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ドキュメンタリー映画 YUKIGUNIを観て

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一生ささげられる仕事に誠実に取り組むということは・・・

 1月12日(土)から14日(月・祝日、成人式)の三連休に、妻の強い勧めもあり、ドキュメンタリー映画「YUKIGUNI」を渋谷の小さな劇場で鑑賞した。

 主役は、井山計一さんで、現在92歳の現役バーテンダーである。大正15年生まれは、10年前に亡くなった私の父親と重なってくる。昭和・平成という時代を生きてきた井山さんは、何を考え、どのように生き抜いてきたのだろうか。なぜ、いまだに日本最高齢バーテンダーとして、毎日カウンターに立ち続け、仕事をしているのだろうか。「雪国」とういう名前のカクテルが誕生した話もさることながら、井山さんの生きざまに関心が湧いてくる。
 
 この作品のあらすじは、次のようなものだ。誕生から60年を迎えるスタンダード・カクテル「雪国」。1958年度にサントリーの前身・壽屋のカクテルコンペで優勝したカクテルは、日本各地に広がりスタンダード・カクテルとして認知されるようになる。井山計一さんのカクテルを飲み、話を聞くため、全国からカクテルファンが東北の山形県酒田市にある井山さんの店「ケルン」を訪れる。撮影には2年半の歳月をかけ、今年92歳を迎えた現役バーテンダーの強くて、素朴で、誠実な、型にはまらない人生の輝き、魅力を見事に描いている。
 誕生から60年を迎えるカクテル「雪国」の誕生秘話、このカクテルに関係した人々が次々と登場する。
 井山さんが、コンペティション出場の際に、支援した様々な有名バーテンダー(故人)、井山さんの人柄と「雪国」に惚れて京都から家族で井山さんの店「ケルン」に通ってくる芸術家、井山さんの同郷で「ケルン」を応援しているジャズミュージシャンなど。
 時代を超えて愛されるカクテル「雪国」の歴史は、単に酒の歴史でもなく、店の歴史でもない。
 私の感じ取ったのは、まさに人生そのもの、関わった人々の歴史、家族の歴史なのだということだ。
 この映画を鑑賞するうちに、いつの間にか、私は井山さん自身になっていたり、井山さんと一緒に店を支えてきた奥さんが、私の妻と重なったりする。自分の歴史を少し先に送ったら井山さんのような生き方ができるのだろうかと考えさせられる。年代的には、私は、井山さんの息子の世代なので、時には息子目線で、親としての井山さんを見てしまう。井山さんの娘夫婦も登場するが、一目でまじめで良い人であることがわかる。素晴らしい家族だと思う。
 ドキュメンタリーは、戦後の復興の時代から昭和、平成に向かって進行する。その中に映る井山さんの半生は、決して平坦ではなかった。長い期間の撮影中に残念なことに、最愛の妻を亡くしてしまう、そしてお別れのシーンも映る。別れを機に家族との関係が変化し絆を徐々に取り戻していく姿があった。その背景には、仕事に一途で、まじめさのあまり、必要な時期に家族との関係も不十分な時期もあったのだと思う。今では、孫やひ孫にも恵まれ、人に優しく接し、自分で何でもできる自立したおじいちゃんでもある。
「YUKIGUNI」を通して、人生とは何か?仕事とは何か?家族とは何か?を考えさせられた。
なぜか、いろいろなものが自分の経験・体験と重なり、涙が止まらない、そんな映画だ。

 人生で重要なことは、地味でも思ったことを貫き通すことだと思う。60年は、説得力がある。私は、まだ、40年なので、後20年どう生きるか考えなければ・・・

「YUKIGUNI」の紹介文に、“激動の時代を経ても古びない「美しさ」「愛おしさ」をめぐる珠玉の物語”とある。まことにそう思う。

本ブログで紹介した映画のWebサイトはこちら。
ドキュメンタリー映画「YUKIGUNI」

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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