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超の実現

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新年あけましておめでとうございます。

私の今年一年を象徴する言葉は、「超」である。
超とは、辞書で引くと以下の意味が示されている。
・おどりこえる。とびこす
・他とかけ離れてすぐれる。まさる
・とびきりの
総じて、常識的な基準を超えることを意味しているようである。

漢字そのものの象形は、「偏(へん)」が、走る人の姿と立ち止まる人の姿を表し、
「旁(つくり)」は、刀を捧げて祈りを唱え、神招きをするさまを示している。
人が真剣に何かを実現しようとしているさまから、現代に使われている意味になってきたとのことである。

 世界に目を向けると、イスラム社会の変貌や「イスラム国」の出現、ヨーロッパの変化や米国リーダーシップの終焉、中国の台頭、日本の政治的・歴史的な変化、インドの発展など、文化、政治、経済、技術が相互に影響しあい、混乱の中から新たな秩序が生まれつつある。
日本においては、中国を代表とするアジア諸国の発展と円安が相互に作用して、日本の観光資源が発展、さらには爆買いが定常化しつつある。冷静にその要因の本質を見通せば、しごく当たり前の現象であるように思う。
そんな世界の中で、IT業界はといえば、絶え間の無い変化の中にある。新しいと思っていたクラウドやビッグデータなどは、既に世の中に必要不可欠なインフラとして認められている段階である。ITを所有するという今までの概念から、情報を本格的に活用、利用する時代に入りつつあるのだ。
我々が、このような変化の中で生き抜くためには、「超」の発想が必要になる。

 私は、昨年までの数年間を「乱」の時期と呼んでいる。
「乱」は、超に変化するための痛みをともなうブリッジになっている。「乱」の時期は、個々の事象だけに注力しても全体の変化は見えにくい。多くの人は、大変だ!先が見えないと感じるだろう。実際に私の近くでは、様々な「乱」に関わる出来事が起こった。
・想定外のグローバルでのトラブル
・思っても見ないような社員の不幸
・一筋縄ではいかないプロジェクトへの参画
・新たなサービスの生みの苦しみ
・愛車の予期せぬ事故とダメージ など
変化を10年、20年の単位で、鳥瞰すると、要素として変化してきたそれぞれが、実はそれぞれの役割を持っており、次の時代について語っていると私は理解している。

 私は、それぞれの「乱」には忍の一文字で対処してきた。時間は掛かるが、焦らずじっくり痛みが消えるのを待った。この忍の時期は必要必然なものであり、この忍の経験が来るべき次の時代のヒントとなるのである。私には起こった事象・現象が何かを語っていると言う確信がある。(流石に忍をじっくり楽しむ、まではいかないが)この事象・現象の語りの確信から私は「超」の時代を洞察することができると思っている。
例えば、IT産業では完全にサービス業化が進んでいくだろう。この流れに抵抗する人も多いだろう。しかし、時代の流れには逆らうことはできない。IT資源は、持つ時代から共有することが当たり前になる。かつて、いろいろな事業会社がそれぞれに所有していた発電機が統合され、電力会社が成長したように、IT業界も進化していく。サービス業の本質は、知恵であり、工夫である。力ずくでシステムを作る時期は終焉を向かえる。基本中の基本の環境を確保した上で重要になるのは、アイデア、想像、モデル、集中であり、必要なのはまさに「超」の発想である。

 我々に強く求められることは、「超」の前提が何であり、どこに知恵を使うことが良いのかについて明らかにすることである。
「超」の前提を追求することこそが、新しい時代のビジネスを創造する上で極めて重要になる。創造することばかりを考えないで、「前提」を明らかにしよう。「前提」とはビジネスの基盤であり、設備などのインフラストラクチャであり、人材、ステークホルダーなども含まれる。「環境と人材」と言った方が分かりやすいかもしれない。前提は、時代と共に変化するが、一貫して変化しない部分もある。

「前提」が整ったら、戦略に基づいて方向付けと行動計画を明確にする。そして戦略を実現する段階で、たっぷりと知恵とアイデアを使う。あとは、地力で頑張り、諦めず進めて、最後に新たな何かを生み出す。
このアプローチで使うコンセプトが、「超」である。

今年は、「超」で行くことにした。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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