DX(デジタルトランスフォーメーション)推進コンサルティング 株式会社アイ・ティ・イノベーション

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【AI / Analytics カンファレンス4】開催レポート1:人々の生活を支え、利便化する技術としてのAI活用方法

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セミナーレポート[1]

第4回AI / Analytics カンファレンス『間違いだらけのAI導入失敗から生まれる目からウロコのAI活用~AIの使い方次第で、DXの妄想スパイラルから抜け出せる~』

2022年7月27日(水)に、第4回 AI / Analytics カンファレンス『間違いだらけのAI導入 失敗から生まれる目からウロコのAI活用~AIの使い方次第で、DXの妄想スパイラルから抜け出せる~』をWEBセミナー形式で開催し、AIの活用に関心のある多くのお客様にご参加いただきました。
本カンファレンスについて、3回に分けてご報告いたします。1回目はダイジェストをお届けします。

開催目的

生活を支え、利便化する技術としてのAI活用方法を考える

アイ・ティ・イノベーションはAIのモデル開発に携わる中で、CVPR(Computer Vision and Pattern Recognition Conference)をはじめとして、多数の国内外の学会に参加しています。そこで実感したのは、AI技術の活用、精度向上は目を見張るほどのスピードで進んでいるということです。
AIを利用したデータ活用の技術研究が進む状況下で、技術者はAIをどのように利用すれば人々の仕事や生活に役立つのかを考える必要があります。

日本では海外に比べてAI活用が遅れていると言われていますが、ようやく少しずつ生活の中に浸透してきました。自動運転、ECサイト、セキュリティ、防災、エネルギー供給の管理など、多岐にわたる分野でAIが利用されるようになり、AIやビッグデータを活用して社会のあり方を根本から変えるスマートシティが日本各地で構想されています。
データを活用して生活に大きな変化を与えていくことが、今後のAI活用で目指すべき方向だと考えられます。

第4回AI / Analytics カンファレンスでは、人々の生活を支え、利便化する技術としてのAIに着目しました。AI導入・活用の各分野の専門家をお迎えして、MaaS、スマートシティ、防災減災支援システム、暮らしに溶け込めるAIについて、苦労した点や失敗談も交えながら講演いただきました。また、AIを活用した事故検知サービスの開発事例をご紹介し、講演者全員でのパネルディスカッションも行いました。

社会全体だけでなく企業内でも、大量で多種多様なデータの活用が求められています。AIの活用を進める上でのご参考にしていただければ幸いです。

カンファレンス概要

開催日程
2022年7月27日(水) 13:30〜17:00 WEBセミナー(LIVE配信)
主催:株式会社アイ・ティ・イノベーション
共催:エスディーテック株式会社、Global Walkers株式会社、株式会社システム情報
参加対象
・ユーザー企業のDX推進部門の方、DX推進に関わるご担当の方、情報システム部門の方、研究部門の方、新規事業開発に携わる方
・SI事業者のDX推進に関連する部門の方
参加者数
50名

講演概要

セッション1

AI活用によるMaaSの実現~動画像データからの道路レイアウト推定技術の紹介~

株式会社アイ・ティ・イノベーション
高度先端技術 コンサルティングマネージャー 藪 彰文​​​​​

MaaS(Mobility as a Service)は、出発地から目的地までの移動を一つのサービスとして提供し、最適化する考え方です。観光、飲食、医療などの交通系以外のサービスと連携することで、利用者の利便性向上だけでなく、地域が抱える課題の解決にもつながると期待されています。本セッションでは、MaaSを実現するためのAI活用の例を解説しました。また、最先端の研究テーマとして、単眼カメラのパースビュー画像からトップビューの道路レイアウトと車両占有率を推定する技術について、デモンストレーションを行いながらご紹介しました。

【藪 彰文 プロフィール】

1995年日本オラクル株式会社入社。Oracle DB導入のための機能評価や構築支援を行う技術SEとして従事し製造、金融、中央省庁を担当。2002年株式会社東芝(現東芝デジタルソリューションズ株式会社)入社。大規模DB統合を伴う開発プロジェクトのDBチームリーダーのほか、中央省庁及び外郭団体の大規模WEBシステム開発のプロジェクトマネージャーを務める。2019年株式会社アイ・ティ・イノベーション入社。これまで培ったDB/ITスキルをベースにAIシステム導入に向けた高度先端技術を担う。​

セッション2

令和3年度補正予算200億円。デジタル田園都市国家構想から読み解くAI​

Global Walkers株式会社
AIコンサルティングディレクター 髙﨑 裕喜 氏
取締役CTO 樋口 未来 氏

デジタル技術を活用して地方創生を目指す「デジタル田園都市国家構想」が推進され、デジタルの社会実装をどう進めていくかが課題となっています。その地域で暮らす住民にとっての「安全・安心なまちづくり」や「Well-being(心ゆたかな暮らし)」に、AI技術がどのように寄与できるかを考えることが重要です。本セッションでは社会課題の解決を目指したAI活用事例として、人流計測、リモートワーク向けAIシステム、サーマルカメラを利用した人・害獣検知についてご紹介いただきました。

【髙﨑 裕喜 氏 プロフィール】

NEC、大広、電通を経て起業。プラットフォーム開発、都市OS実装、メタバース開発支援など、コミュニケーション×IoTを軸に各種事業のディレクションプロデュースに携わり、Global Walkers株式会社に参画。

【樋口 未来 氏 プロフィール】

株式会社日立製作所日立研究所、カーネギーメロン大学客員研究員にて車載ステレオカメラの研究開発、製品化などに従事。その後、グローバルウォーカーズ株式会社(現Global Walkers株式会社)を創業。専門は、コンピュータビジョン、Deep Learning。

セッション3

技術者が語る、クラウド×ビッグデータ×AIによる防災減災支援システムのアーキテクチャ

株式会社システム情報
DX技術本部 DX技術開発部長 足立 雅春 氏

自治体向けWEBサービスとしてリリースされた防災減災支援システムは、気象・災害・人流に関する各種データをダッシュボードで一元化。地図にデータをプロットすることで、現在の状況を一目で把握できます。本セッションでは防災減災支援システムの構築プロジェクトを例に、全体アーキテクチャ検討のポイント、失敗しないデータの集め方について解説していただきました。

【足立 雅春 氏 プロフィール】

独立系ソフトウェアベンダーを経て、2010年にSEとしてシステム情報に入社。2016年にソリューション部門の立ち上げに参画。​AI・RPA・クラウドを中心に技術部門の責任者として従事。

セッション4

暮らしに溶け込めるAI・溶け込めないAI​

エスディーテック株式会社
取締役副社長 CTO 鈴木 啓高 氏

システムの価値を最終的に決めるのは、ユーザーがどれだけ満足するかという「利用時品質」です。利用時品質が低いとはどういうことなのか、実際の体験談を踏まえてわかりやすくお話しいただきました。また、利用時品質を高めるために考慮すべきキーワードとして「予測誤差」を取り上げ、予測誤差を埋めるためのアプローチについて紹介していただきました。

【鈴木 啓高 氏 プロフィール】

株式会社エイチアイ取締役、HI Corporation America, Inc. CEO、株式会社U’eyes Design取締役を経て、2015年にエスディーテック株式会社の立ち上げに参画。 現在は「世の中の全ての製品の利用時品質を向上する」ことを目指し、そのためのデザインと技術の研究開発に取り組んでいる。主に自動車の統合コックピットにおけるHMIを対象に、ヒトに対する理解とデザイン・技術を活用し、ヒトとクルマの様々な状況に応じたHMIをよりダイナミックに生成する仕組み作りが主なテーマ。

事例紹介

SCSKにおけるAIソリューションの構築、及び本番サービス導入に向けた取組みについて

SCSK株式会社
モビリティ事業グループ モビリティサービス事業開発センター 事業開発部 部長​ 畑 宏和 氏

SCSK株式会社は、In-Car領域の知見と、AI・クラウド・IoTなどのIT技術を生かして、Out-Car領域のビジネス創出・構築・展開に取り組んでいます。その一つとして、損害保険会社と連携し、AIを活用した事故検知サービスを構築しました。本講演では、事故検知サービスの開発事例をご紹介いただくとともに、AI技術者を育成するために構築したソリューションや、AIプロジェクトをPoCで終わらせないために考慮すべき点を解説していただきました。

【畑 宏和 氏 プロフィール】

1998年CSK(現SCSK)に入社。製造業向けの業務システムの開発を担当後、2010年頃より金融部門に異動し、生損保業界を中心としたアカウントビジネスの推進を担う。​2021年よりモビリティ事業領域に異動し現組織を立ち上げ、モビリティの新サービスの創出の検討/構築を担当。​業務システムの構築からサーバ運用、スマホアプリケーション開発、AIを活用したソリューションの構築等、多岐にわたりITサービスの構築を行っている。​​

パネルディスカッション

5社+ファシリテーターを加えてのパネルディスカッション

講演者6名に加えて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の梅木 秀雄 氏をファシリテーターとしてお迎えし、パネルディスカッションを行いました。
「地域、自治体、住民が関わるサービスへのAI社会実装」をテーマに、講演者が感じている課題と解決策について議論が行われました。また、講演者がそれぞれの立場や経験から、AI社会実装を進めようとする自治体や、自治体と連携して取り組む企業に向けて、今後強化すべきポイントのアドバイスを行いました。

【梅木 秀雄 氏プロフィール】

■三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 テクノロジー・エバンジェリスト兼コンサルティング事業本部ココロミルラボ室長
■株式会社東芝 研究開発センターにて、ニューラルネットワーク、画像認識、知識処理の技術開発
■東芝デジタルソリューションズ株式会社 技師長(コミュニケーションAI領域)
■2018年より現職

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