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『3分でわかる!システム企画一問一答』おじさんと考える!業務フローは縦書き?横書き?

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おじさんと考える!業務フローは縦書き?横書き?

私はおじさんです。

知っとるわい!

いや、まー聞いてください。

先日社内でシステム企画の話をしている時のこと。「昔はワープロ専用機を使っていたりしたからねー」との発言に周囲がキョトンとなり。「あれ?書院とかOASYSとかあったじゃん、知らない?」と返す私に再びキョトン攻撃。
(一応説明しておくと文書作成に特化したプリンター付きコンピュータのことで、今でいえば「Microsoft Wordだけが使えるPC」といったイメージでしょうか)

むむ、確かにワープロ専用機が活躍していたのは1990年代頃まで。
なんだかんだ世代の違いで話題が嚙み合わないことがあまりないため(今にして思えば、私の周囲の方が無理して話を合わせていただいているような気もします)、内心密かにおじさんの実感がなかった私(目を逸らしていたとも言う)ですが、これにはこてんぱんにやられました
そっか、今やスマホ世代ですもんね。なんならAIが文書作成してくれる時代ですもんね。

おじさんを自覚せざるを得ない。。。

閑話休題(いや、今回の話全体が雑談みたいなものなのですが)、本題にいきましょう。

Q業務フローは縦書きと横書きどっちがいいの?

なぜおじさんであることを痛感する事態になったかと言うと、ビジネスプロセスモデルの作成方法の話をしていた時に先述の流れになったからです。

業務フローのサンプルを映しながら説明していた時、あるメンバーから手が挙がりました。

「業務フローって縦に書くものじゃないんですか?」

私が使ったサンプルは、縦軸に役割・横軸が業務プロセスで、仕事の手順が左から右に流れる横書きスタイルでした。
確かに、横軸が役割・縦軸が業務プロセスの縦書きのフロー(上から下に流れる)も結構見かけます。
このメンバーは、これまで見た業務フローは大体縦書きだったそうで、そこから「業務フローは縦書き、横書きどちらが良いのか?」という話になったのです。

私は逆に「横書きがスタンダード」だとなんとなく思い込んでいたため、どちらの書き方が良いのか実はあまり考えたことありませんでしたが、思い起こしてみると時代の相違があるように思われます。IT業界で30年程いろいろな企業の業務フローを見てきましたが、10・20年前頃昔に作成された業務フローには「縦書き」も割とあったけど、最近作成されたものは「横書き」が主流という印象があります。

これにはIT環境の変化があるのではないかと。

まず、ワープロ専用機を使っていた時代ですが、横長に数ページに渡るような文書を作成するのは難しいという事情がありました。業務プロセスの数が多くなってくると1ページの横幅に収まりきらなくなり次のページに続きを書くことになりますが、画面では前ページの下に表示されるため、ページ間で繋がりが分かりづらくなってしまいます。
(Wordで複数ページに渡る横向きの業務フローを作成することをイメージすると、面倒なことわかりますよね。縦書きであれば、次のページになっても役割のスイムレーンが同じ位置なので繋がりが分かりやすい)

その後仕事環境はPCに移りExcelなど利用できるようにもなりましたが、まだしばらくは縦書きが主流だったかと思います。
これは、業務フローを説明する際に基本的に「紙」で印刷していたからでしょうか。例えば「業務の概要や役割の定義を文章で記述したA4縦の資料に業務フローが添付される」といった状況を考えると、同じA4縦書きにしておいた方が綴じやすいですよね(A3横で作成し、折りたたんでA4縦サイズにして綴じたりもしていましたが、配布する人数が多いとかなり手間が掛かる)。

また、そのころはまだプログラムを設計する際にはよく処理のフローチャートを描いていました。これは縦書きなので、それに慣れたIT業界の方が業務フローを作成すると自然に縦書きになっていた、という事情があるかも知れません。

しかし最近では。

資料を紙に印刷することが徐々に減り、業務フローを画面で説明することが多くなりました。
画面は横長ですよね。それも昔のように4:3ではなく、16:9のワイド画面

文章はWordを使わずPowerPointを使って大きな文字で横長に作った方が画面に映しやすい。

業務フローはどうでしょう。
通常、業務フローに現れる役割(顧客、営業部担当者、経理部長・・)と、業務プロセス(見積依頼、在庫確認、納期確認、見積書作成、承認、見積書発行・・)では、業務プロセスの方が「数が多くなりがち」ですから、横書きにした方が多くの情報を1画面に表示し確認しやすいですよね。

今では業務フローを作成するための専用ソフトも各種利用できるようになってきており、作図上の環境面の制約もなくなってきました(専用ソフトであれば、役割と業務プロセスの流れさえ定義すれば縦書きでも横書きでも表示は自由にできたりしますよね)。

このような変化によって業務フローは横書きが多くなってきており、今はそちらに見慣れた人の方が多くなってきていると思われます。
「縦書きの既存の業務フローを一部修正して新業務フローを作成する」とか、自分や説明する相手がUML(Unified Modeling Language)のアクティビティ図の表記法に慣れている(アクティビティ図は縦書きが主流です)、といったケースは別ですが、業務フローのようなビジネスプロセスモデルに限らずモデルを利用して作図する際に「多くの人が見慣れた表記方法の方が理解し易い、説明し易い」ということを考えれば、基本的には横書きで良いのではないでしょうか。

それでは今回のアンサー。

A特段の事情がなければ横書きで良いかと

先日、姪を保育園に迎えに行った際の先生の反応。
「XX(姪の名前)ちゃーん!おじいちゃんが迎えに来てくれたよー!」

白髪の多い私はこのようなシチュエーション慣れっこなのでスルーしちゃいましたが、姪はというと。。。
おじいちゃんじゃないよ、のぶふみ(私の名前)おにいちゃんだよ!

うん、途中でアイス買って帰ろうね、君は将来出世するよきっと。
人はおじさんだと認めた時からおじさんになるんだよね。

おじさん改めおにいさん弘中の連載、それではまた次回をお楽しみに!


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弘中 伸典
1994年、徳山工業高等専門学校情報電子工学科を卒業。 SIベンダーに入社後、数々のシステム開発の現場で活躍。そこで得た多くの経験に感謝しつつも、IT業界における構造的問題に一石を投じるべく株式会社アイ・ティ・イノベーションに参画。問題の原因は、プロジェクトマネジメントの欠如にあると考え、日々のコンサルティング業務を通じてその必要性を訴え続ける。 専門領域は、プロジェクトマネジメントおよびシステム開発プロセスの標準化、PMOの設置と運営、IT投資マネジメントなど。 責任と誠意を持って問題解決に取り組む姿勢を大切にしている。 PMP(Project Management Professional)資格 保有

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