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【第2回】PMOはなぜ必要なのでしょうか?

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PMOの具体的な役割や仕事を考える前にまずはPMOがなぜ必要なのかを考えてみましょう。
皆さんプロジェクトに携わっていると以下のような場面に遭遇しませんか?

【ケース1】 チームの報告書がばらばら・・・・

  • Aチームの報告書には表がついているけど、Bチームの報告書は文章しかない。
  • Cチームの報告書には進捗が「設計書作成:予定40%、実績30%、3日遅れ」と数字で表記されているが、Dチームの報告書には「設計工程:遅延なし」「試験計画:少々の遅延」と書かれておりどちらの方がより問題のあるチームなのか解らない。
  • Eチームの報告書には課題とその対応策が書かれているが、Fチームには課題しか書かれていない。

【ケース2】 組織長やお客様への報告で突っ込まれてしまう・・・・

  • PMが各チームの報告を取り纏めて部長に報告。しかし纏めた報告書の内容について部長から質問を受けても詳細な部分は答えられない。
  • お客様から「クリティカルな問題は?」とか「課題に対する対応策は?」と聞かれても答えられない。

【ケース3】過去のいくつかのプロジェクトを参考にプロジェクト計画を立てようとしたが、情報がバラバラ。

  • Gプロジェクトの工程は基本設計だが、Hプロジェクトの工程は概要設計。これは同じ設計なのか違うのか解らない。設計書をみても記述方法が違うためどれを参考にしてよいか解らない。
  • 品質基準(設計指摘密度、試験密度、バグ摘出密度)の値がプロジェクト毎に決められているため、どれを適用してよいか解らない。
  • 部長への報告タイミングがプロジェクトによって違うため、どれが正しいのか解らない。

【ケース4】組織長が各プロジェクトの状況を把握したいが、資料が細かすぎてよくわからない。もしくは資料がおおざっぱすぎる。

  • 各プロジェクトからの報告内容が細かすぎて問題点が見えない。
  • プロジェクト毎に報告する内容が違う。
  • PMが問題なしと言っているが根拠がないため、信用してよいか解らない。
  • 大きなトラブルが発生してから始めてプロジェクトが問題だらけであることを知った。

どうですか?過去を思い出してみるとこのようなシーンがありましたよね。私もほとんど経験済み(涙)です。

【ケース1】と【ケース2】は、PMの稼働が足りない、PMの経験不足などの理由によりプロジェクトの計画、管理不足によって発生するケースです。ある程度の規模のプロジェクトになるとPM一人でマネジメントするのは至難の業です。
【ケース3】は組織に基準や標準がないために個々のプロジェクトで適宜対応しているケースです。個別最適と言えば聞こえがよいですが、やはり生産性が悪いですよね。
【ケース4】は組織長に対してPMは的確な報告やエスカレーション(問題が対処できず上位に対応を要請すること)ができていないケースです。PMは自分が「うまくできていない」ことを言いたくないと思ったり、問題を自分達で解決できるのではと過信したり、はたまた何を報告・エスカレーションしてよいか解らないということもあるでしょう。

このような問題を解決するためにPMOを設置します。
【ケース1】【ケース2】の場合PMOはPMの負担を軽減したり、PMのスキル不足を補ったり、PMの教育を行ったりします。
【ケース3】【ケース4】の場合PMOは組織の統制がとれるように基準・標準を策定したり、組織内で起きている問題を見える化して判断できるようにします。
ようは組織やプロジェクトの「裏方」なのです。
どうです、これらの問題を解決してくれるPMOを設置したくなりましたか?
まだよくわからない?
では次回は、PMOの具体的な仕事について考えましょう。

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連載のタイトルに名前が入っていたため、お客さまに気づかれてしまい私の目の前で連載を読まれています。「こんなこと書いているけどできてないじゃないか!!」って突っ込まれたらどうしようかとビクビクものです。
けんちゃん(←お客さま)あんまりいじめないでね。

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Profileプロフィール

関和美
関和美
奈良女子大学 理学部 物理学科(現 物理科学科)卒業 日本電信電話株式会社に入社(NTT分社化によりエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に転籍)。主に金融系のSEとしてNWシステム 構築の設計、アプリケーション開発の要件定義、設計工程を経験し、その後プロジェクトマネジャーとしてプロジェクトに携わる。 2007年より現職。大規模プロジェクトにおけるPMO(Project Management Office)の運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT構想企画の支援を行っている。PMP。

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