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なぜ今アーキテクチャなのか?

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新規事業(ビジネステクノロジー戦略部)の立ち上げに伴い、今日からITアーキテクチャについてのブログを執筆することになった。ブログゆえ、読者の眠気を誘わぬよう、少々面白おかしく、時には辛口も交えて退屈にならぬよう心掛けたい。第一回は、“なぜ今アーキテクチャなのか?”をお話したい。

最近、“ITアーキテクチャ”が取り沙汰されている原因を私なりに考えてみた。アーキテクチャ(=構造)は、人工的なものには必ず存在するが、それを意識するかしないかが物によって異なる。一般的にコモディディ化した物は利用目的が達成できれば構造には言及しない。ではソフトウエアの世界はどうだろうか?例えばオフィスツール(ワープロ、表計算、メール等)は好き嫌いはあれども、ほぼコモディディ化した感がある。しかし、ビジネスアプリケーションをはじめとする企業(エンタープライズ)システムではどうだろうか?答えは否である。企業は各社各様のオリジナリティを持ち、あたかも生命体の如く変化するからだ。にもかかわらず、エンタープライズ・システムをERPというコモディティだけに任せるのは、いささか無理がある。結果、ビジネスに適合しない部分はアドオン、カスタマイズを施す羽目になった。また、ERPは自社に合わないと言って導入しない企業でも、プロジェクト毎にシステム化の目的だけをベンダーに告げて(これをRFPと呼んでいる)、構造はお任せする“丸投げ開発”も、中身に言及しない点でコモディティと同様と言える。

上記の二つは典型的なアーキテクチャポリシー欠如の例であり、内部プロセスのブラックBOX化によるベンダーロックインや、プロジェクト毎のシステム増改築による温泉旅館化といった弊害を招く結果となっている。アーキテクチャの不在は、徐々に企業システムを蝕んで行く。「ベンダーにお任せしているから楽でいいじゃない。温泉旅館も風情があって楽しめるよ」等と言っているうちは良いが、目の前に大きなITコストというツケが待っている事を忘れてはいけない。

企業システムが使い捨てのソフトウエアになるのはまだかなり先である。コモディティでない物にはアーキテクチャが必要である。エンタープライズ・システムは、個々のパーツは外部調達することは出来ても、全体の構成は自ら創るものである。なぜなら、その企業の戦略にマッチした世界に1つしかない組み合わせなのだから。

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Profileプロフィール

中山 嘉之
中山 嘉之
1982年より協和発酵工業(現、協和発酵キリン)にて、社内システムの構築に携わる。メインフレーム~オープンへとITが変遷する中、DBモデラー兼PMを担い、2013年にエンタープライズ・データHubを中核とする疎結合アーキテクチャの完成に至る。2013年1月より(株)アイ・ティ・イノベーションにてコンサルタントを務める。

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