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【第4回】PMOの具体的な仕事ってなに?(続き)

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前回は2つのPMOの事例について具体的な仕事をあげてみました。今回は3つ目の「組織内で立ち上がっているプロジェクトの状況を纏め、組織長に報告する。」についてです。
 
(3) 組織内で立ち上がっているプロジェクトの状況を纏め、組織長に報告する。

この場合も開発の基準・標準を策定するPMOと同様、組織で構築するPMOです。基準・標準を策定するPMOはプロジェクトの実作業に対して直接影響を与える活動ですが、この場合は組織長がプロジェクトの状況を把握し、判断するための活動です。

(ア) ステアリングコミッティを整備する(組織長が判断できる場・材料を定義する)

プロジェクトには開始前から完了までに判断が必要な節目があります。

  • プロジェクト開始前には本当にプロジェクトを実施すべきかの判断が必要です。
  • プロジェクト発足時には、プロジェクト計画の妥当性の評価が必要です。
  • 工程完了時には、各工程の完了基準を満たしているか(次工程に進んでよいか)の評価が必要です。
  • プロジェクト完了時には、プロジェクトの結果・教訓を確認し、他プロジェクトに生かすためのネタの共有が必要です。

プロジェクトの節目でプロジェクトの状況が把握でき、評価・判断する方法を定義し、運営に持ち込むまでをPMOで実施します。軌道に乗れば個々のプロジェクトの報告はPMが実施します。

(イ) プロジェクトポートフォリオを作成する

組織長が定期的に組織内のプロジェクトの状況を把握するためにコスト・納期(進捗状況)・品質の観点で全プロジェクトを一覧化します。一覧化する方法としては数値化したり表にしたり、信号みたいに色で表現したりもします。
これにより組織長は事業に影響を与えそうなプロジェクトを早めに検知し、さまざまな判断をします。

以上前回も含めて3つの代表的なPMOの形態を説明しました。

これ以外にもプロジェクトマネージャーの教育を行ったり、技術的な支援として一定期間参画したり、火消しプロジェクトの支援で急遽試験チームのリーダとして参画したり、本当に多種多様なPMOがあります。
では、その組織やプロジェクトに本当に必要となるPMOになるにはどのようにすればよいのでしょうか?
組織長や、プロジェクトオーナーがトップダウンでPMOを設置することがほとんどでしょうが、それでも失敗するPMO活動は多いのです。

  • 管理表やチェックシートをプロジェクトに導入したが、プロジェクトメンバーの稼働ばかりが増えて効果があるか解らない。
  • 作った基準・標準が使われない。
  • 報告ルールをきめ、各プロジェクトやチームから報告を受けるが本当に必要な情報が記載されない。
  • ステアリングコミッティを設置したが定期的な行事になっている。

などよくありますね。

「こっちは毎日忙しいのにPMOは何をしているんだか」と思って周りから冷やかに見ている人も多いと思いますが、組織やプロジェクトに貢献できているのか自信が持てないPMOのメンバーはとっても辛いんです。
では、PMOメンバーに抜擢された貴方はどのようにPMO活動を始めますか?
プロジェクトオーナーから目的と作業内容の説明を受け、プロジェクトマネジメントの書籍を購入して、管理資料作りや標準作りを始めますか?なんだかちょっと心配ですよね。
本当に必要とされるPMOになるためにはまず何をしなければならないのか次回考えてみましょう。

**********
先日、ダンナがフェースブックで私も写っている写真をUPしたところ、「強そうで優しそうな奥さんですね」とコメントが書き込まれたそうです。
強そう??? 写真から何かオーラが出ていたのかな?
っま、こんな仕事をしていると強さも必要です。しょーがないですよね(笑)

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Profileプロフィール

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関和美
奈良女子大学 理学部 物理学科(現 物理科学科)卒業 日本電信電話株式会社に入社(NTT分社化によりエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社に転籍)。主に金融系のSEとしてNWシステム 構築の設計、アプリケーション開発の要件定義、設計工程を経験し、その後プロジェクトマネジャーとしてプロジェクトに携わる。 2007年より現職。大規模プロジェクトにおけるPMO(Project Management Office)の運営およびプロジェクトマネジメント支援や、IT構想企画の支援を行っている。PMP。

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