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【最終回】少しずつ良くしよう! ~ EAを用いた継続的改善 ~


 こんにちは。アイ・ティ・イノベーションの井﨑です。本連載も今回が最後となりました。連載開始からはや2年。。。思い出は最後にお話するとして早速本題に入ります。

 今回は「少しずつ良くしよう! ~ EAを用いた継続的改善 ~」と題して、「ISO 9001 10章 改善」を参考にしながらEAの観点も踏まえて見ていきます。

目次

1. ISO9001の10章が要求していること

2. 継続的改善とは

3. EAの考え方を用いた継続的改善 (= 全体最適化)

4. まとめ (ChatGPTによる要約)

1. ISO9001の10章が要求していること

 ISO 9001:2015の10章は「改善」は以下の3つのセクションから構成されています。

セクション 説明
1. 一般 ✓ 製品・サービスの改善
✓ 望ましくない影響の修正・防止・低減
✓ 品質マネジメントシステムのパフォーマンス・有効性の改善
2. 不適合及び是正処置 ✓ 修正 (正しい状態に戻す)
✓ 是正処置 (再発防止を行う)
✓ 文書化 (行ったことや結果の記録を残す)
3. 継続的改善 ✓ 日々改善を積み重ね、少しずつ効果(パフォーマンス)を向上させること

 10章についての個々のセクションの解説は専門サイトYoutubeに委ねますが、端的に言うと10章は「組織が常に改善の機会を特定し改善を積み重ねていくこと」を要求しています。PDCAでいうとA(アクション)に当たります。
 

2. 継続的改善

 10章の中で個人的に特に重要と感じるのが3つ目の「継続的改善」です。(1つ目、2つ目はやることが当たり前のこと) 継続は力なりと言われるように、継続することが大事であるというのは一般的にもよく知られていることだと思いますが、それを実践することが難しいことも経験上感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。また、継続すると言っても単に走り続けるだけでは改善に繋がりません。

 つまり、ここでの継続というのは同じことを続けるということではなく、目的や状況に応じて走る方向や走り方を柔軟に変えるということを意味していると私自身は理解しています。この考え方はアジャイルの考え方に非常に似ています。短いスパンで小さいながらも成功体験を得ると小さな自信を持てます。その積み重ねが大きな自信に繋がり、ひいては組織のパフォーマンス向上に繋がります。したがって、組織として意識的に継続的改善を重ねることが大きな成果への一歩となるということですね。

3. EAの考え方を用いた継続的改善 (= 全体最適化)

 繰り返しになりますが、継続的改善を行う前提は「目的や状況に応じて走る方向や走り方を柔軟に変える」ことです。この目的と状況を把握するツールとしてEAが役に立ちます。EAはある意味フレームワーク思考ツールですので、以下のようなことができるようになります。

継続的改善に対してEAができること
 
 1. 全体を定義できる
 2. 焦点を絞って考えることができる
 3. モレやダブりを防いでくれる
 4. 関係者と共通認識を持って対話することができる
 


EA概念図 (クリックして拡大)

 EAを語る際、よく「AsIsとToBeを描いて移行計画を作って…」という話をしますが、これは本来一過性のプロジェクト的な話ではなく、どちらかというと継続的改善を行う上でのスタートと当面のゴールを示したものにすぎないと考える方がよいと感じています。というのも情報システムは常に変化していくので、ある意味終わりのないマラソンというか、障害物競走のようなものです。そのような競技に対して数年に一度猛ダッシュしてゴールに辿り着き、数年寝た後また起きて猛ダッシュして…というのを繰り返すのも体力が持たないと思いますし、そもそもダッシュする人が代わっている可能性もあります。したがってEAの考え方で全体を捉えた上で、少しずつ継続的に改善することで無理なく着実に成果を実感しながらゴールに向かうことができると考えます。 

4. まとめ (ChatGPTによる要約)

 以下、前回のブログ同様、今回の内容をChatGPTに要約してもらいました。(レスポンスの中身そのまま)

( ChatGPTによる本ブログの要約 )

本文は、ISO 9001:2015の第10章「改善」とEnterprise Architecture(EA)を用いた継続的改善のプロセスに関する解説です。

【 ISO 9001の第10章の要求事項 】

  • 製品・サービスの改善
  • 望ましくない影響の修正、防止、低減
  • 品質マネジメントシステムのパフォーマンス向上
  • 不適合及び是正処置の記録と文書化
  • 継続的改善による日々のパフォーマンス向上

【 継続的改善 】

継続的な改善は、同じ活動を繰り返すのではなく、目的や状況に応じて柔軟に方向や方法を調整すること。これはアジャイル開発に似た考え方で、小さな成功を積み重ねることにより組織のパフォーマンスを向上させることができます。

【 EAを用いた継続的改善 】

  • EAを使って目的や状況に合わせた全体の定義と焦点の絞り
  • 重複や漏れの防止
  • 関係者間での共通認識と対話の促進
  • 継続的な改善を通じて段階的に成果を実感し、目標に向かって進むことが可能

このアプローチは、一過性のプロジェクトではなく、絶えず変化する情報システムに対応して継続的に改善を図るための戦略として提案されています。

 おー、うまく意図を掴んでまとめてくれてます。さすが、ChatGPT。

 さて、これまで9回に渡って「マネジメントシステムとEAの活用」について連載させていただきましたが、正直ISO 9001は品質マネジメントシステムであり、EAは企業の情報システムの全体最適化のツールなのでそもそも使う人や使いどころが異なり、その関係性を語るのは難しいです。ただ、全体最適化や目標達成のためのマネジメントツールといった形で抽象的に捉えると、共通点が見えてきます。私自身、前職で情報システムとマネジメントシステムを学ぶ機会と実践する機会をいただいた際に多くの気付きを得ました。その気付きを忘れないように記録するため、また年間数百万円かけて取得しているにもかかわらず形骸化しがちなISOをEAと関連付けることで新たな活用方法を見出せないかと思い、この連載を始めることにしました。抽象的な話が多く、分かりにくいところも多々あったかと思いますが、少しでも何かの役に立てば幸いです。

 ご一読いただきありがとうございました!

タイトル 内容 (EAとの関係性の解説)
第1回 MSとEAを共通言語にしよう! MSとEAの関係性
第2回 ビジネスプロセスを見える化しよう! ISO 9001 序文 プロセスアプローチ
第3回 メタデータを整備しよう! ISO 9001 3章 用語及び定義
第4回 ビジネスニーズと組織の状況を把握しよう! ISO 9001 4章 組織の状況
第5回 ロードマップを整備しよう! ISO 9001 6章 計画
第6回 人財を育てよう! ISO 9001 7章 支援
第7回 積極的に運用しよう! ISO 9001 8章 運用
第8回 改善ポイントを見つけよう! ISO 9001 9章 パフォーマンス評価
第9回
(今回)
少しずつ良くしよう! ISO 9001 10章 改善

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Profileプロフィール

井﨑 学
分析・計測機器メーカーのIT部門にて18年間、BPR、システム企画、EA、マネジメントシステムの導入を推進。 その後、アイ・ティ・イノベーションにてデータ中心アプローチによる上流コンサルティングに従事。 Iasa日本支部会員、DAMA日本支部会員、PMI日本支部会員。 趣味はジョギングと読書。好きな飲み物はコーヒーとビール。

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