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【第21回】システム企画書を完成させる! IT化の構想・企画段階における“How”の明確化で仕上げ。

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前回のメルマガでは、IT化の構想・企画段階における“業務・システムの概要定義(What)”、つまり今後の業務の概要、必要となる役割や組織、情報システムの構造、現状からの移行を検討し、その実現性や効果を確認することで“どのような業務・システムを実現するのか?”を明確にすることについてお伝えしました。

さて“業務・システムの概要定義(What)”が終わったら、最後は“実現シナリオの策定(How)”を実施することでシステム企画書は完成します。ここでは投資可能額、ビジネス上の必要性、投入可能な人的リソース、他システムとの依存関係、システム化領域などの観点から、開発するシステムを適切な実行単位に分けて、各プロジェクトの目的や前提・制約事項を明確にします。

 その作業は、下図の“3.実現シナリオの策定”に書かれたプロセスに該当します。

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 ここで行う内容は次のとおりです。

  1. プロジェクトを定義して実現のシナリオを策定し、投資対効果を明確にする。(3.1全体的な実現のシナリオを策定する)
  2. これまでの検討内容をまとめ、システム企画の承認を得る。(3.2企画書をしてまとめる)

 またこの作業を進めるために大切なことは、次のとおりです。

  • プロジェクトの定義
    -今回実施するプロジェクトの範囲を決め、優先順位を付ける。
  • 実現シナリオの策定
    -一回で実現シナリオを完成させるのではなく、ステークホルダー等と調整しながら
     繰り返し調整することで、最適なシナリオを導くように進める。
  • プロジェクトの方針
    -新システムのアーキテクチャや技術、プロジェクトの規模や期間、IT要員リソース等の
     観点から、プロジェクトの方針を策定する。
  • リスクを洗い出す
    -リスクを洗い出し、対応策を検討し、リスク一覧表にまとめる。
  • マスタースケジュール、体制を策定する
    -リスクの予防策を反映したスケジュール、体制を作成する。
  • 投資対効果を算出する
  • システム企画書の承認を得る

 なおこの“実現シナリオの策定(How)”で作成する、システム企画書の目次例は次のとおりです。

5. 実現のシナリオ
5.1 開発プロジェクトの定義
5.2 開発優先順位
5.3 全体スケジュール

6. 基本方針
6.1 開発方針
6.1.1 開発体制方針
6.1.2 標準・規約利用方針
6.1.3 開発環境方針
6.2. 移行方針
6.2.1 業務・組織の移行方針
6.2.2 機器・アプリケーションの移行方針
6.2.3 データの移行方針
6.2.4 移行状況の報告と完了判定
6.2.5 コンティンジェンシープラン
6.3 運用方針
6.3.1 運用体制の方針
6.3.2 運用業務の方針
6.4 教育方針
6.5 システム資産調達方針
6.6 外部委託方針
6.6.1 委託業務の方針
6.6.2 選定方法

7. リスク評価と対策

8. 費用対効果
8.1 開発費用
8.2 運用費用
8.3 費用対効果

システム企画書の承認が下りたら、いよいよプロジェクトの開始です。

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竹内博樹
1991年 筑波大学卒業後、三和銀行のシステム子会社である三和システム開発株式会社(現、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社)入社。同社にて銀行業務のリテール、法人、国際の各分野において、大規模プロジェクトにおける企画・設計・開発に、主にプロジェクトマネジメントを実行するマネージャとして携わる。また開発後の保守にも従事するなど、幅広い業務でマネージャとして活躍。2004年より当社にて、大規模プロジェクトにおけるPMOの運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT部門の組織改革等、幅広くコンサルティングを手がける。 保有資格:情報処理 プロジェクトマネージャ、PMPほか。PMI会員、PM学会会員。

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