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《01》ユニコーンを探せ! インド・スタートアップ企業の瞬発力

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[執筆:田中 静]

2015年、インドのITビジネスで最も注目されたトレンドはテクノロジー系スタートアップ企業の急増でした。

NASSCOM(全国ソフトウェア・サービス企業協会)が先ごろ発表した調査レポート(Startup India – Momentous Rise of the Indian Startup Ecosystem)によれば、インドには未公開のテクノロジー系ベンチャー企業が約18,000社あり、うち2015年のスタートアップ企業増加数は4,200社超に上る見込みです。これは前年の3,100社から40%増。増加数で米国、英国に次ぐ世界3位です。しかも2位の英国(4,500社超)とは僅差。昨年3位だったイスラエル(3,900社超)を今年は抜き去り、5位の中国(3,300社超)を引き離しました。トップの米国は桁違いで47,000社超と断トツです。

投資額の伸びでいえば、インドは米国以上の勢いです。インドのスタートアップ企業への出資額は14年の22億ドルから15年は50億ドル超と倍増確実です。しかも、この9割が海外のベンチャーキャピタル(VC)による投資で、いかにインドのスタートアップ企業が投資家に注目されているかがわかります。

◆インドのユニコーンを探せ!

2014年、シリコンバレーのVC筋では「ユニコーン(一角獣)を探せ!」という言葉が流行りました。ユニコーンとは設立数年で評価額が10億ドルを超えた株式未公開企業のことで、奇跡的な急成長を遂げそうなベンチャーをいち早く見いだし、投資・支援を行うための合言葉でした。それが2015年は「インドのユニコーンを探せ!」に変化した。このトレンドは2016年も引き続き活発化しそうです。

なぜならインドではここ数年、スマホの普及が都市部の中産層に止まらず地方の庶民にも及んだことで、ネットを介した様々なサービスがようやくビジネスとして成り立つようになってきた。Amazonタイプのネット通販はもちろん、それらにかかわる決済システム、さらにはタクシー予約、医師選び、婚活など、暮らしに役立つサービスならば、素早く事業を立ち上げ、他社に先行することでビジネスは大化けする。これは世界どこでも同じ流れといえますが、13億近い人口を抱えるインドでは、それが劇的な成長拡大を生むわけです。しかも、インドでは若い人たちが素早く企業を立ち上げる。その瞬発力は他のどの国にもない成長の原動力になっています。

では、どんなビジネスに特化したスタートアップ企業が今のインドで生まれているのか? そして、それはどんな人たちが開拓し、どんな環境で成長しているのか?そうしたインドの新たな動きを、本連載では新年からどんどん紹介していきたいと思います。

[参照資料]
◎Start-up India – Momentous Rise of the Indian Start-up Ecosystem(2015年12月NASSCOM)
http://www.nasscom.in/startup-india-%E2%80%93-momentous-rise-indian-startup-ecosystem

◎India ranked third in launching new startups globally(2015年12月11日 ZDNet)
http://www.zdnet.com/article/india-ranked-third-in-launching-new-startups-globally/

 

 

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