DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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ERPシステムのリプレースを機に、
ワークショップ型コンサルで
社内システムを見える化し将来像を描く

課題
  1. 社内システムの全容が見えない。データ連携が見えない。
  2. 業界特有のレギュレーションが分かるコンサルの不在で、外部の支援が得られない。
  3. 社内のIT人員不足で、パートナーマネジメントを含めてプロジェクトの遂行が不安。
解決
  1. ワークショップ型コンサルで学びを得ながら、システムの全体像、データ連携を見える化
  2. 専門性の高い業界情報、必要なシステム要件に詳しいコンサルタントが対応
  3. 発注者とパートナー双方のバランスを取りながらプロジェクトの成功を実現
生化学工業株式会社様

お客様に訊く、アイ・ティ・イノベーションの
コンサルの魅力とは?

~ITアーキテクチャ支援ワークショップ および PM支援~

生化学工業株式会社は、「糖質科学で未来を創る」をミッションとして掲げ、独創的な医薬品、医療機器を創生する研究開発型の製薬企業です。国内外の製薬企業と提携することで、自らは医薬品の販売部門を持たず、研究開発や製造に経営資源を集中投下しています。創立70年を超える歴史の中で培った高い技術力とノウハウで新薬を生み出し、グローバルな医療ニーズに応え、世界の人々の健康で心豊かな生活に貢献していくことを目指しています。
同社では稼働中のERP パッケージが2020 年に保守切れを迎えるのを機に、複数の業務システムと基幹システムを刷新するプロジェクトが数年前から動き出しました。プロジェクトの推進に関わったお二人に、当時の課題から解決に向けてのプロセスと、アイ・ティ・イノベーションの支援について、お話を伺います。

生化学工業株式会社 経営企画部
情報システムグループ 次長
吉田 浩二 様

2003年の入社以来、一貫して社内のIT関連業務に従事。オフコン時代からの社内システムの変遷を知る。企画、運営、管理全般に携わり、現在は情報システムグループを統括する。

生化学工業株式会社 経営企画部
情報システムグループ 主任
小宮山 普子 様

2015年に入社。基幹系システムの運用、保守業務をメインに、社内のIT関連業務全般に関与する。セキュリティや利用ルールに関する啓蒙活動など、社員のITリテラシーの向上にも取り組む。

※2020年6月取材時

生化学工業様の課題とアイ・ティ・イノベーションとの出会い

事業部ごとに業務システムが乱立し、全体像が見えなかった
社内のIT環境に、どのような課題をお持ちだったのでしょうか?
吉田

当社では、業務部門主導で必要な業務システムを導入してきた経緯があり、部門ごとの個別最適で業務のIT化がスタートしました。そして、ITツールの進化に伴い、やりたいことやニーズが増えるたびに、システムが追加されたり更新されたりしていきました。

小宮山

社内のどこにどんなシステムがあり、いつから使われて、どのように連携されているのか、稼働するシステムの全体像が見えていないことが課題でした。今回、ERPシステムのリプレースのタイミングで、会計システムなどの複数システムを一斉に刷新しようというプロジェクトが立ち上がりましたが、熟練の社員以外はシステムのつながりが見えないために、複数のシステムを一斉にリプレースした場合の影響がわかりませんでした。さらに、将来のシステムの在り方や全体像も描けておらずゴールが何となくしか見えませんでした。

吉田

BIが注目されるようになって久しく、研究開発型の製薬企業である当社にも様々なデータがありますから、経営に活用したいというニーズが出てきました。しかし、どこにどのようなデータがあるのか状況が見えません。全体像を考えながらIT化を進めるべきでしたが、IT部門は人数が少なく、目先の対応で精一杯。とても戦略的なことに手が回らなかったのです。
今回のシステム刷新プロジェクトを機に、「上流から下流にデータがきれいに流れるような絵を描きたい!」と考えるものの、自分たちの経験や知識の中では、どこからどのように手を付けていいか分からず、困惑していました。

システムのサイロ化・スパゲティ化(イメージ)

「絵に描いた餅」を見せるのではなく、現場を知り提案力のあるコンサルを求めていた
コンサルサービス導入検討のきっかけと、アイ・ティ・イノベーションをパートナーに選ばれた理由を、お聞かせください。
小宮山

限られているIT人員の中での一大プロジェクトでしたので、外部のコンサルタントの力を借りることは必然でした。実務に精通しているコンサルタントにお願いしたい、という思いがあり、当時助言を受けていた外資系調査会社の人に相談したのです。「人員が少ない中でのプロジェクトなので、我々IT担当者と同じ目線で考え動いてくれる実務もできるコンサルタントをご存じないか?」と。実務経験豊富なコンサルタントとして、ご紹介いただいたのが、アイ・ティ・イノベーションとの出会いです。

吉田

泥臭く、我々の方に一歩踏み込んできてくれる人。結果だけでなくプロセスを描いて、その入口に立たせてくれる人。とにかく、リアルな課題感を肌で分かっている、提案力のあるコンサルタントを求めていました。中山嘉之さんをリーダーとするチームにお任せしようと思ったのは、製薬業界に精通していたことが決め手でした。製薬業界は、独特のレギュレーションや用語がありますが、それらをいちいち説明する必要がなく、言葉が通じたのが大きな安心につながりました。一つ質問すれば、10の回答が返ってくるなど視点も豊富で、話しているだけで課題解決の可能性の扉が開くのが分かりました。

小宮山

コンサルタントに依頼したいことは2つありました。一つは、現在および3~5年後のシステムの全体像を描くための支援、もう一つはデータ連携を進めるための支援です。「言葉が通じる」ので話が早く、相談段階から「ここに手を入れると、こちらに影響が出る」と具体的に要点を押さえた説明がありました。経験豊富で引き出しが多く、ご自身の体験から、現場の業務の大変さも理解してくださり、「分かってもらえる」という安心感がありました。

吉田

コンサル費用も適切で、とても良心的な提案でした。将来的に理想的なシステムを構築するための投資と説明し、経営層の理解も問題なく得られました。

ITアーキテクチャ支援ワークショップ・PM支援の活用と効果

自分たちも学び、ナレッジを社内に残したい
「ITアーキテクチャ支援ワークショップ」を選ばれた理由と、効果についてお聞かせください
小宮山

ワークショップ形式を選択したのは、コンサルタントの分析手法や考え方を、直接学ぶことができると考えたからです。全体像を把握し、将来像を描くプロセスは、コンサルタントの知恵を借りつつ自分たちも頭を使って進めたいと思いました。アイ・ティ・イノベーションは、コンサルだけではなく、教育、研修のメニューが充実しているので、一石二鳥と思いました(笑)。

吉田

成果物を納品してもらってそこで終わり、ではなく、システム運用はそこからがスタートです。今後、自分たちでシステムに手を加えていくことを考慮し、自分たちが学んでおけば、社内にナレッジが残り、自分たちで伝えつないでいくことができると考えました。「ワークショップはすぐに実務に適用でき、とても勉強になる」と、本プロジェクトに関わる情報システムグループの4名全員が積極的に参加していました。

小宮山

ワークショップで学んだ手法もその後の業務にも活きており、ミニホワイトボードを導入して必要なときにサッとイメージの共有をするようにしています。システムの改修は必ず他部署を巻き込み、その協力なくしては進みません。社内の関係者に説明する際、ワークショップで作成した鳥瞰図がとても役に立ち、全体像を見せることで、協力を得ることできました。
あわせてデータ連携の側面から、データクレンジングの重要性を社内に啓蒙し、インプットの品質を均一化していく取り組みも始めています。特に人事データはアクセス権限とのからみが多いため、ここをきれいにしたい。社員の個人情報登録ですからセキュリティ上の問題もあります。マスターデータを修正すれば、他のシステム上のデータも自動的に修正されるようにしたいと考え、データ品質を保つための課題解決にチャレンジしているところです。

アプリケーション鳥瞰図(サンプル)

吉田

システムのつながりが見える化され、全体を俯瞰できるようになり、今後取り組みたいDX(デジタルトランスフォーメーション)施策に対するイメージが見えてきました。特に有益だったのは、マスターデータ管理の中でも企業にとって特に重要な「ゴールデンレコード」という概念を学んだことです。会社が保有するデータは大切な財産で、データを活用することによって今後ビジネス上の強みへと活かし、経営会議にも活用してもらおうと考えています。

パートナーマネジメント含めたプロジェクトマネジメント支援の意義は大きい
その後、プロジェクトマネジメント支援をご依頼いただいた目的を教えてください。
小宮山

2018年10月から会計システムをはじめとする4システムの刷新に着手しました。同時並行作業が増える中、少ないIT人員で確実にプロジェクトを進めるために、RFP回答書の取りまとめから構築まで、当社側の視点でパートナーのマネジメント(進捗、品質の両面)をサポートしてもらえないかと、率直に相談しました。

吉田

要件定義から入ってもらい、当社の方針を理解して、客観的な視点でマネジメントを遂行してくれたと感謝しています。当社からはなかなか言いづらいこと、気が付かないこと、同時進行で手が回らないところなども、経験豊富なコンサルタントがきめ細やかにすくい上げて、パートナーに言及してくれました。技術力がありビジネス面に明るいコンサルタントに入っていただき、当社にとっても協力会社にとっても、プロジェクトが進めやすい環境にしていただいたと思います。

小宮山

プロジェクト進行中には、当社の想いと噛み合わないことから生じる課題など、取りまとめや調整をお願いするシーンも多く、プロフェッショナルなアイ・ティ・イノベーションのコンサルタントの存在は、本当に心強かったです。

総合的な評価と展望

DXへの挑戦を支える、組めば必ず成果が出るという安心感
今後取り組みたいこと、またITIへの希望などについてお聞かせください。
吉田

当社が保有するデータの有効活用、DX施策に力を入れていきたいですね。研究所や検査部門を巻き込み、経営戦略を支えるデータ活用を目指します。データの分析、活用で、新たなビジネスにつながるかもしれません。 アイ・ティ・イノベーションと一緒にやると必ず成果が出ることが、今回のプロジェクトで分かりました。数年後に大きなプロジェクトが動く予定があるので、その際にはあらためて相談にのっていただけたらと考えています。

小宮山

もし、同様の課題でコンサルサービス導入を検討されている企業の方がいらっしゃるのでしたら、最初からコンサルに丸投げするのではなく、何が課題でどのようなサポートがほしいのか、どのような知見、経験がある人に支援してもらいたいのかを、まず整理されるとよいと思います。アイ・ティ・イノベーションには、多岐にわたる分野で現場に詳しいコンサルタントがいらっしゃいますから、確実かつスピーディに物事が進み、とても頼りになると思います。

アイ・ティ・イノベーションから

生化学工業様は、効果的に弊社の支援をご活用いただいたお客様です。超上流ではワークショップ形式でITアーキテクチャ設計を率先して学んでいただき、複数のプロジェクト推進フェーズではPMO支援までお任せいただきました。 当社のコンサルタントは、技術的なバックボーンはもとより、現場実践が豊富で現場の課題に熟知しています。また、IT構想・企画には経営的視点が欠かせないため、ビジネスセンスも鍛え上げられています。ITの構想・企画段階からPMO、プロジェクトマネジメントまでご支援できる会社として、便利に活用していただければ望外の喜びです。 生化学工業様とは、これからも課題解決に共に汗をかくパートナーであり続けたく、引き続きよろしくお願い申し上げます。このたびは事例取材にご協力いただき、ありがとうございました。

※本事例紹介は、2020年6月に取材したものです。肩書きなどは取材当時のものです。

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お客様情報

社名 生化学工業株式会社
本社所在地 東京都千代田区丸の内一丁目6-1 丸の内センタービルディング
設立年月日 1947年6月2日
代表者 代表取締役社長 水谷 建
事業内容 複合糖質を中心とした医療用医薬品および医療機器等の製造・販売
従業員数 868名(2020年3月現在 連結ベース)
Webサイト https://www.seikagaku.co.jp/