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グローバルなビジョンを持とう。

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多くの経営層の方と話をしていると、業界の動向に関心があり、今後どのように進むのかを知りたがる人が多い。
これ自体は、当然のことである。
問題は、自分自身でグローバルなマーケットを創造する意志があるかどうかだ。
自社をパイオニアとして位置付け、開拓精神を持ってマーケットを見ているかどうかだ。
パイの大きさを考えて、確実に取ることも時には必要だろうが、このことはマーケットの発展にはつながらないし、守りにも対しても長期的には最適とは言えないだろう。
多少困難がつきまとったとしても、明確なビジョンを持ってグローバルなレベルで主体的に戦略の実現に努力すれば、様々な機会に出会えるし、新たな機会をつくることが可能になる。ビジョンがあれば、今まで見えないものが見えてくると、私は考えている。

私が、ここで何を言いたいかというと、ITサービス業界は、歴史も浅く未熟であることは事実である。
いろいろな意見があって当然だと思うが、自らが創造するマーケットとして取り組む企業、経営者、技術者が業界を発展させるし、結果として新しいものがどんどん出てくる魅力的な世界を創ることに繋がると思う。

私は、日本のITサービス業界は、そろそろアジア、パシフィック全域で需給構造を創りあげ、経済循環させる時期に入りつつあると考えている。一方通行のマーケットは、それなりにできてつつあるが、それぞれの国の強みを生かした住み分けやシナジー構造を是非作るべきと考えている。
日本のITマーケットは、世界第2位であり、幸か不幸か国内だけで需給が、成り立つサイズにあるが、アイデアや応用範囲をもっと質の高いものに変革できるかどうかが、最大の課題であると思う。
このことが、IT業界の質的な停滞や閉塞感を生んでいるような気がする。たいして考えなくてもそれなりに生きられる訳だ。
また、電子製品、家電、自動車などへの組み込みソフト以外の分野では、ソフトウェアインフラの技術は、米国からの導入に頼っている状況だ。

さて、ここでソフトウェアの本質を考えてみることにしよう。
なぜ、グローバル化が重要かといえば、ソフトウェア開発は、その国の文化や習慣、考え方、もっと言えば生き方と深く関連している。それぞれの国には、立派な固有の文化があり、その文化が、ソフトウェア製品やサービスに反映されてくる。互いに互いの国の文化を理解し、互いに尊重することこそが、優れたソフトウェアを生み出す源泉になると思えてくる。
言い換えれば、クロスカルチャの体験は、新たな何かが生まれる要因・機会になると言うことだ。今までの欧米の技術押し付け方ではなくて、互いに互いを耕すことで、新たな価値を創造できると私は信じている。
私は、技術からソフトウェアの世界に入りいろいろな国の人と関ってきたが、経験を積んで分ってきたのは、ソフトウェアは、奥が深く、文化のレベルまで影響しているということである。
すばらしい世界を築ける可能性を持っているということだ。

大連、上海、広州、武漢、ソウル、台北、ムンバイ、プネ、シンガポール、香港、・・・いろいろな国の人と出会ってきたが、それぞれ、特徴があり、素晴らしい文化を持った人々がいる。近い将来に協調・創造型の国境を越えたネットワークができあがり、無限の価値を生み出すことできると考えている。

経済的にも技術的にも今までリードしてきた日本が主体となってアジア・オセアニア諸国の発展に寄与できればと思う。
アジア中心に、新たなソフトウェア文化を創造し、継続的な変革を引き起こすことができれば、今より一層アジアにおける日本の位置付けは、かなり変化するだろう。日本は、アジアの国から政治的な面で批判を受けることがしばしばあるが、このことは、プレゼンスがあるとも解釈できる。日本が、アジアのソフトウェア産業の発展のリーダーシップを取り、アジア発で欧米へ展開する製品やサービスを生み出すことができたならば、アジア全体の発展を一緒に作り出すことになり、アジアの国々の期待に応えることになると思う。

一緒に人々と努力し、いわゆるソフトウェア製品・サービスを超えた文化であるソフトウェアを創りたい。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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