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領域の違いを越えた共創

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経営視点の支援とエンジニア視点の支援を行うコンサルタントが連携して支援を行う場に同席する機会があり、レイヤー、領域の違いがあるにも関わらず、上手く連携していることに興味を感じたことについて、今回お話します。

主に扱っている物事(マネジメント、システム)が違うため常識、立場が違いコミュニケーションに問題が生じることは、よくあるのではないでしょうか。例えば、経営視点で費用体効果をみていくと、まず、大まかなレベルで見たくなると思います。エンジニア側としては、実現性を考えて無難なやり方に合わせて費用対効果を算出したくなるバイアスがかかり、対立が生じることなどがあると思います。
納期の面でいえば、早くシステムを稼働させて、投資回収を急ぎたい経営側の視点と、動くシステムにするため、十分な納期を確保して進めたいエンジニア側の視点の間で衝突が生まれ、悩まれることも多いのではないでしょうか。

この立場の違いから生まれてしまう衝突は、どういう構造なのでしょうか?弊社の構想・企画策定でも用いられている”Why-What-How”の構造で見てみましょう。「参考:構想企画でのWhy-What-Howの構造

こうして見てみると、目的(Why)と手段(How)が対立してしまっている状況にあたるかもしれません。もちろん、WhyとHowは、本来、対立するものではなく連携、協調するものですが、複数人、組織で役割を分担していくことで、そのつながりが薄れてしまうことがよくあると思います。つまり、この状態は、Why(目的) → What(対象、スコープ) → How(手段)のつながりが切れていると言えるでしょう。その結果、目的と手段が対立関係になってしまうのだと思います。

目的の伝搬・広報と現実・事実の説明・理解が上手くいけば、このような対立を発生させずに済むと思います。では、どうすれば上手くコミュニケーションが取れるようになるのでしょうか?そのためにもう少し問題の構造を見ていきましょう。

この絵のとおり、事実の説明、理解は関係者の人数が多くなればなるほど、情報量が多くなり、それが上位層に集中します。もちろん、上位に位置づく人が全て詳細に理解することは難しくなり、”目的”に合わせて、重要度、優先度により情報量を絞っていく必要があります。目的が不明確だと優先順位を判断する基準を得られず、必要な情報を上げなかったり、過剰な情報が報告されたりといったことが発生します。そのため、目的の伝搬、広報が先に必要になってきます。

下流から見ると、How・”やるときのこと”を考えて、成果物を捉えていくことになりますが、その上で、今、考えている成果物がプロジェクトオーナーにとって価値があるものか?価値につながるか?を考えていると、Why → What → Howのつながりを保つことができるようになっていきます。
また、上流から見ると、なぜ、その成果物が必要か?そして、成果物の内容だけでなく、必要な理由を伝えていくことで、全体としてWhy → What (→ How)の流れを保つことができるようになっていきます。さらに、成果物が出来上がるまでの過程をイメージしていくことで、現場から上がってくるフィードバックを適切に反映する準備を整えることができ、これにより、What → Howのつながりも保つことになります。

自分自身にとって、上流、下流にあたる人と、このようなやり方ができているでしょうか?もし、できていなければ、一考してみると、Why-What-Howのつながりが保てることで、物事をスムーズに進めていくきっかけになるかもしれません。

上述の構造を二人三脚で進めていくイメージで改めて絵にしてみると以下のようになります。

価値を生み出すため、何をOutputするかをトップダウン、ミドルアップの両者ともに見ていると、共通のゴールを持って進められる関係を築けると思います。

類似のものとして、アジャイルソフトウェア開発宣言は、システム側とユーザー側のつながりを保つことを意識した考え方だと思います。重要視する価値を共有することで、作る側と使う側が協調、共創して進めていくことが今回のお話しと類似していると思います。

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小林大悟
2007 年より横河電機(2013 年、横河ソリューションサービスに移籍)で、制御システムのエンジニア(営業技術)に従事。鉄鋼などの素材製造の顧客向けに提案活動、契約前の仕様決めに従事。システムを扱っていく中でプロジェクトマネジメントに興味を持ち、PMS(Project Management Specialist)を取得。2023 年から IT Innovationのコンサルタントとして活動。ボランティア活動として、日本プロジェクトマネジメント協会中部支部である中部 PM 研究部会の副幹事として、会運営を行っている。

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