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ITアーキテクトへの道 その2

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ITアーキテクトの人物像について考えてみました。

情報処理推進機構(IPA)が、進めているプロフェッショナル・コミュニティのITアーキテクト委員会が作成した、ITアーキテクト育成ハンドブックには、ITアーキテクトに必要な資質と行動様式について次のように書かれている。
私の考えているITアーキテクト像の本質を突いた纏めになっている。

ITアーキテクトは、ITに関わる技術の最高責任者であるといえる。
しかし、一般の人が想像するアーキテクト像は、技術にやや偏った理解をしているようであるが、私は、人格面やどのような行動ができるかが、より大切だと思う。
 アーキテクトは、技術を通じてプロジェクト内で、かなりの影響力を発揮する必要がある。言い換えれば、「あの人の言うことであれば信用できるよね」「あの人が、このように言っているのだから間違いないし、ついて行こう。」と周りの人が思っているかどうかが、ITアーキテクトか単なるスペシャリストかの分かれ目だと思う。
要約すれば、最も信頼の置ける技術責任者だということである。そのような視点で以下の能力と行動様式を見てみたらどうだろうか。

ITアーキテクトの能力   行動様式
1.抽象化能力 物事の本質を捉え、ズバッと纏める。
2.決断力 全てが見えていない段階から方針を決断できる勇気を持っている。
3.説明能力 決断の理由を述べる。なぜそのように考えたのか、しっかりとした筋道を立てて説明できる。
4.視野の広さ 視野の広さを生み出すためには、対象領域に、まずは、関心がなければならない。強い関心を持っていること、つまり好奇心が、何事に対してもある。
5.多様な価値観の受容 思い込みや間違ったこだわりを持たず素直にさまざまなものの見方、価値観を正しく持っていること。
6.問題予見力 将来の問題を察知する能力、見通しが、利くということ。察知する能力があるということ。
7.技術的バランス感覚 設計課題と解決の価値、価値を基盤としたとした技術的な解決策を導き出せること。目的に応じた価値認識ができるかどうかが、いわゆる「オタク」との最大の違いだ。
8.知的体力と粘り強さ 設計方針を貫く姿勢・態度。良い成果を生むためには、正しい技術方針と粘り強さが、成功要因である。どちらが欠けても成果にはつながらない。

大成功するITアーキテクトは、人間に強く、さらに人格面で優れた人である。
全ての技術者が、「人としての信頼」を抜きにして仕事が、うまくいくことはありえないと私は、考えている。自分自身が、信頼できる人かどうかを振り返ろう。

本当に実力のある人の、言葉は重い。

ITアーキテクト育成ハンドブックより ITスキル標準 プロフェッショナル・コミュニティ ITアーキテクト委員会 2004.7.7 V1.0 より

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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