいただいて非常に助かりました。期待していたことに対して、パーフェクトに近いぐらいの対応をして頂いたと思っています。

役割と責任を定義し、GAPを可視化
スキルの棚卸を進めるにあたってのシナリオをお聞かせください。

今回のスキルの棚卸しは、2段階で行いました。最初に各グループリーダーにAS-ISベースのIT組織における役割分担やその責任を定義してもらい、その定義の元、実際にどこまでやれているのかの評価(棚卸し)をし、グループ毎のスキルマップを作成しました。特に組織としての役割定義が無い状態で、スキル診断を実施しても結果の評価が正しく行えないと考えた為、今回のシナリオにおいても上述の部分には重きを置きました。

次に、グループリーダーが定義したものに対して、個々のスキルがどの程度乖離しているかを測るためにメンバー全員でスキル診断を受診し、その結果(GAP)を可視化する事で、各人に気付きを与えるのと共に、不足しているスキルをどう強化するかを各人が自律的に検討出来る様に、各種サポートを行う事としました。

一方で、グループリーダーが定義した現状の役割分担と各人が受診した診断結果(サマリ版)を比較する事で、組織としての問題点やグループリーダーに対する気付きを与える事も試みました。その結果、スキルはあるのに人が足りなくてカバーしきれていない領域があったり、本人はやれると思っているのに任されていない領域があったりする事が分かり、CS3部における役割分担の可視化は非常に有効でした。

スキル診断によって気づきを得る
では実際にスキル診断を受信された高澤様におうかがいします。受信された結果はいかがだったでしょうか?
高澤一也

情報システム本部
コンシューマシステム3部
統括グループ 主任
高澤 一也 様

私は、入社してから6年間インフラ基盤に関する業務に携わってきました。ある意味今までそれしかやったことがないというのが私の経歴です。

それを踏まえた上で今回の結果ですが、インフラ基盤に関するところは、技術的な要素はレベルが高い評価が出ましたが、それ以外のところに関しては評価が低い結果となり、業務スキルが偏っていることがよく分かりました。コンピテンシーにおいては、自己評価が高くて他者から見た評価は低い結果になり、このような診断結果を受けなければおそらく気付かなかったと思います。その点の気付きを得たことが大きな収穫でした。

自分自身の弱みが明確になったので、その辺を克服しようと思っています。例えば、プロジェクト管理技法などに関しては、研修に参加して伸ばしていこうといった観点で動くようになりました。

今回、受診してみて私にとって気付きを得ることが出来たので、他のメンバーもスキル診断を受診して気付きを得れば、今まで以上に良い組織が出来るのではないかと思っています。

他社との比較によってさらに気づく
高澤様の上司である近藤様にお伺いします。受信された結果いかがだったでしょうか?
近藤博章

情報システム本部
コンシューマシステム3部
統括グループリーダー
近藤 博章 様

アイ・ティ・イノベーション社のレポートの指摘にもありましたが、部下に対して発表の場を与え交流の場を広げたり、ローテーションなども考えないと、スキルに偏りがでてしまうことを改めて認識しました。直属の上司の立場となると、リーダーとして自分のグループの成果をださないといけないので、どうしてもスキルの囲いこみのようなことをしてしまい、それが人材育成を停滞させていると私自身、気付きを得ることが出来ました。

また、年齢に応じたスキルの伸び具合について当社と他社の比較を客観的に得ることが出来、自分自身大きな収穫であったと思います。

自ら気づき、自らを伸ばしていく社員を育てたい
今後の展開について渡邊部長の方から伺えますでしょうか?

私は、教育を周りが準備しすぎては個性が育たないと思っています。基本的には、自分で気付いて幅広くスキルを獲得する社員を育てたいと考えています。また、それぞれの社員に個性があって良いと思っています。例えば、対人的能力が高い社員、技術力が高い社員などです。重要なのは、一定の気付きを与えてその中で自分がどっちに行くべきかを選択させることです。そのような機会を与えるというのが今回のスキル診断にひとつ望んでいたことでもあります。

技術が多岐に渡っていますので、どのような外部の教育コースを受けたら良いか、今回アイ・ティ・イノベーション社にアドバイスをいただいて作れた事は、非常に大きいです。例えば、インフラに強い人間、アプリケーションに強い人間、アーキテクチュアに強い人間などを、それぞれどのようなところから教育すれば良いのか、アイ・ティ・イノベーション社にきめ細かなアドバイスをいただきました。それによって、教育プランの道筋ができたと思っています。

今後は、スキル診断の結果を踏まえ、教育係と各グループのグループリーダーと相談をしながら進めていきたいと思います。そして、気付きを与えて自らを自分の力で伸ばしていき、個性を発揮していける教育プランを作りたいと思っています。

また、今回、客観的に評価した結果、部員のスキルにある傾向が見られることに私自身気付き、所属長としてやらなければいけないことが見えてきました。今後の社員のキャリアプランを考える上で教育制度、ローテーションなどの改善をしていきたいと思います。

マーケットは、激変していますのでそれに対応するために、自分自身を柔軟にコントロールすることが重要だと思います。いつも同じような開発手法ではなく、時流に応じた開発手法に変えられる行動力をヒューマンスキルを含めて、備えることが今後IT部門に求められると考えています。


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