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インドへ ~ムンバイ、プネから日本を思う~

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 4月21日から再び、ベトナム、シンガポールを転々とし、ムンバイ(インド)に入った。インドの中堅IT企業を訪問し日本とのビジネスを進めるためだ。また、弊社がここ3年間力を入れているインドでの日本人向けIT研修に関する視察ツアーに合流するためでもある。
 2008年4月でインド訪問は、十数回になり、当初、怪しく見えていた空港周辺の景色を、今では何も感じなくなってしまった。ショックが減った分、見えるもの、見分けられるものが増えてきた。インドは、訪問するたびに変化していて、その変化は、着実に進行しているように思える。
 たとえば、ロンドンで10年かかる変化、東京で7年かかる変化は、ここインドでは、3ヶ月で実現される。とにかく人が多く、誰もが何かに関係して活動している。町は、いつもごった返している。少し経つと、すべてが同時多発的にそれぞれの原理で変わっていくのだ。
 そういえば、3年前に頻繁に見かけた牛車、象に乗った人、道の真ん中で寝転んでいる牛は、かなり減ったような気がする。町のかどに混み合って並んでいる小さな店が続く街に、突然、ショッピングモールが登場する。高架の道路の真ん中にかたまって住んでいる物乞い、国旗や花を売る人々、私たちの乗る車に迫ってくる人々は、道路整備が完了するといつの間にかいなくなっている。
 ムンバイからプネへのハイウェイ沿いにある広告がつぎつぎと立って、電話会社、マンションの宣伝などかなりの数になってきている。空港のリニューアル、新しいホテルの開業、カフェ、近代的な商店、道路の開通などがトリガーになり、違った雰囲気に生まれ変わる。そういえば、3年前に比べて、自転車、バイクは、数が減って新型になっているし、新しい車の量が増えている。
 しかし相変わらずバス、トラック、電車は汚くて古い。ワンパターンの黒に黄色のタクシー、オートリキシャは相変わらずひしめき合って走っている。インドっぽい配分でそれぞれが、存在を主張している。

 かなり見た目は変化しているが、インドらしさはどういうわけか保たれているのだ。不思議だ。私たちは、このインドの活力を利用し、日本企業を変化させなければならない。

 今後、数十年の間に日本の就業人口が、かなり減少することは免れないだろう。
一方でITに関する需要が、衰えることは考えにくい。
 欧米のIT組織は、十年ほど前から戦略的に中国とインドに機能シフトを進めてきた。その過程では、失敗も経験しただろうし、様々な問題に直面し克服もしてきたことだろう。
 日本企業は、新たな形で国境を越えたビジネスモデルを確立できると良いと思う。コストでの分業から機能の補完モデルとして協業を行うことが重要だ。
 日本のグローバル企業の多くは、相当な努力を行って、製造や流通機能を海外へ移転している。一方、ITマーケットは相変わらず、日本国内での閉じた世界にとどまり、一向にグローバル化を進める気配が無い。もっと、真剣に就業人口問題やIT組織生き残りの条件について、真剣に議論し具体的な行動をはじめなければならない。

 私は、インドだけが、解決策だというつもりは無いが、インド、中国、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ブラジルなどの南米、グルジア、アフリカ?…………
 いろいろなモデルを検討し、小さな実験をしようと思う。危機感認識と実際の行動により、新たな機会が生まれ、ビジネスが確立する。互いに互いを耕すことで、新しいビジネス価値が創造されるのだ。

 まずは経営者の方に、ITビジネスのイノベーションの必要性を海外へ出て、自分の目で確かめてほしい。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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