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【第10回】人間力、BA力、PM力で真のISリーダーとなる

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BABOKⓇをいくら読んでも、PMBOKⓇをいくら読んでも、読んだだけで実践力が身に付くことはありません。またいくらHOW TO本を読んでも、読んだだけで実践力が身に付くことはありません。
 とかく日本人は、何かを行なおうとした場合、即答えを見つけたがります。しかし複雑化している世の中において、これさえ行なえば絶対に成功するという「秘策」は無いと考えています。
 そのような今であるからこそ、HOW TO頼みではなく、自ら目標を設定し、自ら考え、自ら行動し、自ら物事を開拓して行くことが、IT業界の発展だけでなく、日本そのものが今後も発展し続けてゆくためには大変重要なことであると考えています。

さてそのようなIT業界におけるISリーダーとしては、どのようなことを取り組んで言ったら良いのか?

私は「人間力」、「BA力」、「PM力」の強化が必要だと感じています。

  1. 人間力とは?
    ビジネスは、人と人とが接しながら活動を行ないます。そのためには、人として、相手から信頼に値する人物であることが、継続的な取引を維持するためには大変重要になってきます。
    そのような人物であるためには、

    • 正しい生き方・考え方を持つ。
    • 自分の強みを生かし、筋道の通った考えで成果を出す。
    • そのために必要な基礎力と経験に裏打ちされた専門力をもつ。

    といったことを、真摯に取り組み続けることが求められます。

  2. BA力とは?
    ビジネスの方向性を理解した上で、将来の目標を設定する(To Be)。その目標を達成するために必要な活動を行なうことと言えます。
    ビジネス活動の結果生じた成果は、他社の模倣が始まると、急速にその価値は低下します。その状態は「コモディティ化している」とも言えます。
    そのような状況に長く浸っていないよう、将来の目標設定を正しく行ない、その目標を実現する方法を明確にする、そしてステークホルダーとその内容について合意を取り付ける、そのようなBAとしての力が求められます。

  3. PM力とは?
    新たな価値を創造する場合は、すべて「プロジェクト」と言えます。よって社内において「プロジェクト」と定義されていないIT構想・企画段階でも、その活動は「プロジェクト」そのものです。またIT構想・企画をシステム企画書として完成し、その企画書を実現するためのプロジェクト活動も、「プロジェクト」です。その意味で「プロジェクト」を成功に導き、推進するためのPM力は、ISリーダーが身につけておくべき重要な力として求められます。

 なおBABOKⓇには、BAとして必要な基礎コンピテンシを定義しています。
 その中で、上記1~2に通じる項目をご参考として記載いたします。

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(追伸)
先日、あるユーザ企業の情報システム部門の責任者の方と、最近各企業で増えてきている「システム再構築」についてお話しをしました。システム再構築は、BPRを伴うケースも多く、各企業とも業務・システムなど、多くのステークホルダーの想いに阻まれ、方向性を見出し難くなっているといったことがあるため、構想・企画の取りまとめが非常に難航するといった意見で一致しました。
そのような場合、現場の要望をあまり聞き過ぎると、要望を聞いたが故に現場から「改善してもらえる」との期待感という呪縛から、あるべき姿を追い求め難くなる。よって要望ではなく「現状」のみをヒアリングし、あるべき姿を描くための参考情報程度にしたうえで、全体間を示すグランドデザインを方針と共に描く。そのグランドデザインについてステークホルダーの合議を取り付ける。そのグランドデザインは、1~2ヶ月程度で描き、かつステークホルダーの合議まで取り付けるスピード感が大変重要であるとのこと。私も、確かにそのようなスピード感は、企画を進める上で大切な要素であると感じています。

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竹内博樹
1991年 筑波大学卒業後、三和銀行のシステム子会社である三和システム開発株式会社(現、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社)入社。同社にて銀行業務のリテール、法人、国際の各分野において、大規模プロジェクトにおける企画・設計・開発に、主にプロジェクトマネジメントを実行するマネージャとして携わる。また開発後の保守にも従事するなど、幅広い業務でマネージャとして活躍。2004年より当社にて、大規模プロジェクトにおけるPMOの運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT部門の組織改革等、幅広くコンサルティングを手がける。 保有資格:情報処理 プロジェクトマネージャ、PMPほか。PMI会員、PM学会会員。

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