心の機微

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 人の心は、複雑である。ほんの些細に思えるようなことが影響して嬉しくなったり、悲しくなったりする。人の心をもてあそんだり、つけこんだりすることは、いけないことだ。私は、できるだけ正直にストレートに、気持ちや考えを相手に伝えることにしている。しかし、ストレートに伝える場合の条件は、正直に伝えることで相手が良い方向に向かうことが分かっている場合である。時に正直すぎることが誤解や疑惑を生むことがある。相手の精神状態が悪い場合には、素直さがかえって悪い結果を生むかもしれない。人によって、思考や言葉の癖は違う。情報を受けるときの考えや受け止め方にも癖がある。それを、推察しながらコミュニケーションをとる。

 両親に大切に育てられた人は、コミュニケーションを肯定的にまっすぐできる人が多い。小さい頃、親や周りの大人が子供に大きく影響を与える。私は、人と会話をする際に、その人の両親は、どのような人でどんな感じでその人が育ってきたのかをそれとなく確認したり、話題に出したりして会話を進めるようにしている。

 心の機微が分かる人と分からない人がいる。他人の心に平気で土足で踏み込む人もたまにいる。他人と会話する際に靴を脱ぐことをしつけられていない。大人になってから認識させようとしても難しい。他人からこの手のことは、フィードバックされないからだ。要は、アンテナが機能するかしないか、長いか短いかで感度のレベルは決まる。アンテナの感度が良くなるかどうかは、環境が強く影響する。

 恋愛は、機微のゲームである。男と女の関係は、知り合ってから少しずつ心が打ち解け、互いの理解が深まっていく。思い込みや誤解も含めて浅くなったり、深くなったり、おやっ!と云うような、発見や驚きがあり、変化していくのだ。時には、今まで築いてきたものがガラガラと音を立てて崩れるようなことも起こる。心の機微の訓練には、恋愛するのが良い。(訓練目的で恋愛をすべきではないが)なぜならば、間違うと本当に傷つくからだ。本気で相手のことを思っていても相手のことを感じ取ることができなければ、良い結果は生まれない。人は傷つき成長する。手紙やメールも状況によって様々な感じ方をすると思う。相手の置かれている状態と性格を良く考えて伝える。

 私は、わざと単純に相手にわかりやすく見えるように振舞うことがあるが、心の機微は、とても大切にしている。

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Profileプロフィール

林衛
林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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