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【連載その5】アイ・ティ・イノベーション18年の軌跡、未来に向けて

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【黎明期(2009年から2012年6月)54歳~57歳】 次の時代への再編

 この時期は、コンサルティング事業及び研修事業などの既存事業に関して、次の時代に向けて更なるレベルアップが必要であり、そうでなければ生き残っていけないのではないかという思いが強くなっていた。そこに、リーマンショックが起こり、更に東日本大震災が発生、大きな逆風に晒されることになった。最終的にはその影響を克服していく時期となるのだが、それでは、どうやって逆風を克服したのだろうか、改めて考えてみた。

 自覚的かそうでないかは別にして、事業を伸張させていくには大きく言えば2つの方法があると思う。一つ目は、当たり前だが今あるものを更に向上させるという方法だ。競争力が見込まれないものは捨て、競争力が引き続き見込まれるものに絞ると同時に、それを更に磨いていくのだ。二つ目は、これから期待される新たな分野(であり、まだ人が目をつけていないところ)にチャレンジする方法である。コンサルティング事業においては、プロジェクト・マネジメントにおけるマネジメント力の一層の強化や、その質の更なる向上が第1の方法にあたる。次に、私は「これからは上流や超上流分野の強化が業界全体に必要であり、そうであるなら他の誰でもない、我々こそその分野に狙いをつけて事業を強化すべきだ」と考えた。それが、ビジネス・アナリシス(BA)とIT構想企画への展開・強化であり、ITコンサルテイング会社として特徴ある大きな価値を創出することとなっていった。これが二番目の方法にあたる。

 リーマンショックで傷ついていない会社は無いだろう。しかし、これらの逆風を契機として、質の向上と強みの追求が私の最重要なテーマになり、最終的にこの時期の大きな逆風を克服することができたのである。あえて言えば、設立からの比較的順風であった時期から、苦しみを克服し、次の飛躍への雌伏となる時期を過ごしたと期待を込めて記しておく。

 会社としては逆風を乗り越えたとはいえ、経営者としての私の精神はどうだったろう。一度痛い目にあうと、その後はうまく行っていても、心配が常に脳裏に残るようになり、心休まることがなくなってしまった。今度は自分の心の中にあるこの不安を克服することが次の課題となった。そこで私は以下の命題を鉾として自らの心の盾を打ち破ってやろうと決めた。それは、

「ITIにしかできない強みの創造。強みの上に強みを築く。」

である。これは、他社が追い付こうとしても追い付けないほどの圧倒的優位性の確立を目指すということである。
では、この命題を実現していくには、どのようにしたら良いだろうか。

つづく

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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