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異国の人や国に関心を持つことが緊密な交流の始まり-ビジネス成功の第一歩-

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 私は、仕事柄、ここ3年の間にインドへ2ヶ月に一度の頻度で出張している。
 これまでにお連れした役員や上級管理職の方は数十人になる。

 毎回、思うことがある。「どうすればグローバルな活動は、成功するだろうか?」

 成功への道標(みちしるべ)として誰でもできることを考えてみた。

 第一に、その国に対する関心を持つことである。訪問者がその国に関心があるかどうかは、簡単に伝わるものだ。誰もが目的を持ってインドを訪れることは、確かであるが、仕事上の情報収集もさることながら、その国の文化や目の前に居る人々に関心を持てる人かどうかは、相手にはすぐ分かる。仕事上の目的を一歩踏み出すことで、最初のコミュニケーションが、始まる。貴方達に関心を持っているぞ!ということを相手に伝えなければならない。自然にできる場合もあれば、ある程度、最初は無理してやる場合もある。何もずうずうしく振舞うことではない、「せっかく何かの縁で訪問しているのだから、興味を引くもの」を探すことである。何かがきっかけとなり先が広がってくる。海外に来ているのだから貴重な機会だと考えるべきだろう。

 第二は、会議、プレゼン、会食、また様々な訪問先への移動の際に、自らコミュニケーションを取ることである。その国の仲間の中に飛び込み、積極的にコミュニケーションを図ることが、関心をさらに深め双方を打ち解けさせることにつながる。私は公式の会議以上に、それを超えた会食の場や一緒にリクレーションの場などを作ることをできるだけ心がけている。初めての人がいる中で、仕事以外の場を作ったり、双方が自分の時間を使ってイベントやスポーツなど他の何かを計画するのには、気も遣うし勇気もいることだ。
 そのような場を故意に避ける人や仕事以外に踏みこまない日本人が、実に多くいるのも事実だ。私の経験では、日本人が積極的になれば、外国の人の方が打ち解けてくれる場合が多い。いろいろな国内外のパートナとの関係があると思うが、付き合っている相手のプライベートな面まで会話ができているかどうか、一緒に遊んでいるかどうかが、関係の深さを示すバロメータになる。最初は、家族や出身地などの話から始まり、趣味、文化、個人の将来のことにまで話が発展する。

 第三は、このようなコミュニケーションが続けば、次の段階は感情がこもった関係が、自然に出来上がることである。つまり、好き、嫌い、もっと知りたい、もう沢山といった感情が醸成される。仕事や活動に情緒は伴うものだ。互いに踏み込んでこそメンタルの面まで含めたお互いに仕事を超えた強い関係を築くことができるのだ。そのようにすれば、仕事は、当然うまくいくようになるし、それ以上に明るく楽しい環境になると思う。お互いの人の結びつきが強くなれば必然的に長期に成功する関係もできるし、問題が起こったときも一緒に乗り越えられる力が出る。

 インドに初めて訪問したときは、日本とあまりにも違うと感じる日本人も多いだろう。しかし実は、もっと深く踏み込んで付き合えば付き合うほど身近に感じる面が多くある。たとえば、若者の多くが、純粋で夢を持っている点。親戚や家族との関係は、日本の昭和30年代、40年代のようだ。また、人生観や宗教観も日本と似た面がある。インド人は、日本人が失ってしまった良さを別の形で持っている。
 
 仕事に忠実でまじめに推進することも大切であるが、広い受け口で人に関心を持ち、人と人との信頼できる関係をつくってこそ、良い仕事ができると思う。今後、我々は、新たなパートナ探しやコストダウンの方法、技術提携など様々なグローバルの活動が、盛んになる。目的の達成や機能の獲得のために直進的に仕事をしてはならない。
 世の中は、そのようには創られてはいない。

 正しい仕事の前に正しい人間関係の形成が、重要だ。

『一歩立ち止まり、今の自分に何ができるかを考えてみるのも良いと思う。』
 
 何度もインドに行っているが、今回はこんなことを思い、書いてみた。

(2008年9月27日インドのプネから帰国して)

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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