DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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「あるべき姿」を見据えた
全体システムデザインと論理データモデルで
ニーズを先取りしてサービスを提供する
ビジネスモデルへの変革を目指す

課題
  1. 基幹システムの巨大化とフロントシステムの孤立。
    システム同士が密結合の状態だった
  2. 会員データを「点」でしか把握できず、「起こったこと」に対するケアしかできなかった
  3. データ分析ができていないので、アライアンス先との連携が不十分
解決
  1. データHUBを介して、基幹システムとフロントシステムを統合。ITに対するガバナンス強化、セキュリティ強化、ユーザービリティの向上、コスト削減などの効果を期待
  2. データの蓄積・分析によって、会員一人一人の行動傾向や志向などを把握。会員のニーズを先取りしたOne to Oneサービスを提供
  3. 道の駅、サービスエリア・パーキングエリア、自治体などの幅広いアライアンス先に、会員が求めるサービスやニーズを分析して提案。地域振興にも貢献
JAF様

お客様に訊く、アイ・ティ・イノベーションのコンサルの魅力とは?

~ビジネスモデル変革を目指すITアーキテクチャ設計~

日本自動車連盟(JAF)様は、自動車ユーザーに対して幅広いサービスを提供している一般社団法人で、会員数は約2,000万人に上ります。JAF様では、起こったことに対してその場その場でケアする「点」のサービスから、次のアクションを予測し先回りする「面」のサービスへと、ビジネスモデルを変革することを目標にしていました。しかし、スパゲティ化・サイロ化した現行の基幹システムでは会員データを有効活用できず、実現は難しかったといいます。
2022年3月末のシステム更改を控え、2018年から次期システムの「あるべき姿」を検討していました。さまざまなベンダー、SIerに問い合わせたものの、うまくフィットするパートナーは見つかりません。悩んでいたときに発見したのが、アイ・ティ・イノベーション(以下ITI)の中山 嘉之の書籍「システム構築の大前提―ITアーキテクチャのセオリー」(リックテレコム)でした。その内容がJAF様の目指す姿にまさに合致していると感じ、「これだ!」と、すぐにITIに相談。
前任の担当から書籍を引き継いだという、DX推進本部 本部長の廣野様は、「ITIと出会ったのは、とても良いタイミングだったと思います。やりたいことに対して、最適なコンサルティングを提案してくれたおかげで、システム更改に取り組むことができました」と語ります。

DX推進本部 本部長 廣野 芳紀 様

各事業の事業計画・事業戦略にITの導入を推進するDX推進本部の責任者を務めている。全社のITガバナンス・ビジネスガバナンスの融合にも取り組む。

DX推進本部
データHUBプロジェクトチーム
マネージャー
井川 竜也 様

データHUB構築プロジェクトの責任者としてデータHUBの構築に取り組んでいる。

※2020年10月取材時

To-Beの、さらにその先を見据えた全体システムデザイン

ITIが最初に取り組んだことは、JAF様の各部署の方々と議論を重ね、現行のシステムがどうなっているか(As-Is)を全て洗い出して鳥瞰図を作成することでした。As-Isの鳥瞰図が完成すると、それを元に今後あるべき姿(To-Be)の鳥瞰図を作成。JAF様は、この2枚の鳥瞰図を執務室の壁に貼り付け、プロジェクトメンバー内でビジョンを共有することができたといいます。

As-Isの鳥瞰図

To-Beの鳥瞰図

JAF様が構想されているのは、2022年3月末の更改がゴールではなく、2030年まで年代を経て受け継がれていくシステムです。ITIはその構想をくみ取り、更新したいシステムだけを取り換えられるように、システム同士が疎結合になった全体システムデザインを設計しました。
続いて、システムのあるべき姿を実現するため、データHUBの構築にも取りかかりました。現行の基幹システムは巨大で、1カ所を改修すると関連する全てのシステム間でテストする必要があり、多大な時間と費用、労力がかかっていたそうです。データHUBでデータが一元管理されるようになると、基幹システムがコンパクトになるため、改修の手間を軽減できると期待されています。また、ITに対するガバナンスが効くようになる点もメリットです。

「いつでもどこでもJAF」を実現するための論理データモデル

データHUBの開発においては、ITIがRFPの作成を支援し、JAF様が開発ベンダーを選定しました。JAF様が目指しているのは「いつでもどこでもJAF」。車のトラブル発生時だけでなく、人々の生活のあらゆる場面にJAF様のサービスが寄り添えるようになることです。そのために必須となる「データの蓄積」と「データの分析」において、土台である論理データモデル(核となるデータを取りまとめたもの)の作成をITIが支援しました。

1) データの蓄積

次期システムを2030年まで使い続けるときに、どういったデータを残すべきなのか設計しました。約2,000万人の会員がJAF様と関わった際のデータを蓄積し、JAF様を支える財産として後世に残していきます。

2) データの分析

蓄積したデータを分析基盤で可視化・分析し、会員の次のアクションを予測します。アクションに合うアライアンス先を見つけ出し、会員に必要とされているサービスを提案することが目的です。廣野様は、「会員とアライアンス先のそれぞれに、いかに適切なサービスを先んじて提供できるか考えていきます」と語ります。

ITを使いこなして会員ニーズに即対応できる人材を育成

システムを更改するだけでは、使いこなせているとはいえません。JAF様では、IT人材の育成も並行して進めています。日本全国で勤務する現場スタッフがシステムを使い、会員のニーズに合ったサービスをすぐに実現できるようになることが今後の目標だといいます。そのために、ITリテラシーとデータリテラシー両方の向上が必要と考えています。
まずは、ITリテラシー教育を全員研修として実施。データリテラシーの研修は、Web上で全国のスタッフを集めて行う予定です。「データとは何か」から始めて、BIの使い方や、KPIに対してのデータの見方などを学びます。
フロントシステムを使うスタッフには、システム部に頼らなくても、要件定義をしてベンダーとの話し合いまでしっかり行える知識を身につけてほしいというのがJAF様の考えです。ITIも協力しながら、スタッフが自分たちのやりたいことを自分たちで解決できるようになるための教育カリキュラムを組んでいます。
ITアーキテクチャ設計だけではなく、教育・研修までフォローできる点がITIの強みです。JAF様は、要件定義の研修をITIにご依頼いただきました。

ちょうど良い距離感で寄り添ってくれるのがITIの魅力

ITIの魅力について伺うと、廣野様は「ITIは聞き出し上手。一方的に提案するのではなく、対話を重視するスタンスですね。質問するまで待っていてくれるし、質問したときはピンポイントで答えをもらえるので、最優先の課題からずれていってしまうことがありません。例えるなら、ITIはカーナビだと思っています。方向性は示してくれるけれど、運転するのは自分たちに任せてもらえますから。他のコンサルタントに話を聞いたときは、目的地まで自動的に連れていくタクシーのようだと感じましたが、ITIは明らかに違いました」と評価いただきました。
井川様は、「今は教わった知識を実践している段階です。JAFは2030年まで使い続けられるシステムを目指していますが、ITIはさらにその先も見ているでしょうから、これからも新しい知見を教わりたいですね。今後、重要なターニングポイントが来たときには、ぜひITIに協力してほしい。そう思えるくらい、信頼しています」と、協力体制の継続を期待してくださいました。

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お客様情報

社名 一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)
本社所在地 東京都港区芝大門1-1-30 日本自動車会館
設立年月日 1963年(昭和38年)2月28日
代表者 会長 藤井 一裕
事業内容 交通安全活動、故障車・事故車等の救援および移動、国際モータースポーツ競技規則に基づく自動車スポーツの統轄、その他自動車スポーツの普及振興に関する業務 他
従業員数 3,398名(2020年3月末現在)
Webサイト https://jaf.or.jp/
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