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マイクロソフト株式会社

テスト方法論 for VSTS 開発支援

野村一行

マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
パートナー テクノロジー推進本部
アーキテクトエバンジェリズム部
野村一行 様

日詰廣造

マイクロソフト株式会社
デベロッパー&プラットフォーム統括本部
パートナー テクノロジー推進本部本部長
日詰廣造 様

マイクロソフト株式会社様のご依頼により、同社の統合開発支援スイートであるVisual Studio Team System(VSTS)のためのテスト方法論開発支援をさせていただきました。
同社のご担当者お二人とともに、本案件の背景や実際の取り組みについて振り返りつつ、当社のコンサルティングへの評価や、今後の課題と展望について語っていただきました。(一問一答はお二人のコメントを元に編集したものです)

この事例紹介は2007年に取材したものです。
社名、人物の肩書などは取材当時のものです

お客様の課題 VSTSを広めるために顧客が今まで慣れ親しんだやり方を洗練させながら、自社の考え方にどうマッチングすればよいのかを示す媒体が必要であった。
当社支援内容 システム開発の現場で培ったノウハウを体系化した方法論、Modusをベースにご支援いたしました。
解決策 日本においては、品質が重要視されているので、品質を確保するためのテスト方法を開発した
ソフトウェア開発者への啓蒙、支援活動がミッション

今回、ご依頼を受けたデベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー テクノロジー推進本部のミッションは、国内のIT企業に所属するプロフェッショナルなソフトウェア開発者に、マイクロソフト社のツールやOSを上手に活用してもらうべく、啓蒙および支援活動を行うことである。

ITの世界では、日進月歩でテクノロジーの革新が起こっているが、アイディアを生みだし、イノベーションを起こして、高い付加価値を実現してゆく主体はやはり人である。

一口にソフトウェア開発者といっても、プロジェクトマネージャの他に、アーキテクト、アナリストという大きな役割分担がある。いずれも付加価値が高いトップクラスの人たちと、そこに至るまでのさまざまなレベルの開発者や運用技術者が混在するのが現状だ。今後、効果的な啓蒙活動を推進するには、ソフトウェア開発者それぞれの役割をどのように定義し、人材育成を含めてどのような考えで臨むべきだろうかという問題意識が、まず大きな枠組みとしてあった。

具体的支援策としてのテスト方法論

同本部では、以前からプロジェクトマネジメントに関連して協力関係にあったアイ・ティ・イノベーションと、開発プラットフォームのロードマップ等について意見交換を行なっていた。その中で、品質の高いシステム開発を実現するにあたって、技術側の最終責任者であるアーキテクトの重要性がクローズアップされてきた。

品質を保証する作業や役割をテスターのみに任せるのは、非常に狭い範囲の品質保証にすぎない。開発というプロセス全体を見通すプロジェクトマネジャ、技術的な最終責任者であるアーキテクトのためのテスト方法論が、今後必要になってくるという話に発展していったのである。それがちょうどVSTSの登場時期と一致した。

そこでソフトウェア開発者にVSTSを活用していただく仕掛けのひとつとして、アイ・ティ・イノベーションの方法論であるModusを活用しながら、品質を作り込むマネジメントの考え方を「VSTSのためのテスト方法論」という形にまとめることにした。

一問一答

今回の案件はどのような必要性から生じましたか?決定までの経緯を教えて下さい

日本のIT業界が3Kと言われ、優秀な人材が集まらないという現状を変えるべく、人材育成を真剣に考えるべき時期にあると思います。そのためには、まさに業界の中にいて、その利益も不利益も直接被る私たちのような立場の人間が、人材育成のための仕組みを提案し、また実際に試していくことが重要です。今回のテスト方法論は、その試みの第一段階であるという位置づけです。

アイ・ティ・イノベーションとは、日本のシステム開発の現状、アーキテクトの重要性やその定義、IT業界の人材育成のあり方までを含めて、議論を深めてきた関係にあります。その議論の中で驚かされたのは、私たちの考えていたことと日本のビジネス慣行には、かなり大きな乖離があるということでした。そこで一度日本のシステム開発のやり方を受け入れ、「そこに私どもから何を提示できるのか」と考え直すことにしました。

私たちは、米国本社が出している製品を販売するという立場ですから、あらかじめそこに含まれている考え方を、いかにお客様に伝えるかというところで四苦八苦していました。それではどうしても裾野は広がっていきません。お客様が今まで慣れ親しんだやり方を洗練させながら、当社の考え方にどうマッチングすればよいのかを示す一種の媒体が必要だったのです。それがまさにアイ・ティ・イノベーションの持っているModusという方法論だったのです。

日本のお客様の立場に立てば、何が受け入れられ、何が受け入れられないのだろうかということをアイ・ティ・イノベーションと議論した結果、「これは小手先でVSTSの使い方を説明することは出来ない」と実感し、2005年に今回のテスト方法論の作成を最終的に決定しました。そのころVSTSは、ベータ版のかなり初期の段階で、アイ・ティ・イノベーション側には、仕様や機能が確定していない状態で研究してもらいましたので、だいぶご苦労があったことと思います。

欧米のお客様より日本のお客様の方が品質要求が高い
特に「テスト方法論」という形を撮られた理由は?

まず、日本的なビジネス慣行に合うような形で、成果物や役割の関係を定義しなおしましたが、その中で、特に重要視したのが品質です。

品質に対する考え方については、欧米のお客様よりも日本のお客様のほうが要求のレベルが高いのです。ですから、品質をきちんと確保するためのテストを、どのようなプロセスのもとに管理していくべきかという方法論をきちんと提示することが、非常に優先度の高い案件であると考えました。

品質をあらかじめ意識して開発を行うことは非常に重要です。また、品質を中心に置いた場合、どのような役割の人が、どのような責任を負ってどのような成果物をまとめていくのが最も適切かということを、一種のモデルケースとして考えていったわけです。

どれだけ専門的、情熱的であるかが採用のポイント
アイ・ティ・イノベーションを採用するにあたって何を一番重要視されたのでしょうか?

一緒に仕事をしていくパートナーを選ぶときには、どれだけその仕事に対して専門的であるか、情熱を持っているかといった、人の部分が最も大きなファクターになります。もちろんModusという方法論をお持ちだということは存じていたのですが、それ以前に林社長の人柄、経験に裏付けられた深い知識に魅力を感じました。こういった方が率いる会社であれば信頼して一緒に仕事ができるし、林社長と一緒なら何か新しいことができるのではないかと感じられたことが非常に大きいです。

実際、一緒にディスカッションしているコンサルタントの方々の能力は、すばらしく高いです。今までいろいろな業務系コンサルタント、IT系のコンサルタント会社とお付き合いしましたが、その中でも明らかにパフォーマンスとクオリティが高い。アウトプットもすばらしいし、特にITということになると日本では、トップの会社ではないかと思います。

逆に私たちのほうが反省するのは、当社製品に対する十分な技術支援ができなかったことと、著作権の問題解決に時間がかかってしまい当初予定した公開スケジュールが大幅に遅れてしまったことです。 技術面、ビジネス面両方にて最後まで忍耐強くわがままを聞いていただけたと思います。 私たちにとっては一緒に働いて非常に楽しい方々でした。

現場の開発者の方々に役立つものが出来たと確信
アイ・ティ・イノベーションは期待にお応え出来ましたか?

120%達成されたと思います。今回の案件は、一つ間違うと押し付けがましいものになりかねないテーマだったので、「もしそんな形になったらどうしようか」という一抹の不安はありました。しかし、だんだんと形が見えてくるにしたがって、本当に現場の開発者の方々のお役に立つものになってきたと感じました。

当社の開発ツールを使っているお客様で、テストをプロセス全体として考える方は、比較的少ないですから、「テストはプログラマだけの仕事ではありません」あるいは、「テスターのみが責任を負うことではありません」という啓蒙活動のツールとしても、非常に役に立つと確信しています。

また、2006年夏に社内で説明会を開き、営業の現場からも「VSTSの価値を訴求するのに大きなツールである」というフィードバックをいただきました。

世界を相手に勝負する人材の育成を目指す
今後どのような展開をお考えてでしょうか

まず、このテスト方法論自体の啓蒙活動は、継続していきます。特に、私たちのお客様である当社製品をお使いの開発者の方々に、この考え方を広めていくというのがひとつあります。

もうひとつはより大きな枠の中で、高度IT人材といわれるプロジェクトマネージャ、ITアーキテクト、アナリストといった、日本のIT業界を支える人材を育成していくお手伝いをアイ・ティ・イノベーションと一緒に行い、世界的に見ても日本のIT技術者はすばらしいといわれるようにしたいです。それには、IT業界の成熟度を高めていくことが重要だと思います。

テクノロジーの革新は、日々起きているわけですから、それを基に、どれだけIT業界が他の業界に対して付加価値や影響力を持てるようになるかが大きなポイントです。

プロジェクトマネージャのポジショニングは、ある程度確立されたので、次はアーキテクト、その次のステップとして、アナリストがあるのではないかと思っています。

まずはアーキテクトということで、2006年秋から「ソフトウェアファクトリー・イニシアチブ」というアーキテクト支援活動を行っています。本来、ソフトウェアファクトリーはVSTSをベースにした開発プラットフォームのカスタマイズを指しているのですが、それをさらに拡大し、開発者の育成や、アーキテクト志望者のモチベーションアップ、また新しいアーキテクチャの考え方を紹介して世界に目を向けてもらえるよう、様々な活動をしています。

アイ・ティ・イノベーションの豊富な経験と私たちの技術力を活用しながら、高度IT人材として「世界を相手に勝負をしたい」という人たちを日本で増やしていきたいです。


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