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大連慕情

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7月7日の七夕の日に日本を発って以来、2週間近く大連に居る。日本人がよく知っている大連と言えば、近郊に203高地、旅順港などがある。夏の大連は、東京に比べると緯度が高く、最高気温は、摂氏30°程度で快適だ。また、中国の都市の中では、特に、親日的な場所である。大連の日本統治時代に日本が創った建物が数多くあり、今でも大切に使われている。
    
大連の中心地は、街路樹がきれいな坂のある港町だ。戦前にロシアが構想し、日本が実現した市街地は、落ち着きがあり、ヨーロッパの都市に似たデザインに日本の風情をどことなく織り込んだ異国情緒溢れる街である。毎日同じ街並みを見て居ると「おやっ」と何かに気が付くことが多くある。私は、日本を2週間も離れて大連に滞在することは、初めてであるが、長く滞在することも悪くないと思っている。

私が、「大連」で思い出すのは、松任谷由実(ユーミン)が、1981年に発表した「水の中のASIAへ」というアルバムである。このアルバムが発表されてから30年余り経っている。私が、社会人になって欧米にあこがれていた頃、アジアに対するユーミンの思いがいっぱい詰まったこのアルバムを、ジャケットが気に入って購入した。異国情緒を感じながら聴きこんだ。その中の一曲が「大連慕情」である。

それから、20年以上経って、私は、初めて、大連を訪れた。 さらに、2年前から、本格的に、大連で仕事をするようになった。何か縁で大連の地と結ばれているような気がする。私は、仕事上のパートナーや場所の選択に関して直感や縁を大切にしている。何事を進めるにしても論理よりも情緒的な感覚が重要である。頭で考える正しさも大切であるが、情緒的な何かがないと、事はうまく運べないと考えている。情がなければ、困難は、乗り切れない。

話をアルバムに戻すが、大連慕情は、中国の大連から母宛に届いた、父の古い手紙について詩っている。娘の視線から遠い日の父を想うユーミンとしては、めずらしく父母をテーマにした曲である。母に宛てた黄ばんだ手紙を見付け、遠い異国の地に生きた亡き父に想いを馳せる。タイトルからもわかるように肉親を恋い慕う純粋な気持ちがテーマだ。中国の大連が舞台であり、亡き父の若い頃の母への手紙を見つけた娘の心情を描いている。今でも大連の街並みから遠い昔の情景を思い浮かべることができる。街並み、街路樹、アカシアに心を動かされ涙ぐむ。

一度、この曲を聴いてから大連を訪ねてみよう。

また、二週間後に私は、大連への次の出張を計画している。私は、今度、大連から何を感じ取るだろうか・・・・・           
                                      林 衛@大連より

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林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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