DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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【AI / Analytics カンファレンス3】開催レポート1:DXで増大するデジタルデータをAIで活用する方法

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セミナーレポート[1]

第3回AI / Analytics カンファレンス『間違いだらけのAI導入失敗から生まれる目からウロコのAI活用~AIの使い方次第で、DXの妄想スパイラルから抜け出せる~』

2022年2月15日(火)に、第3回AI / Analytics カンファレンス『間違いだらけのAI導入失敗から生まれる目からウロコのAI活用~AIの使い方次第で、DXの妄想スパイラルから抜け出せる~』をWEBセミナー形式で開催し、AIの活用に関心のある多くのお客様にご参加いただきました。本カンファレンスについて、3回に分けてご報告いたします。1回目はダイジェストをお届けします。

開催目的

DXで増大するデジタルデータの活用方法をAIの観点から探る

アイ・ティ・イノベーションは、これまで数多くのAIを用いたシステム導入やモデル開発に携わってきました。その中で、「AIを導入したのに期待通りの効果が得られない」、「AIでシステムとして本来望むべき効果が得られるのか」、「どうしたらAIを活用できるかわからない」というご相談をいただいたため、お客様のAI導入・活用における不安を取り除くために、AI / Analytics カンファレンスを開催してきました。

昨年2月の第1回カンファレンスから約1年が経過し、最近では「データの前処理」、「教師データの作成方法」、「モデルの評価方法」など、より具体的な内容のご相談を受けることが増えました。この1年で日本のビジネス環境にもAIが浸透してきたと考えられます。

企業が競争力を維持・強化していくために、DX推進が強く求められています。DXが進んで大量のデジタルデータが利用可能となれば、AIによるデータ活用はますます重要になるでしょう。一方、AIで高い精度を出すことを目的とするならば、データの量や種類が増えれば増えるほど難易度は高くなります。AIを活用していくためには、AIを取り巻く状況を知り、技術を正しく理解する必要があります。

今回のカンファレンスでは、AI導入・活用の各分野での専門家をお迎えし、ユーザーとAIシステムのインタラクションデザイン、自然言語処理、時系列予測、動画像認識について講演いただきました。また、AIを活用したマテリアルズ・インフォマティクスの事例をご紹介し、講演者全員でのパネルディスカッションも行いました。

今後のデータ活用に向けて、AIの効果的な運用を考えるためのお役に立てていただければ幸いです。

カンファレンス概要

開催日程
2021年2月15日(火)14:00~17:35 WEBセミナー(LIVE配信)
主催:株式会社アイ・ティ・イノベーション
共催:エスディーテック株式会社、Global Walkers株式会社、株式会社システム情報
参加対象
・ユーザー企業のDX推進部門の方、DX推進に関わるご担当の方、情報システム部門の方、研究部門の方・新規事業開発に携わる方
・SI事業者のDX推進に関連する部門の方
参加者数
87名

講演概要

セッション1

Human-AI Interaction~高度に進化したAIシステムは不気味の谷を越えられるのか?

エスディーテック株式会社取締役副社長CTO 鈴木 啓高氏

AIシステムの精度をどれだけ高めても、ユーザーにとっての品質である「利用時品質」が高くなければ受け入れてもらえません。本セッションでは、自動運転などの具体例を交えながら、ユーザーがAIシステムを評価する際の判断基準とは何かを、解説していただきました。また、高度に進化したAIシステムがユーザーに受け入れられるため
に、どういったポイントに気を付けるべきか紹介していただきました。

【鈴木 啓高氏 プロフィール】

株式会社エイチアイ取締役、HI Corporation America, Inc. CEO、株式会社U’eyes Design取締役を経て、2015年にエスディーテック株式会社の立ち上げに参画。現在は「世の中の全ての製品の利用時品質を向上する」ことを目指し、そのためのデザインと技術の研究開発に取り組んでいる。主に自動車の統合コックピットにおけるHMIを対象に、ヒトに対する理解とデザイン・技術を活用し、ヒトとクルマの様々な状況に応じたHMIをよりダイナミックに生成する仕組み作りが主なテーマ。

セッション2

開発者が語る!AIによる自然言語処理(NLP)5つのポイント

株式会社システム情報
DX開発統括部AIサービス開発リーダー 松島 弘毅氏

近年では自然言語処理を用いた自動翻訳システムやチャットボットなどが多数開発され、業務で幅広く利用されています。しかし、せっかく開発したチャットボットが期待通りの答えを出せず、活用されなかった事例もあります。本セッションでは、自然言語処理の開発・導入で失敗しないための注意点として、技術の選び方、データの収集・作成方法、データの前処理について解説していただきました。また、「人」が興味を持って取り組めるかどうかで成否が分かれるとお話しいただきました。

【松島 弘毅氏 プロフィール】

名古屋のSI企業にて電力系サービスの保守に従事後、2018年にシステム情報入社。入社後、クラウドネイティブのWebアプリ開発やAIの開発案件を中心に参画。2020年より、自然言語処理系の研究開発案件に従事。kaggle(AIの国際コンペティション)でメダルを取得するなど、AI案件に関する知見を活かし、業務を遂行している。

セッション3

導入効果の高い時系列予測AIとは~当社が掲げる「時系列予測2.0」の紹介~

株式会社アイ・ティ・イノベーション
高度先端技術部 アシスタントコンサルタント 伊藤 成顕

時系列予測AIは交通・小売り・通信・金融など、さまざまな業界で活用されています。多岐にわたる時系列予測モデルが研究開発されていますが、導入してみると「想定よりも効果が低い」というケースも少なくありません。その原因がPoC(概念実証)段階での検証不足であることを踏まえた上で、導入効果を高めるための検証方法を解説しました。また、近い将来に実現可能といわれている「時系列予測2.0」についてご紹介しました。

【伊藤 成顕 プロフィール】

大手製造業にて、電機・計装・計算機に関わるエンジニアとして新設工場の大規模システム構築に従事しながら、IoTやAIなどを含む高度なシステム開発などにも従事。現在、過去に蓄積したノウハウを活用し、DX戦略、DX実現の支援を行うアイ・ティ・イノベーションにて、お客様と共にプロジェクトの成功に奔走している。

セッション4

動画像認識AIの課題と実用化のポイント

Global Walkers株式会社
取締役CTO 樋口 未来氏

動画像を時系列データとして認識できるAIを活用することで、どのようなメリットが得られるのかお話しいただきました。また、実際の開発において苦労したポイントや、現状での課題をご紹介いただきながら、動画像認識AIの実用化に必要な対策について解説していただきました。

【樋口 未来氏 プロフィール】

株式会社日立製作所日立研究所、カーネギーメロン大学客員研究員にて車載ステレオカメラの研究開発、製品化などに従事。その後、グローバルウォーカーズ株式会社(現Global Walkers株式会社)を創業。専門は、コンピュータビジョン、Deep Learning。

お客様事例紹介

デジタル技術を活用した素材開発

旭化成株式会社
デジタル共創本部 インフォマティクス推進センター 先端情報技術部 部長 出羽 達也氏

旭化成株式会社はDXを競争力の基盤として捉えています。DXの一環として、情報科学の手法を素材開発に取り入れるMI(マテリアルズ・インフォマティクス)に取り組んできました。本講演では、MIで素材開発プロセスを革新した事例をご紹介いただくとともに、MIを支えるデータ基盤の重要性や、今後を見据えたMI人材育成についてお話しいただきました。

【出羽 達也氏 プロフィール】

株式会社東芝研究開発センターにて、知識処理の研究開発に従事。2020年より現職。

パネルディスカッション

5社+ファシリテーターを加えてのパネルディスカッション

講演者5名に加えて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の梅木秀雄氏をファシリテーターとしてお迎えし、パネルディスカッションを行いました。「AI開発におけるデータの重要性」をテーマに、データの集め方や、公開されているデータセットと自社で準備するデータの使い分けについて議論が行われました。また、講演者がそれぞれの経験から、AIが導き出した結果を現場での意思決定に利用するためのポイントや、今後目指していくことについて発表しました。

【梅木 秀雄 氏プロフィール】

株式会社東芝 研究開発センターにて、ニューラルネットワーク、画像認識、知識処理の技術開発
研究開発センター 知識メディアラボラトリー室長 (2010-13)
東芝デジタルソリューションズ株式会社にて、AIソリューション製品の事業立案・事業化技師長(2017-)
2018年より現職

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