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目標とロードマップを整備しよう! ~ 整合を取る大切さ ~

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 寒い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。と言いながらもうすぐ春ですね。世の中的にはコロナも落ち着きつつある?し、個人的には運動不足だし、高校生の息子の受験も終わりそうだし、弊社の社長も「今年は行動あるのみ!」と言ってるし、お客さまと顔を合わせながら話したいし、そろそろ動きを活発化したいなと考えている今日この頃です。ちゃんと目標も定めた上で。。。。

 ということで今回は目標とその実現のためのロードマップについて書いてみたいと思います。目次はこちら。

目次

1. 目標とは

2. 目標の整合をはかる

3. ロードマップとは

4. まとめ

1. 目標とは

 
 目標とは何でしょうか。ここではISO 9000の用語の定義を引用します。

  1. 目標は,戦略的,戦術的又は運用的であり得る。
  2. 目標は,様々な領域(例えば,財務,安全衛生,環境目標)に関連し得るものであり,様々な階層[例えば,戦略的レベル,組織全体,プロジェクト単位,製品ごと,プロセスごと]で適用できる。
  3. 目標は,例えば,意図する成果,目的,運用基準など,別の形で表現することもできる。また,品質目標という表現の仕方もある。又は,同じような意味をもつ別の言葉[例 狙い(aim),到達点(goal),標的(target)]で表すこともできる。
  4. 品質マネジメントシステムの場合,組織は,特定の結果を達成するため,品質方針と整合のとれた品質目標を設定する。

 ISOなのでなんとなく堅い表現に見えますが、じっくり読むと至ってシンプルかつ的確に目標の意味を説明していると個人的には感じます。また、「品質」という言葉を取ってしまえばさらに汎用的な表現になります。

 では目標はどうやって設定するのでしょうか。目標設定についてはISO 9001で言うと、 「6章 計画 6.1項 リスク及び機会への取組み」に記載されていますが、私の解釈で説明すると、「目標設定とは将来のビジネス上のリスクやチャンスをきちんと把握した上で、それらに対する取り組みを決定すること」となります。

 みなさんの会社や組織でも目標設定を行っていると思いますが、体系的、意識的にできているかどうかはともかく、なんらかの形で事前に「アセスメント」的なことは行っているはずですのでここはそんなに違和感持つことはありませんが、問題はこの次。

2. 目標の整合をはかる

 一般的にピラミッド型の組織などでは目標設定は上意下達の形を取ります。その上位目標と下位目標を整合させる必要性については異論の余地はないと思いますが、それがなかなか難しい。。。その一例をちょっとした笑い話で紹介します。

  • 日本の地方都市は人口減少・高齢化が進んでいる
  • 国は地方創生の一環として移住支援金を用意した
  • そこで各自治体は移住政策を立案した
  • 各自治体の移住政策の目標人口の数値を足すと2億人になった

 いくら国で「異次元の少子化政策」を打ったとしてもさすがに2億人はないだろう。。。まぁこの話がホントかウソかはともかく、この話は個別目標の達成が必ずしも全体目標の達成にはつながらないことを意味していると思います。

 例えばプロジェクトを実施する場合、必ず目標を定めると思いますが、多くのプロジェクトの目標はその上位に全体的な目標を持っているはずです。プロジェクトが始まるとそのプロジェクト目標を達成することに主眼が置かれるのは当然ですが、常に上位目標、全体目標を意識できる状態を維持することが重要です。ただあくまで個人的な感覚ですが、意外とこれができていないケースが多いように感じます。全体目標っぽいものがあったとしても、そこに至るまでの道筋を描けていないと途中で道に迷ったり、挫折する可能性が高くなります。それを回避するための1つの手段が次に紹介するロードマップです。

3. ロードマップとは

 
 ロードマップは直訳すると道路地図ですが、ビジネスの世界ではいろいろな意味で使われます。ここでは中長期計画やプロジェクト計画でよく使われる「目標達成に至るまでの道筋」という意味を採用します。

 ロードマップというのは簡単には達成できない目標を立てる際に作るものです。ロードマップを考えるというのは根底に企業変革の必要性が少なからずあると思います。その辺りを考えるにあたってはジョン.P.コッター氏の「変革の8段階プロセス」などが参考になります。

第1段階 緊急課題であるという認識の徹底
第2段階 強力な変革推進チームの結成
第3段階 5分で話せるビジョンの策定
第4段階 徹底したビジョンの伝達
第5段階 ビジョン実現の障害の除去
第6段階 短期的成果を上げるための計画策定・実行
第7段階 改善成果の定着とさらなる変革の実現
第8段階 新しいアプローチの定着化
(参考) 変革の8段階 by ジョン.P.コッター氏

 
 会社にお勤めの方ならこれがいかに難しいかは言葉を見るだけでも理解できると思います。ロードマップの裏側にはこのような段階が含まれているということですね。

 弊社は「データ中心アプローチ」の名の下、企業情報システムのToBe像への変革のお手伝いを主な生業としていますが、お付き合いさせていただいているお客様は程度の差はあれ上記の8段階を意識的・無意識的に理解し、行動されている方が多いように感じることも多く、ご支援させていただきながらこちらも多くの気付きをいただくことが多々あります。

 なお、弊社のアプローチ・メソドロジーについては昨年末の弊社松井のブログをご覧いただくと、昨今のDXの動きと弊社のアプローチの関係性をご理解いただけると思います。
 弊社のアプローチとお客様の持つ変革マインドを有機的につなげ、描いたロードマップに対して具体的なアクションを起こすことで着実に目標に向かうことができると考えています。

4. まとめ

 今回は、「目標」および「ロードマップ」、その裏にある「変革マインド」や「実績のあるアプローチ・メソドロジー」、「具体的なアクション」が有機的に繋げることで目標実現の確度が上がるということをお伝えさせていただきました。当たり前のことと言われればその通りですが、「わかる」と「できる」と「できた」はまったく違うので、「できた」状態をお客さまと喜び合えるよう私自身も日々精進せねばとこのブログを書きながら改めて感じた次第です。

 次回は人財について、ISO9001の第7章を参考にしながら書きたいと思います。

タイトル (予定) 内容 (EAとの関係性の解説)
第1回 MSとEAを共通言語にしよう! MSとEAの関係性
第2回 ビジネスプロセスを見える化しよう! ISO 9001 序文 プロセスアプローチ
第3回 メタデータを整備しよう! ISO 9001 3章 用語及び定義
第4回 ビジネスニーズと組織の状況を把握しよう! ISO 9001 4章 組織の状況
第5回
(今回)
ロードマップを整備しよう! ISO 9001 6章 計画
第6回
(次回)
人財を育てよう! ISO 9001 7章 支援
第7回 積極的に運用しよう! ISO 9001 8章 運用
第8回 改善ポイントを見つけよう! ISO 9001 9章 パフォーマンス評価
第9回 少しずつ良くしよう! ISO 9001 10章 改善

 ご一読いただきありがとうございました!

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Profileプロフィール

井﨑 学
分析・計測機器メーカーのIT部門にて18年間、BPR、システム企画、EA、マネジメントシステムの導入を推進。 その後、アイ・ティ・イノベーションにてデータ中心アプローチによる上流コンサルティングに従事。 Iasa日本支部会員、DAMA日本支部会員、PMI日本支部会員。 趣味はジョギングと読書。好きな飲み物はコーヒーとビール。

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