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サルでもわかるTOC/CCPM(第一回)

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突然ですが、あなたは企業や組織に属し、ある目的の達成をする為に活動をしていますか?
例えばこんな方だったりしますか?

  • 会社に所属して利益を生み出すために仕事をしている方
  • 官公庁に所属し市民の健全な生活を確保する為に仕事をしている方
  • 非営利団体に属しながらも何らかの目的達成のために働きかけを行っている方

上記に該当した方は、必ずTOCという考え方があなたのお役に立ちます。
なぜならば、TOCとは企業や組織の目的達成に対して邪魔をしている「制約条件」を見つけ、それを克服する為の「システム改善手法」だからです。
宜しければ「サルでもわかるTOC/CCPM」をご覧いただければ幸いです。

さて、「TOCって何?」と感じた方向けにまずは簡単に説明いたします。
TOCとは略さずに表現すると「theory of constraints」と英語表記されます。
イスラエル出身の物理学者エリヤフ・ゴールドラット(Dr. Eliyahu M. Goldratt)博士が提唱した生産管理・改善のための理論体系で世界的に普及しております。
小難しい事は、インターネットを使って何でも知っているGoogle先生から検索してもらえると助かります。ただ、いろんな情報が出てくると思いますので、紛らわしい表現とか分かりにくい言葉があるかもしれませんのでご注意ください。

お堅い話はここまでで、折角こういった連載をさせていただく機会を頂きましたので私自身が業務で活用しているTOCならびにCCPMについて気楽に書き綴っていきたいと思います。フランクな表現になるかもしれませんが悪しからず…。

TOCやCCPMについて本気で学ぶには沢山の文献やセミナー講座などございます。深い知識は他にお任せするとして、私は「サルでもわかるTOC」として私なりの解釈をお伝えしたいと思います。

TOCを勉強していく上で色々な言葉と出会う事が出来ると思います。

  • TOCの3つの原則 (何を変えるのか、何に変えるのか、どのように変えるのか)
  • 継続的改善5ステップ
  • 3つの制約(物理的制約、方針制約、市場制約)
  • TOC思考プロセス
  • スループット会計 …etc
  •     

正直、パッと言ってわかるようなものでもないです。というわけで今回は、誰でも理解できるやすい点を少々クローズアップしてご紹介いたします。

TOCは3つの原則や継続的改善のステップを踏まえてゴール達成を目指します。
方針については「何を変えるのか」「何に変えるのか」「どのように変えるのか」という3原則を踏まえて改善の戦略を構築します。
ゴール達成に対して何かが邪魔をしている要因があるとします。それを見つけて違うものに変える事で改善されゴール達成できる。世の中の原理は全くこの考えと同じですね。

例えば、大柴さん(仮称)が体調が悪くなり、病院へ行きお医者さんに診察してもらったのですが、こんな感じのやり取りした。

大柴さん 「ドクター、モーニングから熱があり、鼻水もNon Stopなのですが、ちょっと診てもらえませんか?」
ドクター 「あぁこれは風邪ですね。では、注射を打ってみましょう」
その結果、一時的に発熱はおさまり、鼻水も出にくくなりました。

その後、数日たっても同じ症状になった大柴はもう一度病院へ行きました。
大柴さん 「ドクター!この前注射をヒットしてもらったけど、まだ熱がホットで、鼻水もアピア―します。しっかりフィックスしてくれませんか?」
ドクター 「では、もっと強い注射を打ってみましょう」

その結果、再び熱はさがりましたが、完治せずにしばらくすると元の症状に戻りました。
何度も診察に行くも「強い注射」や「きつい薬」を処方され続ける始末。
大柴さんは不安になり他の病院で診察してもらった結果、新種の病であったと診察されました。

その後大柴さんは大病院へ転院・入院治療という結末になったわけです。
さて、このケースで大柴さんは「身体を完治させる」という事がゴールですよね。
そこで大柴さんは以下の3原則に基づき行動をとりました。
原則1(何を変えるか)     「病んでいる身体を変えよう」
原則2(何に変えるか)     「元気な体に変えよう」
原則3(どのように変えるか)  「病院に行き診察を受ける」

原則1と原則2は問題ない行動であったのですが、原則3が残念ながらヤブ医者に行ってしまったみたいですね。目の前の症状に対して「注射や薬」で一時凌ぎの診察をする。ただ、本来はもっと根本的な所に原因があったかもしれません。

例えば、こんな原因があったかもしれません。

  • 大柴さんは今流行りの新種の病の感染拡大地域に住んでいる
  • 大柴さんはこの季節になっても布団に入らずに冷房をつけたまま寝ている
  • 大柴さんはそもそも身体が弱い
  • ドクターが処方した薬が使用期限切れであった
  • そもそも新種の病だから薬や注射がなかった

前提条件がないので原因を考えれば無限大に広がりますが、ポイントになる事はその原因に対する改善策を取っていたのだろうかという点です。
今回の大柴さんは「何を変えるのか」と「何に変えるのか」は間違っていませんでしたが、最後の「どのように変えるのか」が残念ながら間違ってしまいました。ただ、大柴さんはヤブ医者だった事を知らなかったから仕方ないのかもしれません。ただ、日頃からの情報収集が十分であったのかという点については少々疑問が残ります。今回は他の病院へ行き診察してもらう事で問題は解決されましたが、はじめから他の病院の情報を知っていればこうしたリスクは軽減されたかもしれないですね。

実際の仕事や生活などと照らし合わせた時にこの3つの原則を見誤っている方はいらっしゃりませんか?
課題と思っている事への改善策で「何を変えるのか?」「何に変えるのか?」「どのように変えるのか」を間違って取り組んでいませんか?
この3つの原則を冷静に取り組めば課題の本質が見えやすくなってくると思いますよ。

今回の「サルでもわかるTOC」はここまで。是非、参考にして頂けたら幸いです。

「TOCって仕事に活用できるよね?」
「できる!できる!」
「なんだったら身の回りの出来事はなんでもTOCやCCPMを活用できるよ」

こんな会話を連載終了時には、職場やコミュニティなどの集まりで言っていただけるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

-以上-

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井阪 宣之
井阪 宣之(いさか のぶゆき) 株式会社 日本アドバンストシステム 2001年に株式会社日本アドバンストシステム入社。ソフトウエアの営業として顧客へ膝を突き合わせる営業で独自のスタイルを確立。2006年よりTOC-CCPMを活用した営業を開始し、プロジェクトマネジメント支援の実績を重ねる。現在は、各現場にTOC-CCPMをインプリメントする活動を中心にTOC-CCPMの普及活動に邁進している。

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