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リーダーの本質 ~ブライアン・マーティン 林 衛 コラボレーション・コラム~ 第3回「コミュニケーションを深める秘訣」

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ブライアン・マーティン

ブライアン・マーティン


ブライアン・マーティン
IAS 会長 兼 最高経営責任者

米国の多国籍企業リーバイ・ストラウス社の日本支社長を経て、アジア地域総責任者に。その後ドイツの多国籍企業、トリンプ・インターナショナルの日本支社長。ニュージーランド経営協会会員。
1998年、インターナショナルWho’s Whoのプロフェッショナル部門の名誉メンバーに選出。2001年、21世紀アチーブメント賞受賞。 ニュージーランド・オークランドのマッセイ大学で経営とリーダーシップについての講座も持つ。


ブライアンより一言

前回の宿題は、プロジェクトを計画し周りの人を巻き込み、その人たちが「プロジェクトで最も達成したいこと」は何か聞いてみることでしたね。
結果はどうでしたか?
価値観はさまざまであり、みんなが同じ視点に立ってプロジェクトを見ているわけではないと実感されたのではないでしょうか。

ですからマネジメントにおいて、コミュニケーション能力を上げる秘訣は「聞くこと」です。いま「そんなことはいつもやっている」と思いましたね? 本当にそうでしょうか。
私たちのセミナーに参加した人は、延べ何千人にもなりますが、例外なく「うちの上司は話を聞いてくれない」と嘆きます。上級管理職の皆さんへのアドバイスは「口をしっかり閉じて、相手が話し終えるまで開かないこと」です。前回の林さんのコメントのように、仕事ができる人ほど自分の意見を主張し「人の話を聞かない」という心のわなに陥りやすいのですよ。

今回は「聞く」練習です。部下はもちろん、妻の、夫の、子供たちの話を聞きましょう。相手の話を途中で遮ってはいけません。相手が話し終えるまで絶対口を開かないこと。あなたが思っている以上に難しいはずです。

今回みなさんに贈る言葉はこれです。
「なぜ人間には耳が二つ、口が一つなのか。話す2倍は聞く必要があるからだ」

林衛よりコメント

プロジェクトにかかわる人はそれぞれ異なった視点でプロジェクトを見ています。成功のためにはそれを披露しあって統合することが非常に大切になります。
ここで必要なのが「聞く」能力です。だが、ほとんどの人は、表面的には「話を聞かなくちゃ」と思っていても、心の深いところではその必要性がわかっていません。そこで、「人の話を聞く」ことを意識的に練習する必要があります。
私がいつもセミナーで実践している練習方法をひとつ挙げましょう。以下のようにルールを決めてディスカッションをします。
AさんとBさんがある話題について話をします。まず自分の言いたいことを10分くらいで紙に書いてまとめておきます。最初の3分間はAさんがBさんに一方的に自分の意見を述べます。このときBさんはただ聞くことに徹します。うなずくのはいいが、口を挟んではいけません。それが終わったらBさんがAさんに同じ要領で話します。
3分間は長い。たいていは途中でネタ切れになり「言いたいことを言い切った」状況になります。この練習をすると、みな「この人はこんなにたくさん考えていたのか、こんなに意見を持っていたのか」と相手を見直し、いつもの会話がいかに表層的なものだったのかに気づきます。2人を4人にし、4人を8人にと人数を倍にしながら実行すると、短時間に100人200人の意見を集約できるので、この手法は「スノーボール」と呼ばれています。
一度、これをやってみて、自分が「いかに人の話を聞いていないか」を認識してほしいと思います。そこからあなたのコミュニケーション能力向上が始まるのです。

第4回につづく

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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