心のひだ

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 チームワーク、モチベーション、メンタリング、コーチングなど、心に関する横文字が横行している。私にはしっくりこない。日本人の感じる「心用語」になっていないような気がする。言葉はなんとなく理解できても、本当のところ「分かった」ことには、なっていない。手法に走り本当の心を失っては元も子もない。もっともっと自分の経験を生かして自分の力で考えなければならない。

 私たち日本人は、機微(きび)を理解できるような人を目指すべきだ。

 表層で善、悪を理解しているように振舞うことは、簡単だ。また、表層で善や悪を装うこともできるだろう。しかし、苦労の中から見つけ出した厳しさの中のやさしさや、善人を装っている人から感じ取れる小さな悪を判断できる人は、すばらしい。
 普段はほとんど黙っているが、状況を深く理解している人がいる。また、明るく元気に振舞っている中にちゃんと厳しさを持っている人もいる。同様に明るく元気に振舞っていても不安があったり心の中に邪な部分を持っている人は、どことなく分かるものだ。言動と心の中が一致してない人もいる。言葉では、分かったようなことを告げているが、心は真反対の人もいる。このような人は、常に不正直さを隠すためのエネルギーを使い続けて疲れてしまうために、時々論理が無くなり、いわゆる「キレ」て、発散するか、心の病気になってしまうだろう。
 人間である以上個性があり「その人なり」の姿があるべきだと私は思う。こうしなければいけないというものは無い。自分自身の長所短所を受け入れ、自分を愛することが、正直な生き方への出発点となる。

 人間である以上、人情をもって深く考え、正直に生きてゆくほかは無いのだ。自分を受け入れ、人も受け入れられれば人の心も深く理解できるようになるだろう。機微が分かる人とは、そのような人だ。

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Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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