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【連載:エッセイ「すべては、チームのために」】~まとめ~

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個々のメンバー、人をより深く知ること。
感情を素直に出せる場創り(心理的安全性の確保)。
適度に緊張するチャレンジを伴う達成目標の設定。

本連載のテーマは、「すべては、チームのために」であり、今回で最終回になった。

チームでの成果を最大限にするための重要で組織的な基盤として“エンゲージメント(深い信頼関係)”について、二回のブログで語ってきたが、やはりチーム成功の根本は、人の問題であり、人のことを良く知ることが基本にあると思う。

自分が優秀なリーダーであると自負がある人の場合、自分の力を一所懸命出すことで、他のメンバーを強く引っ張り、より高い成果を目指そうとする。これは頑張っているリーダーに有りがちなシーンである。悪い話ではないが、個人の頑張りには限界がある。

また、個人の頑張りよりも、チームメンバーとの対話やコミュニケーションを重視し、高い成果を目指すチームもある。チームワークが重要といっても個人のアイデアや思い付きが効果を発揮することも考慮にいれる必要もあるだろう。

どちらも、方法としては悪くはないが、要はバランスが重要だということである。

ここで今一度、深く考えてみよう。

すでに以前のブログでも述べているが、私はチームについて以下のように考えている。

人の考え・行動を決定付けるものには、「理性的な側面」と「感情的な側面」があり、ここでは「感情的な側面」を重視する必要がある。理性は論理的なものであり、目標達成に向けての段取りや技術、テクニックなどが重要なのは、言うまでもない。一方、人の気持ちや思いなどの情動は、しばしば置き去りにされたり、軽視されることがある。何事も成すためには、感情という土台の上に理性というものが乗っかって、機能させることが要件であるのに、議論では理性が優先になる。

そもそもチームを形成し、高い成果を目指すということの本質は、個々のメンバーのスキル、経験を越えた結果を出せる可能性があるという理由からではないか。

スポーツ然り、発明や発見然り、企業の困難と思われたプロジェクトの成功事例など、世の中の「高い成果を収めた事例」を見ると、必ずと言っていいほど既知の実力以上の結果を生み出している。この事実を「どのように説明すべきか」ということである。

我々は通常、理性的な計算を超えたチームの実力は、考慮していないはずである。
しかし現実には、感情面の力が働いた時に“非常に高い成果”を発揮することになる。

皆さんは、アチーブメントゾーンという言葉を知っているだろうか?

アチーブメントゾーンとは、目標達成の高さを縦軸に、時間軸を横軸に置く、チームの達成目標を定める領域である。

最適な目標勾配付近にある“目標達成のために、適度な緊張感のある領域”にチームの目標を置く。過度に高すぎる目標は、そもそも達成が不可能である。また、目標を下げたり、期間を長めに設定したりして易しくした場合は、返ってメンバーの緊張感、達成意欲が薄くなり失敗することになる。

適度に高い目標と時間的にもプレッシャーを感じられる適切な目標設定をすべき領域をアチーブメントゾーンと呼ぶ。言い換えれば、チャレンジを伴い、同時にチームの能力や経験を生かせるような目標を定めることで、高い成果を得られることが、証明されている。

多くの組織に欠けていることは、「人を良く知るということ」と「理性・感情を自由に出せる場が少ないということ」だと私は考えている。この点を改善することで、高い成果を目指そうではないか。

<参考書籍> 
タイトル:アチーヴメント・ゾーン 未来を切り開く心理学
出版社:文芸春秋
著者:シェーン・マーフィー(著者)、広淵升彦(訳)


       

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Profileプロフィール

林衛
IT戦略とプロジェクトマネジメントを中核にITビジネスのコンサルティングを行うアイ・ティ・イノベーションのファウンダーであり社長を務める。◆コンサルの実践を積みながら英米のIT企業とかかわる中で先端的な方法論と技術を学び、コンサルティング力に磨きをかけてきた。技術にも人間にも精通するPM界のグランドマスター的存在。◆Modusアカデミー講師。ドラッカー学会会員、名古屋工業大学・東京工業大学などの大学の講師を勤める。

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