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変革の火を組織に灯せ

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今、IT組織にとって重要なことは、変革の文化を組織に根付かせることだ。
多くのIT系の企業がまさに生き残りをかけて行動を開始する時期が到来した。
変革を自ら実行するのがトップ、リーダーの仕事と言ってよい。

新しい環境に適合したIT方法論を具現化し、実行に移すことができるかどうかが企業の将来を左右するだろう。

IT方法論の適応について重要な事柄は、何であろうか?

(1) IT人材の開拓、育成、配置、再配置の実施
(2) 組織を構成する人材の意識改革と新たな人事制度、教育システムの確立
(3) 新しいIT方法論に従った標準プロセスを用意し、パイロットプロジェクトを実施する
(4) (3)の結果、実用性のあるプロセスを実現する
(5) 上記を効率的に運用するためのナレッジの共有システム(プロセス実施と再利用のための仕組み)

人材の面については、今までとは違う役割や責任、権限を明確にしなければならない。
決められたことを忠実に実施する能力だけではなく、創造力、企画力が、重要になる。これから最も重要な役割はITアーキテクトだろう。PMの役割は発展して明確にアーキテクトとプロジェクトマネジメントに分かれる。
まず最初にアーキテクトが、全体のITアーキテクチャとプロジェクト実施のための方法論(プロセス)を決める。決められたアーキテクチャに従ってプロマネが、IT工事(今までは開発と呼んでいるが、あえて工事と呼ぶことにした)の進行監理を行なう。複雑で多様なニーズに応えるためには、最初に検討するITアーキテクトの役割は極めて重要である。さらに言えば、IT業界を発展させるためには、アーキテクトの成功者が次々と出現する必要がある。建築や土木の分野では、有名なアーキテクトが存在するのに、IT業界ではまだまだ少ない。少ない理由は、まだ、技術やマネジメントが、未熟な状況にあるということだ。
建設、土木、造船、プラントなどの世界では、設計、監理、工事の分離は、当たり前であるが、IT業界は、この分業に到達する以前の段階だ。技術基盤が複雑になり、環境が変化してもIT組織の行動レベルは一向に変わる気配は無い。むしろ愚痴が増えるばかりだ。一部の経営者からは、もうこのIT工事の商売は儲からないので別の商売を模索したいとの声が挙がっている。情けない話だ。
規模の小さい製造物の作り方は、規模の大きいものとは根本的に異なる。小は大を兼ねないと言うことだ。
ソフトウェア開発の世界は、今までの歴史の中で初めて、本格的なプロセスの確立を強いられる時期に来た。

複雑で規模の大きいものを作るための人材、役割の定義と実効性のあるプロセスの確立こそが、これから時代をリードする条件になる。小は大を兼ねないということを肝に銘じなければならない。

CIO、IT組織のトップの仕事は、状況を先読みして、変革の火を灯し、人と組織を「変える」ことである。変革リーダーとして先頭に立ち続け、次の世界を創る使命がある。高いビジョンを掲げ、しぶとく改革を行なうのだ。
変革の文化を組織に根付かせ、変化を当たり前の文化にすることが、生き残りへの鍵となる。経営者自身が変化できないようでは、成功するはずが無い。

私は、IT業界に大きなチャンスがやってきたと考えている。

元気なトップが、ITの未来を創る。

・変革を当たり前にしよう
・本当のプロフェッショナルを育てよう
・何よりも経営者自身が変化しよう

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Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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