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企業にグローバルマインドを植えつけること

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 前回のブログは、インドからお送りしたが、今回は、大連である。今年に入ってからすでに7回目の海外渡航になった。プライベートで中欧に旅行した以外は、すべて中国とインドである。特にアジアでの大国、インドと中国へ頻繁に渡航し、さまざまな人と真剣にビジネスを進めているとわかってくるのがカルチャーの違いである。私の立場からいえば、渡航する理由は、主に二つある。海外のパートナーとの重要な意思決定にかかわる場合と重要なお客様を提携先の会社を紹介する場合のどちらかである。どちらのケースでも国に限らず最も大切なことは、信頼関係である。文化の差というバリアを超えなければならない。信頼関係は、簡単には生まれない。真直ぐ、明るく振舞い、相手の懐に飛び込むことがどのような場合にも必要になるが、真直ぐ・明るく振舞う行動には、相応の実力と余裕が必要である。

 どの国の文化も短期に理解できるものではないが、私が、もっとも大切にしていることは、その国の人と文化に関心を示すことと日本と違った価値観が存在することを受け入れることである。自分の物差しを持つことは良いことであるが、時として相手の価値観をうっかり善悪の判断基準で見てしまうことが無いように、意識的にしている。日本人にすれば奇異に感じることも相手の立場からすると当たり前のことかもしれない。ものさしは、さまざまな種類が存在することを常に頭に置かなければならない。また、複眼的な視点でみることが必要になる。日本人は、特に、この複眼的、鳥瞰的視野が弱い。島国で“平和で幸せ”なお国柄なのだろう。冷静に自分の価値観や判断基準が、どこから来たものなのかを振り返るのが良い。

 インドや中国から見ると日本は、日本から他国を見るのと同様に変わった文化の国なのだ。それぞれが、同じ立場で相手の文化を見ていることに気づくことが必要で、さらに言えば尊敬の念を持って違う文化と価値観を受け入れなければならない。違いを尊重し、認めることができれば、第一段階は、クリアーできる。第二段階は、真摯に素直に振舞うことだ。真摯さと素直さは、単純であるが、どんな政治的手法や技よりも力があると私は、考えている。我慢強くこれらの基本的な行動原理で進めれば、本当の信頼関係が生まれるものである。

私は、これまでに数多くの国の企業や人と関係を創ってきたが、振り返ってみるとやってきたことは、継続的な信頼関係の構築である。

私たちは、インドに続き中国・大連でも日本の社会人のためのグローバル教育を始めている。将来大きな市場に成りうる国でグローバル教育を行うことには、単なる教育以上の意味があると考えている。

  • 渡航した国の文化を肌で感じられること
  • 渡航先の人々と直接触れあい価値観の違いを知ること
  • 渡航先の人脈を創ること

 私自身も二十数年前に英国の会社に技術導入をミッションとして半年余りの期間滞在したことがあるが、長期の目的を持った滞在は、直接的な技術導入以上の人脈創りや人間力の強化、新たな価値観を得るなどさまざまなことを学ぶことができた。グローバル化とは、違う価値を心底認め合うことが、基盤にあるように思う。しっかりとした文化的な基礎力を身につけたうえに語学力やマネジメント力、技術力を醸成することが、早道だと私は、考えている。

ひとりでも多くの若者が、未来のグローバルビジネスを支えられるようにしたいと真剣に考えている。

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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