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プロジェクト人的資源マネジメント(Project Human Resource Management)

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プロジェクト人的資源マネジメントは、単なるプロジェクトチームメンバーを対象とするものではなく、プロジェクトに関与するメンバー(プロジェクトのステークホルダー)全体を、プロジェクトの目的達成のために効果的に活用するためのマネジメント。

PMBOKでは、プロジェクト人的資源マネジメントは、「組織計画」、「要員調達」、「チーム育成」の3つのプロセスで構成する。

「組織計画」は、プロジェクト組織を立ち上げるために、そのプロジェクトが置かれた内的外的環境(会社内の位置づけ、対外的な業者など)や、ステークホルダーの技術的な役割などを整理・認識し、必要な要員の要求事項や制約事項を考慮しながら組織構成を作り上げるプロセスである。組織構成を明確にしていく上で重要なことの一つに、各人的資源の役割と責任を明確化することがあるが、このために用いられる整理のしかたとしてはWBS毎に人員の責任を定義する「責任分担マトリクス」などの整理方法がある。またプロジェクトは恒常的な機能組織とは違い、期間を限定した有期的組織活動なので、必要な要員をプロジェクトのどの時期でどれだけ必要とするかを表現する「資源ヒストグラム」などを用いて過不足の無い人的資源の期間配分を計画する必要もある。これらの方法で計画されたアウトプットは「要員マネジメント計画書」(組織図、体制図もこの中に含まれる)にまとめられる。そしてこれに基づいて、母体組織や外部組織との交渉(ネゴシエーション)によって「要員調達」が行われる。

「チーム育成」は、上記のように集められた要員が、プロジェクトの目標に向かってチーム意識を持って行動できるようにするためのプロセスである。通常の組織と違ってプロジェクトは、限定された期間での一時的な集団であるので、先輩後輩、所属意識といったものに頼るチーム意識の向上は難しい。またプロジェクトは目的遂行のための期間限定的、機能的組織ではあっても、モラールの向上が無ければ当然いい成果は期待できない。したがって、メンバーの技術的なスキルアップのための各種のトレーニングを行う、同じ場所を共有してオープンな議論ができる環境を作る、成果を表彰するインセンティブを設けるといったチームが、早期かつ恒常的に一体感を持って有機的組織として行動できるようなマネジメント的努力が当然必要となる。

プロジェクト人的資源マネジメントは上記のようにプロジェクトにおける人的資源の最適配置を時系列も加味して行うマネジメントであるが、プロジェクトの母体組織はこのようなマネジメントを、立ち上げるプロジェクト毎に常に最良に行えるために、スポーツに例えるところの常勝集団のような組織の層の厚みを持つことが重要となってくる。そのためには母体組織のプロジェクト要員個々人の技術的、マネジメント的スキルの客観的なデータによる正確な把握が特に肝要となる。

「品質管理」のプロセスは、プロジェクト活動全体を通して行われる品質維持のための活動である。品質管理のためには適切な検査を行い、その結果で承認(受け入れ決定)、手直し、予防、是正処置は適時行われる。
プロジェクト品質マネジメントでも、一般的な品質管理でも重視されるのは、結果を検査して改善することより、品質割れや、低下を未然に防ぐ、予防の概念である。また品質は成果の生成過程に作り込まれるべきものでもある。

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